第28話: レオンのアルゴリズム
レオンは草原型ダンジョンの広大なフィールドに立ち、周囲を見渡した。彼の手には索敵アーティファクトが握られている。このアーティファクトは、周囲のクラスメイトの位置を正確に測定し、レオンにリアルタイムで情報を提供するものだ。レオンは深呼吸をして集中力を高め、アーティファクトを起動した。
「これで周囲の状況を把握できる…」レオンは心の中で呟いた。アーティファクトの画面には、ダンジョン内のクラスメイトの位置がプロットされ、彼らの動きがリアルタイムで表示されていた。
レオンは索敵スキルの精度を高めることに力を注いでいた。なぜなら、正確な座標を把握することで、戦場の状況を完全に理解し、最適な行動を選択できると考えたからだ。索敵アーティファクトの性能を最大限に活かし、彼はクラスメイトの位置を詳細に記録した。
「まずは位置を確認してから…」レオンは索敵アーティファクトを駆使し、クラスメイトの位置を正確に把握した。彼の索敵スキルは非常に高く、クラスメイトの動きを見逃すことはなかった。レオンはクラスメイトの位置を確認すると、次の行動を計画し始めた。
レオンは主な攻撃方法として投擲を選択していた。的に向かって正確に当てるためには、正確な座標の他に正確な物理演算による計算が必要であった。彼は苦手だった数学に真剣に取り組み、今では多少の風を考慮して投擲できるようになっていた。
「投擲は正確さが命だ…」レオンは自分に言い聞かせながら、索敵アーティファクトを見つめた。目の前には、クラスメイトの位置がリアルタイムで表示されている。彼は次のターゲットを確認し、静かに投擲用のダガーを構えた。
「風の影響も考慮して…」レオンは手に持ったダガーを微調整し、力加減を計算した。彼は正確な角度と力でダガーを投げ、遠くのクラスメイトに命中させた。
「物理計算が成功の鍵なんだ…」レオンはそう感じ、投擲スキルの精度をさらに高めていった。彼の計算は正確で、投擲したダガーは見事にクラスメイトに当たり、彼らをリタイアさせた。
戦闘は続き、レオンは次々とクラスメイトの位置を確認し、投擲を繰り返していた。しかし、ある瞬間、風が強く吹き、ダガーの軌道が乱れることがあった。
「やっぱり難しいな…数秒後の風の影響までは計算できない。」レオンは困惑しながらも、投擲を続けた。そんな中、偶然にも2投連続でランダムな力加減で投げたダガーが的に命中する瞬間を目にした。
「待てよ…ランダムに投げることで、相手の予測を外せるんじゃないか…?」レオンは閃きを感じ、ランダム要素を含めた投擲を試みることにした。彼は最初にギリギリ避けられるランダムな投擲を行い、その後に正確な投擲を行うことでクラスメイトを翻弄する戦術を考え、試してみた。
「まずはランダムな投擲で相手のバランスを崩して…」レオンは手に持った投擲用のダガーをランダムな力加減で投げた。クラスメイトは予測できずに回避を試みたが、バランスを崩してしまった。
「今だ…」レオンは正確な投擲で狙いを定め、見事にクラスメイトに命中させた。この戦術は効果的で、レオンは次々とクラスメイトをリタイアさせていった。
「これは使える。」
数十分が経過し、ダンジョン内の戦闘も終盤に差し掛かった。残っているクラスメイトの数は徐々に減少していった。
「リタイアせずに残ったのは…僕とユウトとリナ。いつもの3人か…」レオンは心の中でつぶやいた。彼ら3人は、日頃から共にダンジョン攻略を行ってきた仲間であり、お互いのスキルを熟知している。
「これからどうするか…」レオンは次の行動を計画しながら、索敵アーティファクトを再度起動した。彼の目には、ユウトとリナの位置が正確に表示されていた。




