第0話 異世界とプログラム
初めての投稿になります。よかったら読んでください。
王宮から突然呼び出された私は、何が起こったのかを理解する間もなく、厳かな王宮の奥深くへと連行された。案内された広間に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がる異様な光景に息を呑んだ。
王子が、まるで時が止まったかのように剣を構えたまま、じっと動かずに立っていたのだ。周囲には緊張した面持ちの王宮の人々が取り囲んでいるが、誰も彼に手を触れることができないでいた。
「こちらが…王子様ですか?」私は王宮の執事に問いかけた。
「はい。彼はずっとこの状態で…まるで命を失ったかのように。」
私は直感的に感じた。これは、Ranモードの無限ループに陥っている兆候だと。通常の手段では解除できないこの状況に、私は覚悟を決めた。
「上書きスキルを使うしかありませんね。」私は冷静に答え、王子の前に立った。
「ホワイル王子、目を覚ましてください。」集中してスキルを発動させると、王子の姿が徐々に変化し、彼が現実の世界へと戻ってくるのが確認できた。
王子は目を覚まし、混乱した様子で周囲を見渡した。
「…ここは?」彼の声は震えていた。
「大丈夫です。あなたは無限のループから解放されました。」私は穏やかな声で彼に告げた。そして、少し躊躇してからこう付け加えた。「もしよろしければ、私の教会でプログラミングを学びませんか?」
そう、この異世界にある現象の数々――その鍵は、プログラムにあった。