第40話: リナ対アリス 3
リナの勝利で戦いが終わった。
二人はほっと息をついた。リナは杖を地面に突き立て、額に滲んだ汗を拭った。アリスもまた、倒れた態勢のまま肩で息をしている。
だが、戦いが終わった瞬間、二人の体に新たな感覚が走った。それは、レベルアップの兆しだった。戦闘中に得た経験が二人を新たな境地へと導いたのである。
「レベルアップ…?」リナが呟くと、アリスも同じくその感覚を共有していた。
「リナちゃん…私も何かが変わったみたい…」アリスは自身の内部で起こる変化を感じ取りながら、不思議な感覚に包まれていた。
二人はその場でRanモードに意識を集中させ、得た新たなスキルを確認し始めた。すると、彼女たちのRanモードが今まで以上に多くのプログラミング言語に対応できるようになっていることに気づいた。
「これ…Ranモードに新しい言語? SQL…?」リナが驚きの声を上げた。SQLはデータベースを操作するための言語であり、その可能性は計り知れないものだった。
アリスも同じく、その変化に気づいていた。「SQLを使えば、データベースの操作がもっと効率的になるの?…これまで以上に高度な詠唱ができる…」
二人は新たに得たスキルの説明テキストを読み込んだ。そこには、SQLとデータベースの関係が詳細に記述されていた。データベースに格納された膨大なワードを瞬時に検索し、最適な組み合わせで魔法を発動させることができるというものであった。
「これって…今までの詠唱とは全く違う次元の話だね…」リナは新たな力に驚きと興奮を覚えた。
アリスもまた、技術的な進化がもたらす可能性に心を躍らせていた。「リナちゃん、これを使えば、もっと複雑で強力な魔法を発動できるようになるかもしれないね」リナは同じ目的を持ったアリスと友達になりたいと思った。「2人」で頑張ったらもっとすごいことができるようになるはず。
リナはふと、あるアイデアが頭をよぎった。「ねえ、アリス。データベースに2人で同時にアクセスしたら、もっと早く処理ができるんじゃない?並列処理っていうのかな。私たちの詠唱もさらに高速化できるかも」
その発想に、アリスは目を輝かせた。「並列処理…!それなら、もっと多くのワードを一度に処理できるね。リナちゃん、すごい…!私、協力するよ」
リナの発想力と、戦いに勝つことよりも技術を磨くことを優先するその態度に、アリスは深く感銘を受けた。彼女はリナのように、技術力を高めることに対して真剣に向き合い、自分の成長を楽しむ姿勢に感動していた。
「リナちゃん、私も一緒にやりたい…もっと研究して、強くなろう!」アリスは心からの申し出をした。
リナはその申し出に笑顔で頷いた。「うん、一緒にやろう、アリス。私たちなら、もっとすごいことができるはずだよ」
二人はその場で手を取り合い、新たな研究計画を立て始めた。並列処理を駆使してデータベースを活用し、これまでにない詠唱方法を開発するための旅が始まった。彼女たちの未来には、無限の可能性が広がっていた。
そして、リナとアリスの友情は、技術を共有し合う中でさらに深まり、二人は新たな挑戦に向けて歩みを進めていくのだった。




