第50話: テストプレイとデバッグ
ダンジョンのテストプレイの日がやってきた。ユウト、マックス、リナ、アリス、レオン、そしてフィンの6人は、3つのチームに分かれてそれぞれの方法でダンジョンを攻略することになった。彼らは競争心を燃やしつつ、自分たちのスキルを試す絶好の機会を楽しみにしていた。
「それじゃあ、僕たちのチームはモンスターを倒しながら進もう!」ユウトが意気込みを見せると、マックスも拳を握りしめて応じた。「よし、どんどん倒して先に行こうぜ!」
一方、リナとアリスは、静かに目を合わせた。「私たちは2人で大魔法を試してみるわ。並列処理を使って、どれだけ強力な魔法が使えるか確かめましょう。」リナが決意を込めて言うと、アリスは頷いて微笑んだ。
最後に、レオンとフィンが冷静に計画を立てた。「僕たちは壁を叩いてデバッグをする。もし問題が見つかったら修正して進むから、少し遅れるかもしれないけど…」レオンが説明すると、フィンがそれに続いた。「デバッグは地味だけど、確実に進めるからね。」
各チームはそれぞれのルートを選び、ダンジョンの攻略を開始した。ユウトとマックスのチームは、モンスターを次々と撃破していく。マックスはそのフィジカルを活かし、力強い拳でモンスターを倒し続け、ユウトはゴーグルの未来予測を駆使して、敵の攻撃をパリィしながら進んでいった。
「やっぱり二人だとスピードが違うな!」マックスが笑顔で言うと、ユウトも自信に満ちた表情で答えた。「うん、この調子でどんどん行こう!」
一方、リナとアリスは、慎重に詠唱を進めていた。「いくわよ、アリス。二重詠唱で同時に発動させるわ。」リナが言うと、アリスも声を合わせた。「準備はできてるわ。」
彼女たちの手元にある杖が輝き始め、詠唱が完了すると同時に強力な大魔法が発動した。2つの異なる魔法が同時に発動される様子は、まさに並列処理そのものであり、その威力は圧倒的だった。
「これが、私たちの力…!」リナは満足げに微笑み、アリスもそれに頷いた。
一方、レオンとフィンは、壁を叩きながらダンジョン内を慎重に進んでいた。「ここに少しずつ異常があるね。おかしいな…」フィンが呟くと、レオンが何かに気づいたように言った。「ここだ。多分、壁を抜けられる場所がある。」
二人は慎重にその場所を調べ、デバッグを行った。確かに、壁の一部に不具合があり、そこを通過することが可能だった。「これを利用すれば…」レオンがそのことをフィンに告げると、二人は意図的にその不具合を利用して、ダンジョンの深部へと進むことを決意した。
ユウトとマックスは順調にダンジョンを進み、ついにボスモンスターとの戦いに突入した。しかし、ボスの強さは予想以上で、彼らは次第に追い詰められていった。「くそ…お守りを使うしかないか…」マックスが苦しそうに言うと、ユウトも同意した。「ここまで来たんだ。お守りを使ってでも突破しよう!」
二人はお守りを使い、回復をしながら必死に戦った。しかし、ボスの圧倒的な力に、彼らはついに膝をついた。
その時、後ろからリナとアリスが現れた。「大丈夫?私たちが手を貸すわ!」リナが声をかけると、アリスが詠唱を開始した。
二重詠唱による強力な魔法が放たれ、ボスモンスターは一瞬にして倒された。「やった!これで私たちが一番乗りね!」リナは歓喜に満ちた声を上げた。
しかし、次の瞬間、ゴール地点に到着すると、そこにはすでにレオンとフィンが待っていた。「まさか…!?」リナが驚くと、レオンが静かに答えた。「デバッグの途中で、ちょっとしたショートカットを見つけたんだ。」
リナは呆然としたが、すぐに笑顔を取り戻した。「でも、これもテストプレイの一環ね。」
彼ら6人は、各々の方法でダンジョンを攻略し、今回のテストプレイを無事に終えることができた。次は正式なダンジョン攻略が待っている。




