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6話 メタルな敵

(スイはユウマに抱きつき、少しの間ユウマの元で泣いた)


―――――――――――――――――――――


(その日の夜)


【ユウマ】なぁスイ?

【スイ】んん?なぁに?パパ

【ユウマ】明日の朝、ギルドに行って依頼を受けるんだ、その時にスイのライセンスも同時にやろうかと思うんだ

【スイ】ライセンス?

【ユウマ】ライセンスを持ってるとスイが大きくなったら一人で依頼をこなせるようになるんだ、だからとっておくに越したことはない

【スイ】わかった!パパが言うならスイ、ライセンスとるぅ!

【ユウマ】よし、じゃあもう夜遅いし、寝るか

【スイ】うん!パパおやすみ!

【ユウマ】あぁ、おやすみ


(翌朝)


(ユウマはスイより一足先に起きた)


【ユウマ】んん?もう朝かぁ…

【ユウマ】ふわぁ〜(小さくあくびをする)

【ユウマ】眠っ…


(するとスイもユウマが起きたことに気づいたのかゆっくりと目を開ける)


【スイ】んんぅ?もう朝〜?

【ユウマ】スイ、起きたのか?

【スイ】パパが起きたと思ったからぁ〜

【ユウマ】そうか、ならもう起きるか


(ユウマは体を起こして深呼吸をした)


【ユウマ】すぅ〜、はぁ〜

【ユウマ】(よし!今日も頑張るか!)


(二人は早朝、冒険者ギルドへと向かった)


【ユウマ】よしついたぞ

【スイ】ここがそのギルドってところ〜?

【ユウマ】そうそう!


(ユウマは扉を開けてスイをつれて中に入る)


【ユウマ】(早朝だからか人が少ないな)


(二人はカウンターへ向かい、受付嬢に話しかける)


【ユウマ】どうも

【受付嬢】おはようございます

【受付嬢】今日はどうされましたか?


(受付嬢はユウマの横に小さな少女がいるのに気づく)


【受付嬢】そちらの子は?

【ユウマ】あぁ、俺の家族だ

【受付嬢】?!!

(受付嬢の体に電撃が走るほどの衝撃)


【受付嬢】あ、あ、あぁ……

【受付嬢】ユウマ様…ついに罪を……

【ユウマ】え?!違う違う!

【ユウマ】誤解誤解!誤解だって!

【受付嬢】五歳?まぁ、なんて罪深きことを…

【ユウマ】だから違うって!

【ユウマ】もおぉぉぉぉぉ!!


(ユウマは受付嬢に事情を話し、わかってくれるまでまぁまぁな時間を費やしたとさ)


【受付嬢】、、、あ、あの〜……

【受付嬢】(焦り)先ほどはすみませんでした

【ユウマ】まぁ、まぁいいですよ…

【受付嬢】それで、その子は何かこちらに用があるのですか?

【ユウマ】さすが!よく分かりましたね

【ユウマ】実はスイにはライセンスを用意して欲しくて

【受付嬢】あぁライセンスですね。では

(カウンターの下から書類を出す)


【受付嬢】こちらにお名前と年齢を

【ユウマ】俺が書いてもいいのか?

【受付嬢】問題ないです

【ユウマ】(スイは身長の問題で書類すら見えてないからな…)

【ユウマ】よし


(書類を見た受付嬢)


【受付嬢】はい、大丈夫ですね。では魔力チェックをしますので…お手を…ってカウンターからだと届きませんね

【ユウマ】ならこうすれば

【ユウマ】よっと


(ユウマはスイの腰を手で優しく掴み、持ち上げた)


【スイ】おぉ✨

【スイ】高い〜!視線が高い〜!

【ユウマ】じゃあこの状態で魔力チェックを

【受付嬢】はい、ではお手を出してください

【ユウマ】スイ、手を

【スイ】うん!


(スイは手を前に出し、受付嬢はスイの手に触れ、魔力チェックをした)


【受付嬢】なるほど…

【受付嬢】ではこれでライセンスができましたのでこちらを

(受付嬢はライセンスカードをユウマに手渡した)


【ユウマ】ありがとうございます。

【受付嬢】いえいえ、それで、今日はこれで終わりですか?

