表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Pure Pop 俺、アイドルになります  作者: トムトム
アイドル修行編
17/17

「では、今回の新発売のPure Popのお披露目会を開始します」

進行役のアナウンサーのお姉さんが会の始まりを宣言する。

「まずは、こちらをご覧ください」

そういって、あたりが暗くなってスクリーンにライトが当たる。

―僕らは恋する皆のサポーターだよ―

俺達も収録した音声に先輩達の声も被さってから皆で収録した最初のCMが放送された。

その後、個人の個別ルートの公開になった。俺達の初回は地方都市のロケが全編に使われている。よく見ると、オフショットで撮影したはずの海辺のシーンも使われていた。

はじけるコイ……してみない?Pure Pop新発売と商品アナウンスで終了した。

「で、Starry Starsのメンバーは本社ビルの店舗で一日店長のお仕事をしますのでお楽しみにして下さい。詳しくはPure Popブログに公開します。今回のCM撮影のこぼれ話とかオフショットもあります」

その後簡単な質疑応答があって、簡単に受け答えをして会は終了した。

「それじゃあ、明日の打ち合わせをこれからする人以外は終了。お疲れ様でした」

ひとまず会場は解散することになった。俺は、明日の打ち合わせは既に終わっているので今日はこれで帰れるので、帰ろうとした時だった。


「伊吹、ちょっといいのか?」

「昴。どうかしたか?」

「あのさ……今度泊まりに行ってもいいか?」

「うん、今夜来るか?明日のシフトは何時だったか?」

「早くはないけど、部屋を探すにしてもちょっと難航していて」

「俺の家は構わないと思うけど、今聞いてみるか?」

「ああ」

俺は昴の横で電話をかける。父がいたので、そのまま話をすることにした。

父は、一度泊まりに来ている昴を知っているから別に余っている部屋だから使う事には問題はないけど、未成年を預かると言う事で俺と同じ条件で生活できるのならいいということになった。

「昴。父さんはある条件を出してきた。それさえ問題なければ大丈夫だと思う」

「なんだよ。条件って」

そして俺が両親から出されている条件と昴に教える。

「それか……。別に構わないかな。要は自分の部屋では原則的に寝る為に使うって事だろ?お前……スマホ、親の前で使うんだ」

「ああ、普段から使う方でもないから」

「もっと厳しいのかと思っていた。門限は22時とか、外泊禁止とか」

「それはない。外泊なら、こないだ楓太さんの部屋に泊まった位だし」

「え?楓太さんの家」

「あの全体CMの打ち合わせの後。真っ青だからって泊めて貰ったんだよ」

「思った割に厳しくないんだな。俺の家は門限22時だったから大変で」

「まあ、そこは俺達の今の状況ならそれでいいのかもな」

「そうだよな。じゃあ、今度俺の両親とお前の両親を会わせないといけないよな」

「そうなるか、その前に家に泊まりに来いよ。宿題持って来いよ。お前もレポートが出ているんじゃないか?」

「そうすると助かるよ。あのオフショットの宿題ってガチ?」

「あれ?全部じゃないよ。夏期講習を欠席するからその分の一部がやっと届いたから」

俺のレポートは俺が提出に行けない為、面談に行く母に頼んで提出して貰った。その帰りに母が夏期講習の1期分の課題を貰ってきてくれた。これからは石川に連絡をすると石川が学校に行く前に俺の家に寄ってくれる事になっている。

「話には聞いていたけど、本当に課題が多いんだな」

「そうなのかな?こんなものだって思っていたから実感がなくって」

「言い方は悪いけど、温室育ちだろ?そんなものだって。小学校からだろ?」

「うん、公立だとうちの学校よりも遠かったんだ。俺達の学年は結構受けて通っているんだ。今ではもう少し近い所に小学校を新設したからそうでもないみたい」

「成程な。それならまあ分からなくもないか」

昴は一人で納得している様だ。

俺達の住む学区は、かつて学校の統廃合で合併になってしまい、公立だと二駅先になってしまう。

防犯的に不安のある保護者がうちの学校に子供を通わせているというのが現実だった。

けれども今は、戸建のあった場所がどんどんマンションに代わって、子供が増えたそうで俺の家から見える所に小学校が立っている。俺が中学に入る時に出来たから5年目になるところだろう。

「とりあえず、一度両親を合わせる様にしよう。どこにしたらいいだろうか?」

「いきなり自宅も変だから、どこかのレストランの個室はどうだ?」

「場所は伊吹に任せる。そういうのはお前の方が得意そうだから。後は日程だよな。俺達の休みで一緒なのは……この日か」

昴がスマホを取り出してカレンダーの日付を指差した。

「その日付で調整する。なるべく夜に出来る様にしてみるさ」

「悪いな。頼むな。俺明日の時間確認をしてから帰るから。お疲れ」

「ああ、了解。またな」

俺は、太田さんの所に再度確認をさせて貰ってから自宅に戻った。

俺達の初めてのアイドルの夏が始まる。ポップの様にキラキラなアイドルになりたい……違う、キラキラのアイドルにならないと自分に言い聞かせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