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第1話「この世界はどこ⁉」(三)

 ――どこなんだろ。ほんとにここは。


 そう思っていると、突然鏡が光り出す。


 え?


 ファンタジーみたいな感じになっているんですけど。


 私は鏡に触れる。


 ぴちょん。


 中に入れる。


 私は勇気を出し、鏡の中へ入る。


 ――あれ? ここはどこ?


 私は起き上がると、「来たか」とどこからか声がした。


 「えっ、どこ?」


 「ここだ」


 私は周囲を見渡す。だが、そのような姿はどこにも見当たらなかった。


 「いませんが」


 「・・・・・・ったく、しょうがない」


 声の主がそう言うと、私の目の前に現れる。


 ――鉄格子? え? は?


 「ああ、まだ説明がまだだったね。僕の名はアイウス。時の管理者だ」


 髭面のおじさんが鉄格子によって閉じ込められた状態で、そう言う。


 「時の管理者?」


 「そうだ。僕は長年時の管理者を務めている、いわばベテランだ」


 「じゃあ、昭和生まれ?」


 「いや! それは違う! 私は永遠の十七歳だ!」


 (えぇ・・・・・・、いい大人が言うことなの・・・・・・)


 内心困惑をしていると、「ああ、そうだ」と彼は言う。


 「君、もうこの世界のことは理解したかね」


 「いや、まだ」


 「なるほど。では、この私が説明してあげよう」そう言い、彼はコホン、とせき払いをする。


 「この世界は若かれしカエサルが生きる、つまり古代ローマが時代の世界なのです」そう言うと、彼は歩き出す。


 「だがな・・・・・・、君も感じたとは思うが、この世界の時空が歪んでしまっているんだ」


 「時空が、歪んだ?」


 私は疑問に付す。


 「ああ。長年この仕事を務めているのだが、こんなことは初めてなんだよ。そういうわけで、お願いがある」


 「何でしょう」


 「時空が歪んでしまった理由を、探し出して欲しい」


 「え」


 「勿論、強制はしない。もし無理だと言うならば、君を元の時代に帰すよ。どうだ、やってみるか?」


 そう言われ、私は暫し考える。


 急にこんなことを言われたって、訳が分からないよ。


 時の管理者?


 時空が歪んだ?


 だから、なに?


 私に何が出来るの?


 マイナスな考えばかりが浮かび、「帰ります」という言葉が口に出そうになった瞬間、あるプラスな考えが浮かぶ。


 ――じゃあ、なんで私がこの世界に飛ばされたの?


 平凡な生活を送っていたはずなのに。


 どうして?


 その理由を、調べる価値はある。


 「やります」


 「よく言ってくれた。それじゃあ、これを渡そう」


 そう言って、彼はとある物を私に手渡す。


 それは、明らかにこの時代ではなさそうな物。


 かと言って、私のいる時代の物ではなさそう。


 「それは小型の時空転移システム。通称〝キャッチ〟だ。一回きりだから、注意して使っておくれ」


 「ふーん」


 「では、またお会いしましょう」


 「うわっ眩しっ‼」



 

 ――あ、あれ? 元の場所に戻ってる。


 キョロキョロとしていると、扉が開く。


 「そう言えば、君の名前を聞いていなかったね。名前は?」


 「えーっと、小川楓って言います」


 「お、おがわかえで? なにそれ、何語?」


 「・・・・・・日本語、ですけど」


 「日本? どこなの? その国」


 「え? 知りません?」


 そう言った時、私はふと思い出す。


 ーーそっか。古代ローマだから知らないのか。


 「アジア地域にある島国なんですけど、知りません?」


 「ううん。知らないな。――じゃあ、そういうわけで、よろしくね。楓さん」


 そう言って、カエサルは扉を閉める。


 ――こうして、異世界ファンタジー生活が始まったとさ。


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