【ユウマ】いいや、今日はいつも通り依頼も受けるぞ

【ユウマ】経験値がたくさん貰える依頼なんかないかな?

【受付嬢】でしたら、ユウマ様の後ろにある3つの看板のうちのユウマ様から見て右側にあるのが経験値ミッションと言われるものです。

【受付嬢】経験値ミッションは通常よりも経験値が多く手に入る魔物の討伐依頼書が貼ってあります。

【ユウマ】(なるほど、つまりはゲームで言うメタルスライムみたいな魔物が出るのかな)

【ユウマ】具体的にはどんな魔物が出るんだ?

【受付嬢】そうですね…大体は

【受付嬢】メタルスライム…メタルゴブリン、メタルベア、メタルアントなどのメタル系が基本ですね

【ユウマ】(まんまゲームと同じ感じだな)

【受付嬢】詳しいことは直接見てもらって

【ユウマ】わかりました。

【ユウマ】スイ、いくぞ

【スイ】うん!


(二人は経験値ミッションの依頼者が貼ってある看板に行った)


【ユウマ】ふむふむ…

【ユウマ】(今ある依頼書は5枚、そう内容は1つ目がメタルスライムの討伐、2つ目がメタルスライム複数体の討伐、3つ目がメタルゴブリンの討伐、4つ目がメタルアント複数体の討伐、5つ目が…ん?メタルビックホーンの討伐?)

【ユウマ】(メタルビックホーン?どういうやつだ?)

【ユウマ】(でもこれだけ難易度がB、他はEとかFとかだ…)

【ユウマ】(これがダントツで経験値が入りそうだが、危険そうだな)


(ふとスイの方を見ると、メタルビックホーンの依頼書をじっと見ていた)


【ユウマ】スイ、この依頼受けたいのか?

【スイ】う、うん…パパ強いから、こんなの楽勝かと思って…

【ユウマ】(ふむ、やってみる価値はあるか?)

【ユウマ】よし!


(ユウマは受付嬢の元へ行き、やる依頼の内容を伝える)


【ユウマ】メタルビックホーンの依頼を受けたい!

【受付嬢】えぇ?!!


(ギルド建物内にいる数人の冒険者がざわざわとし始めた)


【ユウマ】(え?なにかダメだったか?)

【ユウマ】え、な、何かダメでしたか?

【受付嬢】あぁいえ、そんなことはないのですが…

【受付嬢】なにせメタルビックホーンは難易度がBですし、他のメタル系の魔物と比べてとても硬く、倒すのが難しいのです。

【ユウマ】(だからあれだけ残ってたのか)

【受付嬢】本当に受けますか?

【ユウマ】はい!受けます!

【受付嬢】助っ人制度は…?

【ユウマ】いりません!

【受付嬢】そうですか…ではくれぐれも気おつけて行ってらっしゃいませ。

【ユウマ】はい!

【スイ】はい!


(二人はローズがいる城門へ向かった)


【ユウマ】(走りながら)ローズさ〜ん!!


(ユウマの声が聞こえたローズは振り返る)


【ローズ】おぉ!あんちゃん!また依頼か?って後ろの子どもは?

【ユウマ】あぁ、家族です。

【ローズ】そうかぁ〜!

【ローズ】あんちゃんはやっぱすごいな

【ユウマ】え?

【ローズ】まだあんちゃんも子どもなのに子どもを連れて行くような大人になったってことだろ?

【ユウマ】いえ!違います!

【ローズ】?どう違うって言うんだい?

【ユウマ】(少し違うなぁ〜…)


(ユウマはローズにもスイのことを話し…こちらもわかってもらえるまで少し時間がかかった)


【ローズ】はっはっはっ!なるほどな〜そう言うことかい!

【ユウマ】(よかったぁ〜わかってくれて)

【ローズ】そんで、今日は何の依頼でここにきたんだ。あとおまえさん、毎回数ある馬車の中から俺を選んできてくれてるよな?

