8.道中と説明
非常につまらない匂いがしますね。
≪≪≪責任問題≫≫≫≪≪≪責任問題≫≫≫
≪道先案内人wwww≫≪飛ばされるだけwww≫
仕方ないでしょう!なら変わってくださいよ!
≪≪≪≪≪≪≪ノー!≫≫≫≫≫≫≫
お願いしますよ~
≪≪≪≪今回は放置案件≫≫≫≫
大丈夫なんやろか?
ロイ様。ワイら離れて、、、変なの近寄って無いと良いけど。
最初の予定逗留地点。ジブロンド子爵領。
同派閥、、、ていうか派閥内でない王国貴族は今はほぼいない。領地持ち貴族大半が同派閥。
いや、宿泊するだけなんだけどね。フェイ様は当然領主館へ。ワイらは紹介された宿へ。
とういか用意された宿へ逃げ込んだ。めちゃくちゃワイに付き合えっていう目をしてくるフェイ様と子爵様に気付かないふりして逃げてきた。
え?なんでって。面倒そうじゃない。違う?なんで向こうが無理矢理誘ってこなかったのか?そんなんワイがロイ様の話相手っていう肩書が強すぎたんだよ。
話し相手。肩書ヤバすぎたわ。だってそうだろ?普通に直に話せる相手。しかも脚色有りきの噺家みたいなやつに。
『いや~〇〇子爵が~。』
強引に誘ってロイ様の家臣を低く見ている雰囲気で話をされてみ?そんなん弱小貴族(子爵位はワイより超上)からすれば恐怖でしかないわw
指先プチどころか。ロイ様の知らないところでいつの間にか潰されている。そういう力関係なんだ。
フェイ様?相手を立てるために決まってるじゃん。余計な軋轢を好まないのがロイ様だ。役割分担!しかもワイ士爵やし。フェイ様が上司なんだから当然だろ!尊大にマウントを取りまくってきてほしいおw
いい上司だおw
愛人?二人を連れて宿へ向かう。本当は従者とかいるはずというか。成りたてなもんで誰もいない。成った途端に戦争にドナドナなんだもん。
金も無かったし。
うん。二人には申し訳なかった。貴族なりたてだけど。でも貴族としてはかなり配慮にかける。
異世界らしい趣のある、、、いやよくある宿屋。それでも彼女達ははしゃいで外観がどうとか、中性ナーロッパがどうとか。うん。ナーロッパwww
看板有るんだ。デカデカとベッドの絵と食事の絵。そして小さく文字。
「文字小さw識字率対策ねwww」
「英語っぽいような日本語っぽいようなwww」
「「お泊まり処、快楽眠wwww」」
キャッキャと笑っている。うん。やっぱり転移特典の言語様と翻訳様がお仕事しているようだ。
どうしよう。確定演出でこの子達外(領外)に出せんわwww
フェイ様何処まで知っているんだろう。
二人はさておき宿屋の扉を開く。結構小綺麗にしてはあるがやはり貴族が泊まるにしてはボロくて汚くて若干臭い気が、、、
あ、食堂1階受付横とかデフォなんだ。冒険者達がいる。うん。馬鹿笑いが響いていたがオレが入った途端に静かになった。
絡まれないよな?いくらなんでも。ちゃんと軍服着ているし。余計な軋轢を作らないように身なりをきちんとする。軍服で来て良かったわwww
「あれ、冒険者ですよね?絡まれないかなwww」
「無礼討ち見たいおwww」
小声でも聞こえてるから!まったくこの子達なんて物騒な、、、
ほらあ、冒険者さん達小刻みに震えながらあさっての方をむいている。受付の厳つい親父さんもドン引きな模様。しませんから。安心してください。
「い、いらっしゃいませ。本日はウチをお使いいただけるということで可能な限り歓待いたしますので、、、」
「あ、ああ。早速で申し訳ないが直ぐに休みたくてね。部屋に案内してくれ」
「お食事はどうなさいますか?」
「後で良い。まずは部屋に頼む」
簡潔に答えて部屋へと案内を頼む。3階の最上階。全部屋貸し切りらしい。どこでもどうぞとのこと。親父さんに申し訳なくなったオレはそれ以上の案内を断ると手前の部屋に入る。
つ、つっかれたーーーーー。
ってなんで二人も入ってくるの?あとドアは閉めような?
