う:憂い
お題小説3つ目です。
特に何もない世界で望んだものは
たったひとつの『青空』でした。
雲に覆われ濁ってしまった暗い空より、光り煌めく星がちりばめられた空より、美しく広がり続ける青だけに埋め尽くされた空の景色が欲しいのです。
そこに浮ぶ白い雲も、燦々と赤く燃え続ける太陽もいりません。
ただ一色に染められた、澄みきった青空を下さい。
偽物はいやです。作り物もいりません。
ただ、青空を下さい。
この私の想いはおかしいのでしょうか?
いいえ。
私はそうは思いません。
ただひとつ、何も望むことも願うこともしなかった私が、青く美しい空を望んだ。
ただ、それだけなのです。
ですが、この世界には何もありません。
そう、私の望みを聞いて下さる神様なんて最初からいないのです。
では、なぜ私は望むのでしょう?
何処までも続く、美しく清らかな澄み渡った青き空を。
神様などいないと知りつつも、私は願い、望み、欲しがるのでしょう?
ここは何もない世界。
あるのは私という名の狂った精神。
さぁ、何もない世界は、神さえもいない世界は、この私以外に何を見せてくれるのでしょう?
いいえ、何も見せてはくれないのです。
もし、この無ばかりが広がる世界が見せてくれるとしたら、それは...
狂いきった
生命
ただ
それだけ...。
やっと3つ目を書き上げる事が出来ました!来年までにこのシリーズ、あと2つ位書き上げたいです。