【ユウマ】え?まぁ、はい

【ローズ】嬉しいぜ〜!あんちゃんは俺の太客だな!

【ユウマ】あんまそういうのは本人の前で言わない方がぁ〜

【ローズ】まぁとりあえず乗りな!

【ローズ】どこまでいけばいいんだ?

【ユウマ】えぇと、今回はメタルビックホーンがいるところまで

【ローズ】なにっ?!メタルビックホーンか!

【ユウマ】はっはい。

【ローズ】メタルビックホーンはここから46両くらいだな…有料だが大丈夫か?

【ユウマ】はい、移動手段なんて馬車くらいしか知らないので

【ローズ】そうかそうか、じゃあ出発だぁ〜!

【馬】ヒヒーン!


(ユウマ、スイ、ローズは46両離れたメタルビックホーンの生息する草原へと向かった)


【ローズ】そろそろつくぞ、あんちゃん

【ユウマ】………

【ローズ】あんちゃん?

(ローズはユウマの方を見た)


【ローズ】なぬっ?!!


(ユウマとスイは見事に爆睡していた)


【ローズ】なんてこった、どうりで声がしないと思ったわ


(馬車を止め、ユウマたちの方へ行き起こす)


【ローズ】おーいあんちゃん、もう着くぞ

【ユウマ】zzZ

【ローズ】、、、イラッ

【ユウマ】zzZ

【ローズ】はよ起きんかい!!!

【ユウマ】うぁぁぁ!!、、、ってえぇ??


(ローズの少し大きい声にユウマは驚いて飛び起きた)


【スイ】んんぅ?


(スイはローズの声で起きなかったが、ユウマが飛び起きた際におきた振動と声で目を覚ました)


【ローズ】まったく…


(ローズは再び馬に乗り、進行し出した)


【ローズ】もう直ぐ着くぞ、あんちゃん

【ユウマ】ふわぁ〜(あくびをする)、わかりました〜………

【ユウマ】ところで、メタルビックホーンってどういうやつなんですか?今の所硬いくらいしか情報がなくて

【ローズ】メタルビックホーンか?

【ローズ】いいだろう、詳しく説明してやる



【ローズ】まずメタルビックホーンの名前だな、メタルビックホーンは文字に起こすと。

【ローズ】鋼大角羊(メタルビックホーン)って言うらしい。

【ユウマ】(羊なんだ…)

【ローズ】それで、メタルビックホーンはとても硬く、図体も結構でかい。だか図体がでかいのにかなり移動速度は早いせいで逃げられることが多々ある。

【ユウマ】え?逃げるんですか?

【ローズ】あぁ、メタル系の魔物はみんなそろって自身が危機に陥る、陥る可能性がある時は逃げる習性がある。

【ユウマ】(ゲームと同じだぁ〜)

【ローズ】メタルビックホーンはかなり手強いぞ、だから難易度がBっていう高いランクになっているんだ

【ローズ】本当におまえさんとその子の二人だけでよかったのか?

【ユウマ】はい、なにせ俺とスイは

【ユウマ】最強のコンビ(になる予定)ですから!

【ローズ】おぉそうかそうか、じゃあ期待してるぞ!


(ローズは馬車を止め、馬から降りる)


【ローズ】ついたぞ、ここがメタルビックホーンが生息する草原…他にも数多く生物が生息しているかな〜り広いところだ。

【ユウマ】名前はありますか?

【ローズ】えぇとたしか…

【ローズ】大いなる(ラノア)草原だったっけな?

【ユウマ】(ラノア草原…か)


(丘の上を指差すローズ)


【ローズ】見るか?

【ローズ】あの丘の上にうっすら見える銀色のやつがお目当てのメタルビックホーンだ


(ユウマは目を凝らし丘の上を見る)


【ユウマ】あぁ〜………あれ、か?

【ユウマ】(視力も15歳の平均くらいだからな…異世界の人の視力とは違うから見えにくい……)

【ローズ】おっ、相手はこちらに気づいたようだぞ

【ユウマ】え?(そうなの?)


