5話 格上のモンスターがいる洞窟にて
その装備を作る為には、現在の俺のプレイヤーレベルを上回っている、Lv7〜9のモンスターが出現する洞窟に行き鉄鉱石をゲットしなければならない。攻撃を食らってはひとたまりもないが、このゲームはRPGではなくアクションゲームなので、攻撃を避け続ければ回収は容易だ。二週目なので、フィールドのどこにお目当てのアイテムがあるのか予めわかっているから、前回よりも装備作りがとてもスムーズだ。
洞窟はフィールド上にあるので、ダンジョンと違って死んだとしてもアイテムは持ち帰れるが、ペナルティとしてお金が減るので死ぬのは避けたいところ。
洞窟に向かう途中のモンスターにも極力戦闘にならないように走り抜けて、目的地である洞窟に到着した。「あとはここで鉄鉱石をたくさん回収するだけ、まぁ簡単に出来るだろ」
洞窟に入って、鉱石の採取ポイントに行きアイテムを集める。「おっ、ゲット出来た。このペースだとこの洞窟内の全ての採取ポイントを漁れば足りそうだな」洞窟内の道は狭く入り組んでいて、いつモンスターと鉢合わせるかわからない。「頼む、エンカウントしないでくれ〜!」モンスターが近付かないようにするアイテムは持っていないので、今は神に祈るしかない。
怯えながらも、運の良い事になんとか無事に最後の採取ポイントに辿り着いた。「鉄鉱石来た!一、二、三……よし、数は足りてるな」レシピを見て、必要素材が揃っている事も確認出来た。
「よし、後は街に帰るだけだ!」モンスターがいつ近くにスポーンして襲ってくるかわからないので、走ってこの洞窟を抜けよう!「頼む〜〜!鉢合わせないでくれ〜〜!」ドンッ!あ痛ッ。間取り角で何かとぶつかった。残念ながら、相手はパンを咥えた女子高生ではなく……剣を持ったスケルトン(人型の骸骨)だった。
敵対して、攻撃を仕掛けてくるスケルトン。「危なッ……てか縛りやらないと!」俺は咄嗟に錬金釜を取り出すと共に、ギリギリで攻撃を回避した。「戦闘始まっちゃったし、こんな狭いところじゃ逃げるのは厳しいな……レベル差があるけど戦うしかないか」
俺はプレイヤーLv2、敵はLv8と差がある。ハッキリ言って、しっかり気を引き締めて戦わないと勝ち目はない。
「とりあえずボムをくらえ!……マジかー。あんまり減ってない」Lv1〜2のスライム程度なら一撃で倒せるのに、俺の攻撃力の低さと相手の防御力の差があるせいで全然体力を削れない。「ちょうどいい。ちょっと弱いが、お前でボス戦のトレーニングといこうか!」長期戦かつ、実力差がある勝負でもこの縛りで勝てるのかを試す良いチャンスだ。
「ボムじゃダメだ……ゲージを貯めて大技を撃ち込まないと!」ブンッ、とスケルトンが振ってくる剣をギリギリで回避して錬金ゲージを貯めていく。しかし、貯まってもそこで安心は出来ない。「相手の隙をつかなければ、発動までの溜め時間が長くて攻撃をくらってしまう。敵をダウンさせないと……!」
ダウン状態にするには、連続して敵に攻撃をしかけるか、一気に大技をぶつけてダウンゲージを減らしていく必要がある。後者の方法は無理だが、前者の方法なら出来る!「プチボムを継続して相手に当てまくる!」ボンッ、ボンッ、ボンッと回避と攻撃を連続して行い、相手のダウンゲージを削っていく!
「そろそろ倒れる……!」よし、ようやくスケルトンのダウンゲージを削り切った!そして、スケルトンがその場で立ち止まった!
「よし、今だ!ドラゴニックスパイラル!」スキルを発動させると、釜の中の液体が渦を巻き始め、そして、中から魔法の液体で出来た長い龍が飛び出し、スケルトンに頭から直撃して弾けた!「カッコいい……!スケルトンはどうなった!?」HPバーを確認すると、ギリギリ耐えて生き残っていた。「いや、そこは倒れとけよ!」俺はスケルトンに無茶を言いつつ、ダメ押しにもう一回ドラゴニックスパイラルを撃ち込んで、今度こそ撃破した。
「ふぅー、疲れたー。でも、この縛り難しいけど楽しいー!あっ、勝利の余韻に浸っている場合じゃない、急いで洞窟から出ないと、また戦闘をやるハメになる!」俺は錬金釜をしまってスケルトンのドロップアイテムを拾ってから、急いで洞窟から出て行った。




