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死人とクチナシ〜死を悼む日と11の詩篇〜

SHSRの夜は

ヒキガネを引く2秒前の、その横顔を見ていた。

イッちゃって居る表情(カオ)が、何よりも愛おしい君に、

「好きになった」って、「撃たないで」って。

暗がりで触れ合って、キスして。

「時間無いんだ」って。服を脱いで。

……防衛本能が麻痺してゆく。


死体の隣で抱きしめて。

足首には鎖繋げて、安物のドッグフード並べて。

言葉も交わさないテーブル。


抱き寄せられると、香った前髪と太い首が。

私を眩ます、タイトなシャツ。拍車かけてる。

「好きになった」って信じ込んだって、

何一つ、確証がないのに。

「余裕無いんだ」って。息荒げて。

……生存本能は麻痺している?


銃弾の雨が降り注いだ。

君が一人撃ち抜かれて、死体になる1秒前に、

「好きだ」って唇が動いた。


パトカーが来て。サイレンが鳴って。

それからは、唯ずっと1人で。

凍えてしまって、泣き喚いて、

……防衛本能が麻痺してゆく。


シーツの上で眠る夜に。

そんな妄想がちらついて。足首に残る傷痕が、

現実との区別をなくしてゆく。


死体の隣で抱きしめて。

足首には鎖繋げて、安物のドッグフード並べて。

S&Wの音がする。私の耳には、確かに。

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