(遠くからすごいスピードでこちらに向かってきている)


【ユウマ】なんか、どんどん大きくなっていくんですけど

【ローズ】そりゃそうだ、さっきも言ったが図体はでかい、それにメタルビックホーンはかなり足が速いからきっとすぐ来るぞ〜


(かなり距離が近くなり、メタルビックホーンは鳴き声をあげた)


【メタルバックボーン】ぐわぁぁぁあ!!


(あまりの声の高さに耳を塞ぐユウマとスイ)


【ユウマ】う、うるさぁ

【スイ】スイ…お耳おかしくなりそう…

【ローズ】メタルビックホーンの鳴き声はかなり高いんだ…耳も守らないと鼓膜が破壊されちまうぞ

【ユウマ】それなのになんでローズさんは耳を塞がないですか?

【ローズ】はっはっはっ!俺は音に対する耐性があるからな、これくらいならちょ〜っと我慢すれば耳なんか塞がなくても大丈夫なのさ!

【ユウマ】そっ、そうですか……


【メタルバックボーン】ぐぅわぁぁぁあ!!


【ユウマ】ぐぅぅ、うるさいぃ…

【スイ】パパぁ、お耳がぁぁ……


(二人は耳を塞いで音を消すことで精一杯な状況)


(すると鳴くのをやめ、メタルビックホーンは突進してきた)


【ユウマ】っ!!

【ユウマ】(チャンスだ!一か八かだか、俺は俺のスキルを信じる!)

【???】標的、メタルビックホーン1体…距離指定はいたしますか?

【ユウマ】(え?距離指定?)

【???】はい、距離指定をすれば、その距離内にい指定されたものは能力の斬撃によって消え去ります。

【???】指定できる距離の限界値は魔力量に比例します。

【???】現在の魔力量は70ですので、半径70mまで可能です。

【ユウマ】(え、じゃあ70mで)

【???】かしこまりました。では、


ザシュザシュザシュ

(そうナビゲーターが言った瞬間、おそらく俺とメタルビックホーンの間の距離は40mはあったと思う…あんな遠いのに、一瞬で体が細切れにされ、消滅した)


【ユウマ】、、、

【スイ】わぁ!✨

【ローズ】、、、え???


(メタルビックホーンが一瞬で消えたので、少し変な空気になってしまった)


【???】経験値…スイ様に渡しますか?

【ユウマ】(、、、ん?あ、あぁ、渡そう)

【???】ではその前に能力吸収支配(スキルグールエバン)の説明を

【ユウマ】ちょっと休憩したいからしばらく休みませんか?

【スイ】うん!休む休む〜!

【ローズ】あ、、あぁ…


(しばらく3人は休憩タイムをはさむ)


【ユウマ】(それじゃあ能力吸収支配(スキルグールエバン)の説明を頼んだ)

【???】わかりました。まず前提として、本来進化したら支配とはならず、名前に「+」がつき、強化されるだけです。

【ユウマ】(あれ?まてよ、神様から送られたスキルだよな?能力吸収(スキルグール)も)

【???】そうですね、ですが能力吸収(スキルグール)はこの世界に存在するスキルです。ですが現時点でこの能力を持っているのはこの世に5人だけ。

【ユウマ】(5人…誰が持っているのかわかるか?)

【???】はい、一人目がユウマ様。

【???】二人目は大賢者「メリア・クラン・ハーデス」という者です。

【ユウマ】(大賢者?!)

【???】そして三人目が光側の大魔法使い「シン・ダイアス」です。

【ユウマ】(光側?てことは、)

【???】はい、あなた様もおさっしのとこりお察しの通り、四人目は闇側、つまり魔物の、魔族側の大魔法使い「デス・ダイアス」です。三人目と四人目はどうやら兄弟という情報があるようです。

【ユウマ】(すげぇなその兄弟)

【???】そして最後、この世で今現在最も能力吸収支配(スキルグールエバン)で支配能力を多く所有している者…そうそれは

【ユウマ】(そ、それは?)







【???】魔王です。

【ユウマ】(、、、え?魔王?!!)

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