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第30話 戦闘訓練

「沙織ちゃんが強いのは知ってたけど、麗奈ちゃんもけっこうやるのね」


「麗奈はスパーリングをあまりしませんけど、確実に殴り合いの経験は積んでますからね」


「あれ、白沢先生。沙織達の呼び方、変えたんですか」


「ええ、彼女達にね、私の事を下の名前で呼ぶから、私達も下の名前で呼んで下さいって言われたのよ」


 白沢先生は少し照れた感じで沙織達を見ながら話すと、裁縫道具を使って直樹の制服の直しを再開した。いつの間にか、白沢先生と沙織達との距離が縮まっていたみたいだけど、良い事だと思う。


 俺と千春と西條さん、そして直樹とで、飲食兼休憩エリアの広い場所で戦闘訓練をしていると、沙織と麗奈と白沢先生がやって来た。


 沙織達は魔法を使って生活の質の向上を目指す話し合いをしていたが、現段階でやれることがひと段落したそうで、休憩がてら外に出て来たそうだ。


 俺達も一旦休憩にして、沙織達に俺達が考えた戦闘魔法についての経緯を話し、どんな魔法を考えたのか話し終えると、沙織が直樹と魔法を使ったグローブとレガースを発動させてスパーリングを始めた。


 そして、拳と脛だけじゃなく体に打撃が当たる瞬間に魔法を発動させて、ダメージを無くす練習も始めていた。


 千春と西條さんは麗奈を誘って戦闘訓練を始めた。


 千春と西條さんは近接攻撃に慣れる為に、麗奈の攻撃を魔法障壁で防いだり、攻撃を受けたり躱したりしながら、スロウの魔法を発動出来るように訓練をしていた。


 麗奈は魔法でグローブとレガースを発動させて、千春達の魔法障壁を殴ったり蹴ったりしながら、拳と脛を守る調整をしたりスロウの魔法を受けて、魔法攻撃に慣れる訓練をしていた。


「私は木刀に魔法を使えば打撃だけじゃなく、斬撃も使える様になるのかしら」


「魔法はイメージと想像力である程度は出来ちゃうので、たぶん大丈夫なんじゃないですか」


「ちょっと木刀を取りに行ってこようかしら」


 白沢先生が沙織達の戦闘訓練を見ながらソワソワしている。そういえば昨日、公園でヒトデナシの頭を木刀で打ち抜いたり、喉に思いっ切り突きとかを白沢先生はお見舞いしてたよな。


「白沢先生って剣道とか習ってるんですか」


「剣道も少しはやるけどベースは剣術ね」


 直樹なら知っているのかもだけど、俺は剣術ってのは初めて聞くな、剣道とは違うのかな。


 白沢先生は直樹の制服の直しが終わった様で制服をたたみ始めた。


 俺は横目で白沢先生の家庭的な仕草にちょっと胸をドキッとさせながら、みんなの戦闘訓練を眺めていた。


 沙織が直樹を蹴って吹っ飛ばした。沙織が直樹に蹴りが当たった瞬間に、触れた場所を爆発させてダメージを増加させた感じだ。


 吹っ飛ばされた直樹が沙織に向かって何か話している。沙織が腰に手を当て大きく頷いてる。すると直樹がその場でワイシャツを脱ぎ上半身裸になった。


「森下君、服を脱いだけど何するのかしら」


 服を脱いで上半身が裸になった直樹に、白沢先生が困惑していると


「えっえええ」


 直樹の上半身がでっかくなった。


 身体強化魔法を使ったみたいだ。腕と足を強化したのは見たけど、上半身を強化した直樹を見るのは始めてだ。


 筋肉最高、直樹かっこいいぞ。


 沙織が直樹を指さして何か叫んでいる。するとその場でステップを踏み始めた。直樹は両足にしっかり体重を乗せて、腰を落とし両腕を上げている。


 ん~、胴体を蹴りやすくするために腕を上げているのかな。こりゃあ、直樹は沙織の打撃を体で受け止めるつもりだな。


 沙織が直樹に接近する。直樹の横っ腹に沙織が右のミドルを蹴り込んだ。沙織の足が直樹の横っ腹に触れた瞬間に大きな破裂音がした。と同時に、沙織の右足が何かに弾かれたみたいに直樹の横っ腹から吹っ飛ばされて、勢いよくぶっ倒れた。


「ええええっ」


 驚いた白沢先生が椅子から立ち上がった。


 沙織が直ぐに起き上がって直樹に向かって何か叫んでいる。直樹は何度か頷き、直ぐにまた、腰を落とし構えて腕を上げた。


「だっ大丈夫みたいね」


 白沢先生が椅子に座りなおした。


 直樹は身体強化の魔法で打撃を受けたらどうなるのか、沙織で試している感じかな。何気に沙織は負けず嫌いだからなあ。直樹が顔色を変えるまでは殴りまくるか、蹴りまくるんじゃないのかな。