「えっと一人は怖いので」
「同じく。あとスグにサカられても困るネ」
「ねえ。またエセ外国人なってるよ」
「アレ?私普通に喋ってるネ」
ああ、なんとなく事情は理解したけど。あとソレたぶんユニーク様のイタズラだと思う。マジどうなってんだろうなコノ世界のスキル。
「お、おい。マジでバーナの貴族じゃん!」
「冗談じゃねえぞ!あんなん分かるかよ!」
「どう見ても一般人じゃねえか!」
「軍服着ててくれて助かったわ」
「マジでな。女二人連れとか、、、いつもならからかってたかもしれん」
「聞いてて良かった。来るのがバーナの貴族で軍人とか」
「御子様に弓引いたらしいからな。今回の出兵ヤバいもん」
「ああ、国軍より先に動いて、しかも蹂躙してきたらしいぞ?」
「国軍が動く前に動くとかどんだけだよ、しかも虐殺らしいし」
「降伏が向こうの国の王都に着くまで受け入れられなかったって噂だぞ」
「御子様が第二陣に持たせた命令書で初めて降伏を受け入れるとかさ」
「地獄の第三師団だってさ。あれ?二だっけ?」
「師団って?」
「部隊の規模らしい。誰が率いているかとか。今回その師団長が出てきて」
「よりによって第三かよ!そりゃ降伏認めてくれないわ」
「なんで?」
「第三の師団長って言えばフェイ様だからさ。あそこ関連は御子様とソレ以外。要は敵と味方でしか区別しない。そして敵と判断されれば死のみだ」
「新教で有名なフェイ様かあ。向こうの国も気の毒に、、、」
「フェイ様じゃ仕方ねえな。コレがヴィル様とかサバート様ならまだ対話の余地も降伏の受入の可能性もあっただろうに」
「サバート様が向かったのって後始末らしいからな。もっと早く出てあげてくださいよ」
「ヴィル様は後詰めで王都にいるらしい」
「ハッ!敵国ざまあみろだ!御子様に弓を引くから天罰が下ったんだ!」
「おい、今の誰だ!この中に狂信者が混ざってるぞ!」
「いや、そうでもないだろ。俺達の生活がココまで向上したんだぞ?その恩恵を受けていれば誰でもそう思うさ。まあ、向こうさんには悪いが」
「まあなあ。昔の話から考えれば困ったら戦争。裕福なところから奪えば良いって貴族の考え。好きになれんし」
「だよなあ。うん。確かに天罰だわ」
「ん?そういや泊まる貴族様も第三所属って事だよな」
「気に食わないから切るっていう、、、」
「「「「、、、、、、」」」」
「「「「親父!悪いが用事を思い出した!返金いらねえから今日は出るわ!!!!!」」」」
「、、、はあ。そうしてくれると助かる。今日泊まられる方は御子様の『お話相手』らしいからな。胃が痛くてたまらん」
「「「「親父!ソレをもっと早く言え!!!!」」」」
「ガチで洒落にならねえ!よりよって狂犬かよ!」
「黙って惨殺するらしいじゃねえか」
「女子供関係ないらしいわ」
「モーション無く刺し殺すらしいぞ!」
「滅多刺しらしい」
「聞く耳どころか話すら通じないらしい!」
「人目なんか気にしねえ!衆人環視の中でも平気で刺し殺す人間だぞ!」
おい!筒抜けなんだよ!うるせえよ!誰が狂犬じゃい!
