平穏な街 ~レヴァイア~
冷ややかな風が僕の顔を優しく撫でた。
明るい光が窓から差し込んできた。
不意に、涙がこぼれる。
あぁ、やっと平和になったんだ。
父さんが築き上げた、この国が。
今から何年も前、
僕の父さんは、迫害を受けていた民族を集め、この国を作った。
迫害を受けていた者達は喜び、涙を流して肩を抱き合った。
だが、現実は上手くはいかなかった。
彼らは手を取り合い汗を流し、共に働いていた
はずだった。
どこからか何かが綻び始めた。
保たれていたはずだった国の秩序が乱れてきた。
人々はいつからか口を開かなくなり、睨み合いを続け、とうとうーーー、、、、。
戦争が起こった。
「あいつを殴れ」
「あいつを蹴れ」
「あいつを殺せ」
幾度となく、僕はこの声を聞いた。
嫌というほど死体を見た。
嫌というほど血溜りを浴び、嫌というほど涙を流した人々を慰めた。
父さんは、悩んだ。
どうやったら、この町がまた平穏を取り戻すか。
どうやったら、あの時みたいに、みんながまた手を取り合うか、、、、。
そこで、父さんは考えついた。
「この町を、また喜びに満たす方法を、、、。」
「はっ!?」
後ろで不意に声がした。
「どーした、シアン。こんな昼っぱらに。」
「ゼ、ゼノファさん、、、。」
ゼノファ。
長身に、肩まで伸びた銀髪。濃い藍色の左目に、右目に掛けられた黒い眼帯、、、。
彼は、僕の大切なたった1人の親友。
たった1人の、、親友なんだ。
あなたには、大切な親友と呼べる人はいますか?
いたらそれは、とてもとてもかけがえのないものだと思うんです。
大切にしてくださいね!