2話 美少女(ネカマ)錬金術師「タルたる」
サブ垢を始めるなら、最初にキャラメイクをやらなきゃならないじゃん。どうしようかなー、「錬金術師」というコンセプトがあるから、本垢のよりは作りやすそうだけど。ふざけてギャグみたいな見た目にするか?めっちゃデカいアフロとか。……いや、やめておこう。どうせ見た目はいつでも変更出来るんだし、一旦真面目に考えよう。
「せっかくだし、今の普通な男性アバターとは違うのにしたいけど…………あっ、女性アバターを使うのはどうだろう?」でも、もし友人にバレたりしたら「お前男なのに女アバターにしてやんの〜!」とか、イジられるかもしれない。――でも、いいだろ!?他人のゲームのプレイスタイルに口を挟むな!……と、心の中でソイツに説教しておこう。
「女性アバターだと服も全然違うし、変化を楽しめるからアリかもな。よし、女性アバターにするか!」そして、今気が付いたがどうせ友達と遊ぶ時は本垢の方でしかやらない。
つまり、「サブ垢のアバターには俺の癖を詰め合わせていい」のである。
「ふっふっふ……!俺が思う一番可愛いキャラを作ってやるぜ!まず、金髪ロングにして、顔はシスターのように穏やか、そして胸は……大きい、そして年齢は同い年の十五歳!よしっ、完成だ!」出来上がったのは、押しに弱そうで誰にでも優しい聖女の見た目をしたキャラだ。どうだ友人!俺のキャラを見てもドン引きするんじゃないぞ!
「最後は名前か。うーん、さっき夕飯で食べた『タルタルソース』しか思い浮かばん」これはきっと、錬金術師は錬金釜を樽みたいな持ち方で持っているから、そのイメージに引っ張られているんだろう。
「タルタルソース……ソースはどことなく響きが可愛くないから、『タルタル』とか?よし、これで行こう」プレイヤー名入力の欄に、「たるたる」と入力すると、予測変換の五番目くらいに「タルたる」と出てきたのが目に止まった。「ひらがなも混ざってて、なんか可愛いかもしれない。これにするか」これにてキャラメイクは終了。これから、「錬金釜でしか戦えない少女『タルたる』」の冒険が始まる!
「ようこそ、始まりの街」「スキップ!」本ゲームのマスコットキャラで、虎をイメージしたキャラの"パンドラ"が世界観の説明を始めたが、前も聞いたし今回は飛ばす。どうやっても飛ばせない操作説明は甘んじて受け入れるとして、はやくチュートリアルを終わらせて、錬金術師になりたい!
「説明はここで終わりドラ!何か困った事があったら"ヘルプ"を開くドラ!」よし、説明がやっと終わった!直ぐに神殿に行って、ジョブを錬金術師に変更して〜、よーし、これでオッケー!これでようやく縛りプレイが始められるぜ!
パンドラは「邪悪なモンスターが支配している剣と魔法の世界」的な事を言ってました(要約)