ガヤガヤと上まで響いていた声がやがて小さくなり静寂が訪れる。
「えっと。刺し殺すんですか?」
「失礼な態度をとって大変申し訳ありませんでした」
ほらあ、勘違いしちゃったじゃないか。
あの後、気まずい空気が流れたがなんとか事情を説明、、、が簡単には終わらず親父さんに持ってきてもらった食事も終わり、お茶を飲みながらようやく説明が終わって一息つけた。
「向こうに付いたらナイフとかの扱い教えてください!」
「身体強化も早めにお願いします!」
なぜこうなった?
オレはただ、この国の実情と主家の成り立ち。主家であるロイ様が新興貴族でまだお子がいない。跡取り不在で且つ俺の唯一の後ろ盾であるという話をしただけなんだが。
「聞けば聞くほど貴族社会は厄介!」
「こんなに人の命が軽い世界で後ろ盾を失うのは怖すぎる!」
まあ、うん。確かに。いくら戸籍謄本。領が個人を認めてくれてその存在を保証してくれようと、保証人且つ後ろ盾(領主様)を失ってしまってはどうにもならなくなる。貴族社会怖いお。
「法律、、、家に着くまでシッカリオシエテ!」
「ほんっっっっっとうに。信じてるからね。領主様守ってよ!」
話せば話すほど彼女達は何かを確信する。オレが彼女達の保証人でそのオレの保証人がロイ様なんだから分かる気もするが。
この国の王様じゃないけど王様以上の存在。貴族達ですらこぞってバーナの領民許可証を欲する異常な国。
過去の歴史書、領の歴史書や成り立ちを噺家らしく面白おかしく話すのだが彼女達は一切笑わず真剣に聞いている。
「すげえ。リアルチート」
「いえ、この場合失敗の量も膨大ですから。正に天才かと」
、、、、、、、、
「ない、無いわあ、、、」
「中世の生活とか貴族の舞踏会ってこんなモノヨ?」
、、、、、、、、
「中世社会、命がけ過ぎる」
「一応この国は中世突破して近代史に足を踏み入れているミタイね」
、、、、、、、、、
「冗談も過ぎるわよ。そんなの、ロイ様一点掛けしか無いじゃない」
「そりゃ王様でもロイ様一択にスルわ。国が滅びる寸前ジャン!!」
オレ、流石にもう眠いんだが、、、、
職業噺家の名は伊達じゃねえって意気揚々と話していたハズなのに彼女達の食いつきはソレ以上だった。
明けて未明。馬車の中。未だ興奮冷めやまぬ彼女達の質問?は収まらない。
なんでもオレが貴族になるまでの話をもっと詳しくと。
アレ?オレ貴族になった理由知らねえぞ?
「オークと死闘www」
「ゴブリンから逃走www」
、、、、、、
「や、やらかし方ガ半端ないwww」
「大金手に入れるw借金膨らむwww」
、、、、、、
「でも、なんか分かるwww」
「領民も必死にナルわwwww」
今回はオレ視点から話をさせてもらった。飛び飛びになったり時系列を思い出して話をしたりしたから申し訳ないとも思ったが。
「コレ、賭けに勝ったわ」
「マリー!ナイス判断よ!」
話をする限り彼女達の反応は悪くない。それどころかなんか異様に彼女達の仲が良い。
うん?最初友達同士?知り合い?アレ?っと思ったがどうやらやはり友達で間違いないようだ。
まあ?ギスギスしない生活キボンヌ!
が本音だけどね。
私達も顔パス、、、というか軍人と一緒というか彼と一緒だから当たり前か。
「「、、、の名において、バーナ領に尽くし!バーナ領の為に働き!仲間と共に歩むことをここに誓う!」」
痛ったーーーーーい!!!!
初めての針プス自傷行為。冗談じゃない、聞いてはいたけどガチで痛いじゃん。本当に、なんで物語だと平然としてられるのよ!