 しばらく沙織が直樹を殴ったり蹴ったりしていた。沙織の全ての攻撃が直樹の筋肉に勢いよく弾かれている。攻撃を勢いよく弾かれている沙織は後ろによろけたり体勢が崩れたりしていた。


 こっから見ている感じだと、直樹には全くダメージが発生していない様子だ。


 沙織が殴るのを止めて直樹に何か言っている。直樹が沙織に一言二言何か伝え、沙織が頷く。そんなやり取りを何度かしていると、その場で沙織が制服を脱ぎだし、上着とブラウスを脱ぐとスカートも脱ぎ始めた。


「えっえええ」


 白沢先生が周りの目を気にしているのか、キョロキョロし始めた。


 沙織はジムでトレーニングしている時の、アンダーアーマーとショートスパッツ姿になっていた。


 少し顔を赤くしながら白沢先生が


「はあぁ、ビックリした。川内君は驚いてないわね」


「ジムで見慣れてますし、制服の下にあれを着てるの知ってましたから」


「そっ、そうだったのね。にしても、もう少し周りの目を気にないとねえ」


 白沢先生はブツブツ何かつぶやいて、お茶を飲み


「ぶっふぅぅう」


 吹き出した。


 白沢先生は口に含んだお茶を勢いよく吹き出していた。


 そして、沙織の体がでっかくなっていた。


 身体強化の魔法を発動したみたいだ。身長は変わらないけど、全身の筋肉が肥大化していて、いつもよりも二回りくらい沙織の体がでっかくなっていた。


 肉体を強化して直樹をぶん殴るって魂胆か。負けず嫌いな沙織らしい発想だ。


 白沢先生の眼鏡がずれていて、レンズにまでお茶が飛んでいた。鼻からは少しお茶が出ちゃっていて、とても残念な感じになっている。俺はなるべく白沢先生を見ない様にして、他の連中の様子を見てみる。


 千春は驚いてはいるけど「沙織ちゃんがする事なんて、ある程度は想像出来てたよ」って感じの表情だ。


 西條さんは千春の肩を叩きながら、状況の説明を求めている感じだ。


 麗奈は高揚した表情で、直樹と沙織の筋肉に見惚れている感じだった。


 沙織が直樹の下半身を指さして何か言っている。直樹は首を振りながら何か話している。


 小学校の校庭で上半身裸で筋肉ムキムキの直樹と、アンダーアーマーとショートスパッツ姿で筋肉ムキムキの沙織の二人を見ていると、ちょっと現実離れしていて不思議な光景だった。


 俺の座っている場所からだと遠くて直樹達が何を話しているのかは聞こえない。でも、たぶん沙織が私が全力でやるんだから、直樹も上半身だけじゃなくて全身を身体強化しなさいよって言ってるんだと思う。でも、直樹はこのままで良いって、言っている感じだろうな。


 白沢先生はお茶を吹き出して残念な姿になっていたけど、今は落ち着いて直樹達の様子を見ている。


 千春と西條さんも麗奈との戦闘訓練を止めて、直樹達を見ていた。


 麗奈は相変わらず高揚した表情で、直樹と沙織の筋肉に見惚れている感じだ。


 直樹と沙織の話し合いはまとまったみたいで、沙織が直樹から少し離れてステップを踏み始めた。直樹は腕を上げると腰を落とてどっしりと構えている。


 直樹に全くと言っていいほどダメージを与えられなかった沙織が、身体強化を発動させて筋力を増した。


 さてさて、沙織が直樹の顔色が変わるくらいのダメージを与えられるのか楽しみだ。


 ステップを踏んでいた沙織が、身体強化して太くなった右足を、直樹の横っ腹目掛けて蹴り込んだ。今までで一番大きな破裂音が炸裂した。と同時に、沙織の右足が直樹の筋肉に弾かれて勢いよくぶっ飛んだ。そして、全身を激しく地面に叩きつけながら、物凄い勢いでゴロゴロゴロって転がってった。


「ええええっ」


 驚いた白沢先生がまた椅子から立ち上がった。


 千春がぶっ飛んだ沙織を指さして腹を抱えて笑っている。


 麗奈と西條さんは、砂まみれになって地面に倒れている沙織に駆け寄って行った。


 身体強化した沙織の蹴りでどうなるのか期待していたけど、直樹はどっしり構えたまま微動だにしていなかった。


 ん~、沙織の筋力が上がっていたのでその分弾かれた時の反動がデカかったんだろうなあ。


 地面に手を着き項垂れている沙織の隣で、直樹が片膝を着き何か話していた。たぶん沙織を慰めているんだろうな。その隣で西條さんが沙織にクリーンとヒールを使っているみたいだった。


 麗奈は直樹と沙織の筋肉をさっきよりも近くで堪能出来ているので、とてもご満悦の様子だった。

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