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類似に願いを託して

作者: 白夜


自分の容姿の中でこの髪だけは気に入っていました。

淡い金色の髪。

私がただ一人、愛を乞うた人が気に入ってくれた唯一のものだったからです。

彼が、唯一愛した人と同じ色の髪。

……似ているという理由でいいから。

刹那でいいから、私を見て欲しかったのです。

愚かしいほど純粋に、愛を切望していました。

向けられる視線が、本当は私など見ていないと解っていても。


彼女と同じ色の髪をどんなに長く伸ばしても。彼女との類似は、増えないけれど。

それでも目に付くようにこの髪を長く長く伸ばしましょう。

そうすればいつか私も愛されるでしょうか?


もしこの腕を切り落とし、差し出せば愛されるというなら。

私はきっと躊躇わなかったでしょう。

けれど。

愛して欲しかった人は、もういない。

白い、墓標だけが残るこの家で。

残された私はただ独り。


髪を長く、伸ばしましょう。

あなたに愛されたかった私の為に。



いつか他の誰かを愛せるまで。

いつか誰かに愛されるまで。



白い墓標は二つ、寄り添って幸せそうで。


長い髪が、重さを増した。

そんな、気がしました。





精霊と彼女を更新したかったのですが形にならなかったので昔書いたものを手直しして掲載させて頂きました。

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