表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

5月6日

今日のバイトは大変だった。

冷凍食品コーナーの棚に張った氷を取り除く作業をさせられた。

結構前に、商品が凍ってくっついたり、尖った氷に引っかかって破れてしまったりすると訴えたのを、ようやく受け入れてくれたのは良いが。

業者を呼ぶとかじゃなくて、自分たちで処理するんかい。

まあそれもいいんだけど、上司てめぇトンカチを自分で使っといて俺にはスパナか。

叩いて氷を砕いて剝がすってのに、結構小さめのスパナ寄越しやがって。

腕が疲れた、あと多分全部剥がしきれてないから、あんま解決になってないよこれ。

俺がもっと指摘できる立場だったらな……。


今日はまただみーめすかーってやつの声が響いた。

最近声だけが多くて珍しい。

で、なんか途切れ途切れっていうか、端的な話し方だったな。

まず、今日の霜取りにドライヤーが良いって言ってきた。

うん、無理なんだよな。

売り場にドライヤー持っていってもコンセントが無い。

それに、その後の冷凍食品になんらかの影響があるかもしれないしな。

で、その後の方が問題だ。

5月14日に、家が崩れて俺が死ぬって言われた。

ちょっと聞き逃せない内容になってきた。

逃げろって言われても、どこに逃げればいいのかは分からんしな……。

そもそも確定事項かもよく分からんし。

この件については、まあ保留かな。


次に出てきたのは、コック帽を被った女性。20代後半ってところだろうか。

こういうコックが出てくるときは大抵レシピの考案だ、大抵難しいやつ。

「いい?バンズにはまずマヨネーズを塗るの!そしたら、塩もみしたきゅうりとトマト、パティを挟めば、とびっきり美味しいハンバーガーの出来上がり!」

ハンバーガーかい、バンズ売ってないんだよね。

「そこは作るしかないでしょ!バンズからこだわって焼くとまた格別よ!」

……果てしなくめんどくさい。まあそれはそれとして、お前なんで俺の頭ん中にいんの?

「究極のレシピのためよ!」

ああ、悪かった。目的を聞きたいんじゃない。Whyじゃなくて、Howで聞きたいんだ。一体どうやって俺の頭の中に存在しているんだ。

「究極のレシピのためよ!」

そう言って消えてしまった、いっぺん殴らせてほしい。

答えになってないって。

よしんば究極のレシピを作ったとて、俺にどうしてほしいんだよ。

あと、もうちょっと色々聞きたかったのに。

肝心なところでいなくなっちまうんだよな……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
前回のメッセージの補足である。 冷凍庫の霜取りにドライヤーは常套手段なのだが、今回は何か不都合な事もあったのだろう。 冷凍庫があるから電源も確保できると思ったが、何かそれも可能では無かったようだ。 食…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