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Pure Pop 俺、アイドルになります  作者: トムトム
アイドル修行編
7/17

放課後、HRが終わると俺はダッシュで教室から出る事にした。

担任の方も石川から報告があったようで、特に連絡事項がなければHRには出た事にするから授業が終わったら帰っていいって事になった。プリント類は昼休みに渡せるようにしてくれるそうだ。

これで変な女対策も多少は楽になる。俺は自転車置き場に置いてある自転車に乗って自宅に向かう事にした。

これからは事務所で全員での打ち合わせの後に、レッスンがあったはずだ。打ち合わせの後は、行って変更になる事もあるから、何があってもいい様に空いた時間で宿題を出来る様に今日の課題をデイパックに放り込む。

俺の学校はかなり進みが早い事で知られている。中学から高校の教科書を勉強していたのもあって高校2年で大半の学習が終わってしまう。高校からの入学者は合格すると、俺達が勉強したと同じ量を入学前の補習で終わらせた上で実力テストを受けないといけないのだ。それにテストの数もかなり多いから、かなり大変そうだ。俺達はそれで慣れてしまっているから気にもならなかったけど。高校から入学した同級生が文化祭直後の実力テスト後にテスト多すぎって音を上げた。そんな時に手を差し伸べたのは俺達。部活終了時間までやっている補習に出ていた彼とマックで食べたり、休みの日に一緒に勉強したり、カラオケ行ったり。今では学校に馴染んで、風紀委員となって辣腕を奮っている。

事務所にレッスンに行こうと思ったところで、そんな彼……田所からメールがあった。

「レッスンが終わったら、メールくれよ。飯でも食おうぜ」

シンプルだけど、気遣ってくれるのが分かって嬉しい。

「ああ。終わった時点でメールする」

俺は急いで事務所に向かうのだった。


事務所に行くと、オーディションの日以来のメンバーが全員揃っていた。

そして俺達は幼稚園児の様に名前の書かれた名札を付ける。

全員が芸名なので慣れるまでは外す事が出来ないのだ。ちょっとだけ恥ずかしいって零したら、なっちゃんと楓太さんも真似して名札を付けてくれた。

皆もデビュー直後は名札を付けていたみたいで、持っている人は着けてくれている。

そのお陰で事務所の先輩もスタッフさんも比較的早いペースで覚える事が出来た。

「伊吹。久しぶり」

「ああ。皆も」

俺達の個性に見合ったレッスンを受けていると言われているので、皆がどういうレッスンを受けているのかは知らない。俺が一番素人だから一番ハードなはずなんだ。

「お前のメインは何のレッスンだ?」

「俺は歌。ボイストレーニングと筋トレと着付け」

「それ、俺もやらされている。すっげぇ苦しいの。どうして着付けなんだよ?」

「夏は花火に浴衣だから、そういうイメージの撮影でもあるんじゃないか?」

「それもありえそうだけど、どうも話を聞いていると、俺達はマナー研修が多いぞ」

「俺は、休憩時間に少しずつ教えて貰っているけど?」

「ふうん、人に寄って違うって事か。俺はダンスのレッスン受けているぜ」

そう答えたのは、昴。元々ダンススクールに通っていたという。

「俺は演技だな。殺陣の練習だ。しんどいぞ」

「それって特番の歴史ものとか、連ドラとか映画なんだろうな」

殺陣の練習をしているのは、陸。元々演劇部にいたとか。

「俺達は二人で言葉遣いとかから」

そう答えたのは、奏音と彩人はマナーから。この二人は養成所に入っていたとかでベースだけはある。問題は言葉遣いってことか。

「俺には家庭教師がついて、毎日学校の勉強だ」

最期に漏らしたのは彩人。そうか、お前学校の勉強がピンチなんだな。頑張れ。


そんな時、会議室のドアが開いて、社長が入って来た。

「おお、皆揃っているな。まずは打ち合わせの前に。ふうがお前らにプレゼントだって。伊吹は既に貰っているな」

「はい。頂きました」

「プレゼントの方は後でみろよ。まずはお前達の名刺だ。仕事の時は持ち歩きなさい」

俺達は一束の名刺を貰う。

「後はマネージャーが持っているから足りなくなったら貰う様に。不要な所には配らない様に分かったか?」

「はい。分かりました」

その後に、これからの活動についてと書かれた資料を渡される。

「今配ったのは、お前らが5人で活動する予定表だ。2週間後に最初のテレビ番組の収録があるから、心しておくように」

社長に言われて予定表を見ると、国営放送の教養番組に出演と書いてある。

これか……楓太さんが言っていた着付けの番組って。スケジュールは二日間。最初は顔合わせと全体の打ち合わせと番組の番組宣伝の撮影。翌日がスタジオでの撮影だそうだ。

全部で四回の放送をこの日に一気に収録すると言う。講師が楓太さんと言う事でメンバーが驚いている。

「伊吹、知っていたか?」

「ちょっとだけ。それに楓太さんは歴史特番の時も自前の着物で撮影したってトーク番組で言っていたから、あんまり俺は驚かないよ」

その後のスケジュールを見ると、コンビニスイーツの打ち合わせとなっている。これが本格的なデビューになるのだろう。

「これから一ヶ月で決まっているのは今はこれだけ。それとは別に個別のスケジュールもあるからそれで分からない所はマネージャーにちゃんと確認しておくように」

俺達は返事をして各自のスケジュールを貰う。俺の予定は文化祭後の実力テストまでは比較的セーブされている。皆も多分同じようなものだろう。

だけど途中で気が付く。ある週末に君想いマカロンの収録参加と書かれていた。

「お前達の実質デビューCMは君想いマカロンだ。セリフはないけどちゃんと本人って確認できるようになっているから楽しみにしておけよ」

と社長が言って打ち合わせは終わりになった。


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