え:楽園-エデン-など、ただ堕ちた天国でしかないのだろう
お題シリーズ4つ目です
見上げた空は残酷なまでに青く、澄み切っていた
あぁ、どうしてこうも世界は僕らに試練ばかり与えるのだろうか
たとえこの身が朽ち果てたとしても、遺るものなどは何も無い
ただ哀しいまでの無がその場に残るだけだというのに
出来る事など何もない、まるで最初からそこにある様に
破壊し続ける事が僕の存在理由?笑わせるな
神は何もしちゃくれない、ただ足掻く僕を見て嗤うだけ
答えを求めたところで、無駄に時は進む
信じてなんかなかった、信じるものなどなかった
幼いままの記憶が僕を狂わせていく
笑い方なんて知らなかったから
いまだにこの部屋は、意味もなく僕をここにとどめさせる
十字架が僕の枷だというのなら、翼などいりはしない
見えない何かに自分という存在を求めるのは愚か者のする事だというのなら
無くなってしまった僕の魂-こころ-を誰が戻してくれる?
呆れる程に幾度となく流した泪は、いつしか僕の罪となった
嫌になるほど舐め続けた、錆びた手錠
何時の時代も、この世界は悲しいくらい僕を勘違いさせてくれる
誰もが狂い、見捨てた地は色褪せ目に写る
涸れた血の泉と荒れ果てた楽園は、僕に絶望だけくれた
眩しい程の光は、もう見たくない
忘れられない記憶がここにある、忘れたい想いがここにある
雨が降り続く、黒い雫が僕を濡らしてく
少しだけの朝日の温もりは、世界を消す事が出来るのだろうか
傷を付けて欲しいと願う、深く深く消えないように
声に出せない程の痛みを、苦しみを分け合う事ができたらなんて
この瞳は光を失ったのに、透明な水は枯れた地に染みた
あの頃のままでいられたなら...僕はどう在れば?
サヨナラが言えないだけなのだろうけど
息が止まりそうになった水の中の闇は暖かい
そっとしてて欲しいのに、神はこんな時まで残酷だ
この世界を愛していないというなら、それは嘘になるのか僕には分からない
いまだにこの世界は僕を狂わす、愛してなどいないのに
罪、罰、咎
すべてが鎖となり僕を締め付ける
食い込んだ鎖は冷たく、食い込んだ鎖は重い
嘘なんて言いたくはないけれど、僕は嘘が好き
だから世界は僕を愛さないのだろうか
その場しのぎで口から出た言葉は、風に揺れ何処かへと流れた
許してほしいと、神に請うたことなどない
死を目前にした死神は何を思い手を下す?
堕ちた天国になど逝きたくはない、こんな僕は傲慢だろうか
美しく華やかな天国など望みはしない、こんな僕は強欲だろう
僕の中に心が有るのなら、とんだ茶番だと笑おう
幾度となく血で汚れたこの手と翼は重い枷?違う、この手と翼は絹の糸
荒れた天国が僕の中に生きているというなら、そのまま楽園に堕ちよう
なに、荒れた天国と堕ちた楽園どちらも違いはない
白に染まる楽園を僕が愛す事などない
なのに、この手が楽園を掴もうとするのは…なぜ?
あぁ、見上げた空は残酷なまでに美しく
僕を殺した……