第31話: クラス内順位決定
決着は一瞬だった。開始の合図が鳴ると同時に、レオンは素早くユウトに対して投擲を行った。ユウトは瞬時に反応し、回避のアルゴリズムをRanモードで実行する。飛んでくるナイフとの距離を測るため、彼は手を前に伸ばし、その距離を相対的に測定した。プログラムに設定した2メートル以内という条件がtrueを返された瞬間、ユウトは正確にパリィを行い、反撃に移ろうとした。
しかし、その瞬間、何かが狂った。ナイフはユウトの体の中心から2メートルもずれて飛んできたのだ。予測が外れたユウトは、パリィの動作でバランスを崩し、次の動作に移ることができなかった。その隙を見逃さなかったレオンは、すぐさま2本目のナイフを放ち、正確にユウトを狙い撃つ。
「しまった…」ユウトは心の中で悔しさを噛み締めながら、レオンの投擲の精度の高さに驚愕した。2本目のナイフが的確に彼を捉え、ユウトはリタイアを余儀なくされた。
その瞬間、レオンの口元にほのかな笑みが浮かんだ。実験が成功したことに喜びを感じたのだ。しかし、次の瞬間、彼の喜びはかき消された。突然、彼の周囲に炎の渦が巻き起こり、レオンを包み込んだのだ。
「あ…」レオンはその場に立ち尽くし、驚きと共に状況を理解したが、すでに遅かった。リナの魔法が彼を狙い撃ち、圧倒的な炎の力で彼を追い詰めたのだった。
「まぁ。口を聞いてくれなくなることはないからいいか。」レオンは炎に包まれ、動きを封じられたままリタイアとなった。リナの強力な魔法に対し、レオンは為す術がなかった。こうして、ユウト、レオン、リナのクラス内順位は決定した。
「あたしの勝ちー!」彼女の魔法の力が、ついに彼女を頂点に導いた瞬間だった。




