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平穏な街~レヴァイア~3
久しぶりすぎてごめんなさいっ
不定期更新です
お許しください
時計台はかつて、平和の象徴だった。
ゼノファと僕はここと共に成長し、ここと共に「生きて」きた。
白い高い塔のてっぺんには、銀色の時計台がついていて、塔の屋根の朱と対照的だった。
塔の廻りには紅い薔薇と白いパンジーが咲いていた。
どれもこれも、本当に綺麗だった。
「やっぱ、変わってるな。」
ゼノファの言葉は、今の塔にぴったりだった。
昔のような花々は枯れ落ち、白い外側のペンキは剥がれ、屋根には穴が開いていた。
所々に蜘蛛の巣があり、とてもではないが、これまで重要な式が行われていたとは到底思えなかった。
「うん。」
今の僕には、それしか返せなかった。
「中に、入る、か」
答えを悟ったかのように、ゼノファは塔の中に足を踏み入れたーーー
『おかえり、』
「は?」
僕は不意に振り返った。
何もないはずなのに、僕は悪寒を感じた。
「おい、行くぞ」
「う、うん」
ゼノファの声に誘われ、僕は入り口をあとにした。
聞こえないあの声はいったい何?
次回、新キャラ登場!