第二十四話:5ヶ月経って
小学校に着任してから早くも五ヶ月が経過した。任期はあと一月で終わり、それを思うと胸が少し寂しくなる。
教育現場での日々は充実しており、学びの喜びを日々の接触から感じていたが、同時に教会でのんびりと子供たちと触れ合う日常に戻りたいという思いも強かった。
ユウト達の活躍がきっかけで雷魔法を利用した通信アーティファクトへの注目が高まり、教育の現場でもその活用方法の検討が進んでいた。先日実現したのは、学習補助として各生徒に配布された一人一台の端末に通信機能を追加することだった。これにより、教室だけでなく、家庭でもリアルタイムで学習支援が可能になった。
さらに、データベースの活用が図書室の機能を一新させた。サーバが設置され、大量の情報をクラウドベースで扱えるようになったことで、情報のアクセスが飛躍的に向上した。
私はこれをさらに推し進め、生徒の日々の学習活動をデータベースで共有することを提案している。このシステムでは、教員が生徒一人ひとりの活動を把握することができるようになる。主体性という観点を評価することが可能となり、適切な助言をフィードバックすることができるようになる。生徒達が互いに成果物を共有することができるようになれば、生徒たちは自分の学習に対する責任を感じることになり、より一層学習意欲を深めていくだろう。
この新しい提案するための資料や意見をまとめているところだが、校内武術大会の準備で他の教師たちは忙しそうだ。私も応援はしたいし、先日授業で教えた繰り返し命令のfor文や乱数を子供達がどのように活用するか興味があるが、もう少しこの提案を固める必要がある。どう進めれば良いか、もう少し時間をかけて考えてみよう。
私の任期が終わるまでに、この学校に持続可能な変化をもたらせるよう、最後まで全力を尽くすつもりだ。




