プロローグ
*警告
小説内で行われる行為は大変危険です。絶対にマネしないで下さい。
…異世界転移した勇者でもダメです。
*警告
この小説で行われている行為は大変危険です。絶対にマネしないで下さい。
オレの名前は近藤武蔵。親が離婚したせいで、避妊具みたいなフルネームになった十七歳の高校二年生だ。
好きな物はファールカップ。 趣味はファールカップの防御力を体を張って検証し、その様子を動画サイトに投稿する事だ。
そんなオレが今回行うのは、ファールカップで杭打ち実験。
どんな内容を想像するだろうか?
地面に刺さった杭の上で騎乗位みたいな上下運動を繰り返すのか?
はたまた横向きに刺した杭に、後背位の様に激しく股間を叩きつけるのか?
イヤイヤ。
どうせなら考えれる最大威力を試したいだろ?
少なくても、オレと仲間たちはそう思った。
というわけで、今目の前には長い下り坂、ジャンプ台、道路を挟んだ向かいの空き地に刺さった杭がある。そしてオレはファールカップ以外一糸纏わぬ姿でマウンテンバイクにまたがっていた。
つまりこれは、
「下りでのチャリ全力加速からのジャンプ、その運動エネルギー全てをファールカップに込めて、杭に叩きつける」
という内容だ。
もちろんどれくらい埋まったか計測できるように、杭にはメモリが書いてある。
「ムサシー!準備オッケーだぜ!」
「辺りに人もいないよ!」
「寒いから、さっさと終わらせようぜ」
下にいる仲間たちから声がかかる。
ここはひと気のない団地の端なので、基本大丈夫なのだが、万が一誰かが通りかかったら通報され、撮影を止められてしまう。
なにせ今オレはファールカップしか身につけていないほぼ全裸。
変質者と勘違いするにきまっている。
見張り超重要!
「それじゃ、いくぞ!」
気合いを入れてペダルを漕ぎ、ぐんぐん加速する!
空気の当たる感触が、扇風機で言う「そよ風」から弱、中、強、急、そして「それ以上」へと変わっていく …
って、それ以上ってなんだよ!ねえよ!そんなの‼︎
「ヤバ」
坂が予想以上に急角度だったのか、気がつけばペダルの回転に足が追いつかなくなるほど加速…いや暴走していた。
「っ、ブレーキ⁉︎…壊れてる‼︎」
転んで止まろうかとも考えたが、服を着ていない今それをやると、転げ回ってあちこちぶつけたうえに、アスファルトに全身の皮膚をすりおろされてしまう。
全身血まみれ大惨事じゃねーか‼︎
とかパニクっていると。
ダン!
気がつけばジャンプ台に到達していた。
「あいむ、ふらいんぐ」
思わず叫びながら大開脚。
以外と余裕だな!オレ‼︎
…いや、むしろテンパっていたから反射的にボケただけか…
まさかこれが最後の言葉になるとは…
プァップー‼︎
音は大きいが間の抜けたクラクションが鼓膜に響く。
そこからはスローモーションだった。
道路の上の空中で静止するオレ。
迫るトラック。
そして、 動画の撮影に夢中で気づかない仲間たち。
「オマエらちゃんと見張りやれよ‼︎」
と怒鳴る間も無く吹き飛ばされ。
オレは死んだ。
次回、異世界に転移した主人公、パンイチで女神とエンカウント⁉︎