涙目になりながらもなんとか平然を装い領主様、ロイ様と握手をする。そこで語りかけられる歓迎の言葉。
ああ、コレあかんわ。そりゃこの領の為にみんな頑張ろうとするわ。
イケメンの笑顔云々じゃない。私達も仲間だ。領主がそう言ってくれる。そこからのスタートなんだ。
よく計算されている。くやしいけど。こんな事されたら裏切れないわ。
ようやくなんとか覚えた魔力を通す行為。そして領民カード。裏面には彼氏の家名。表にはバーナ領民であるというバーナ家の家紋と名前。
うはあwちょっとカッコイイwww
しかもコレちょっと光るのwww
「ユースケ!た、大義であ、、、ぶふうwww」
「ロイ様そりゃ無いっすよ。いや、認可日以外なのに対応してくれたのは感謝してるっすけど」
領主様が椅子に座ると部屋の扉が開かれ椅子やお茶、お菓子が運び込まれてくる。
どうやら本当に今日は領民認可の行われる日ではなかったようだ。それを証拠に既に領主様は仕事モードという雰囲気ではない。
さらに後ろに控えていた女性二人もロイ様の隣に用意された椅子に座る。私達は彼氏の若干後ろに席が用意され、袖机みたいなものが横に用意されそこにお茶やお菓子が用意された。
「あ、あんたwwwせ、戦争行ったって聞いて心配してあげてたのに、、、愛人拾ってくるってwww」
「へいへい。さーせん。マジでオレも訳がわからんウチにこうなりましたわ」
「ユースケ、、、その。なんというか。お主、相変わらずだな」
「子供と、トロール、、、お、犯されるwww」
領主様が私達をチラチラみながらクックと息をこぼす。普通なら抗議をあげたいけど。うん無理。笑い話になった事の方が逆にホッとする。
うん。だってウチら噺家の家だし。コレでクスリともしなかったら逆に真っ青ものよ。つまり、マリーナイス!!!主家の話し相手で、笑いもされなかったらどうなるものか分かったもんじゃない!
「というか貴女達はソレで良かったの?なかなかに身体張りすぎだと思うんだけど。いえ、ココまで辿り着かれて私に頼られたとしても。私でもどうしようも無かったんだけどね」
ほらあ。聞いてた通り。同郷と思われる彼女でさえ保身だ。雁字搦めの未来しか無かったじゃない。故に再度、マリー!ナイス!
「はい。正直想定内でした。自分ならどうするか。『同郷』?他人でしょ?って考えたら、、、ええ。希望なんて最初から捨ててましたわwww」
「ワタシの助言のおかげデショ。」
うっせえわ!ってか助言じゃなくてテメエの保身じゃろがい!
って言いたいんだけど。まあ?いや、、、あってるんだよね。
マリーというボケ役がいたからこそ冷静になれた。この旦那様に命かける必要が有ったかと言われれば無いと安易に考えていた。なんとなく無いという常識、自分は大丈夫というのがラノベ知識からだったからこそ、マリーの言葉に引っ張られた。
この世界の情勢を聞けば聞く程に彼女正解ではないか。
日本人が世界の常識からかけ離れていると考えれば当然か?
旦那(おっさんw)曰く、日本が近年30年とその以前30年の精神的停滞は空白。空白30年は『実は私は裕福』という優越感が有った。気付けば衣食住は満たされ、最低限の生活は『生きる』ことから『皆と同じ生活』が出来る事に改編された事。だそうだ。
王政、貴族政治は一見すれば独裁。しかし大半のラノベでも語られるように、いや、受け入れられているように貴族社会は認められている。
法は力が有ってこその法。
力無き法なぞ夢物語だと。
この世界では正義。
力こそ正義だと。
うん。コバンザメ手法の私達は正しい。と彼女(同郷先輩)の会話から読み取れた。
つまりどんな形であれ力を示せれば正義と、、、
アレ?良いの?好きにシチャウヨ?
≪≪≪おおっと!どっこい!ワイらが、、、≫≫≫
≪手遅れか、、、≫
≪≪≪≪<ユースケ、、、、(泣)≫≫≫≫
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