5.上司フェイ
今回こそは!
、、、誰か先陣斬ってください。
≪弄りたいけど≫≪揶揄いたいけど≫≪≪≪タイミングが!!!≫≫≫
自分案内人なんで誰かに行ってもらわないと入りにくいのですが。
≪嘘乙≫≪草の準備はしたか?≫
タイミングが!
≪本音乙w≫≪案内人が案内しない件www≫≪クソワロタwww≫
一度入りさえすればこんな冒頭案内しなくて済むのに!早く草生やしたいお。
ユウスケの上司。
今回の戦で100戦100勝。常に先頭に立ち敵の軍を蹴散らす。軍神フェイ。武神フェイ。
ユウスケは二人を引き連れフェイの前に進み出る。
現在最後の休憩で、宿営地だ。自分が徒歩だったため重歩兵搭乗の牛車の最後尾から追いかける形となった。今更ながら重歩兵が乗ってた牛車に乗せてもらえばもっと楽だったのになどと思い始める。
二人はユウスケの後に続いて天幕の中に入る。かなり広い天幕だ。ゲルというやつをイメージすると分かりやすかもしれない。中央で仕切られていて右手は私室。入口から入ってすぐが執務室みたいなものだろう。
入った奥の方には机が置いてあり、椅子に座って一人の青年が二本の刀の手入れをしている。
赤髪で後ろに髪を撫でつけている感じ。服装はユウスケが着ている青い軍服よりちょっとだけ刺繡が多い感じ。でもさりげない程度。
ユウスケは机の前に立つと拳を胸に当て直立不動の姿になる。彼が拳を胸に当てたタイミングで二人は片膝を床に付け、掌を胸に当て頭を軽く下げる。
「報告良いッスかね?」
アカリはユウスケの間抜けな言葉にガクッと肩を落とす。貴族に会う時の礼儀作法は軽く学んだ。こうした姿勢も作法も聞いた通りにやったのに。ユウスケの言葉は想像していた貴族としての言葉遣い、軍人としての言葉遣い。どちらとも想像から離れていたからだ。
声をかけられたフェイが顔を上げて二人を見て若干口元がヒクついた。
「ああ、ユウスケ、楽にして良いでござる。後ろの二人も立って楽にして良い。」
三人を視界におさめ軽く頷いて楽にしていいと言ってくれた。この時顔を上げろなら顔だけを上げなければならない。
二人はゆっくりと立ち上がる。
「ユウスケ。キンから報告は聞いている。愛人の件はおめでとう。終わり。帰れでござる。」
「違うんですよフェイ様!聞いてください!」
「愛人の申し込みが有ったと聞いたでござるが?」
「えっと、確かにそうですが。」
「連れて来ておるな?」
「はあ、まあ。」
「終わりであろう?幸いお主の天幕は貴族用だからあと二人位楽に泊まれるではないか。さっさと出ていくが良い。」
「ひどいフェイ様。話聞いてくださいよ!この二人たぶん」
「同郷であろう?キンから聞いている。その可能性があると。」
「ならメグミさんにお願いするのが」
「アホかお主。メグミ殿はロイ様の愛人でござる。その付近にいきなり新参者送り込めるか?保護してくれたとして彼女の元で働いたとする。引き抜き対策は?なら確実に留める為にロイ様に愛人にしてもらえるように働きかけてみるか?お主が。実績すらない彼女達を。お主が貴族に取り立てられた意味理解しているでござるか?」
押し問答が始まったと思えば二人の処遇の話。ユウスケは逃げる算段に対しフェイは理詰めで逃げ道を塞ぐ。二人ともいらない子らしい。
「な、ならフェイ様とか」
「何も感じぬ者を愛人にする気はない。そしてもう一度言う。実績もない彼女達を某クラスの貴族が愛人にして周りは黙っていると思うか?」
「資産的に二人はキツイかと」
「お主、家持っておるな。幸い何人も住める家だ。士爵位としても然程不自然でない家だ。そして前回の報酬。納税の義務は無くなり逆に人を雇わなければならない立場となった。」
「え?免税?使用人かなんか雇わないといけないんですか?」
「写本していたのだからそれ位知っているでござろう。貴族は金をバラ蒔く者。あと申し込まれたのはお主ではないか。」
そういえばとユウスケは何かを思い出したらしい。右手をゆっくりと上下に振っている。何か抜け道は無いか考えているようだ。
「丁度良かったではないか。今後娼館通いが出来なくなるのだから。さっさと孕ませて縛り付けろ。ついでに彼女ら使って金をバラ蒔け。」
トンデモ発言の連発だ。貴族とはこういうものなのだろうか?明け透けに人を物みたいに扱うような発言だ。元の世界で日本の勘違いフェミニスト共が聞いたらブチ切れる事間違いなしだ。
「そういえば娼館行けなくなるんだった。ってかガキとデブ相手じゃ自分が役に立ちません!」
「むう。しつこいでござるな。それに少しは女心を知れ。ほれ。」
フェイが顎をしゃくるとユウスケはハッとしてゆっくりと後ろを振り返る。
二人とも涙目だ。そりゃあもう。デブ、ガキ発言は効いた。何より娼婦以下の反応で、物扱いにたらい回し発言に厄介物扱い。
二人の自尊心はズタボロだ。でも相手は貴族で何か言って怒らせでもしたらと考えると何も言い返せない。
『やっぱり私がトロール。』
『私いらない子なんだ。覚悟決めたのにガキって。』
二人の小声はフェイにもユウスケにも聞こえている。こんなに至近距離でしかも静かな空間なのだ。小声など意味が無い。
「ち、違うよ?二人ともいらない子じゃないからね?」
「因みにバーナ領で保護した場合。監視付で自由行動が縛られるだろう。監視を楽にする為に施設預りであろうな。というかこの世界の金を持っていないだろうからキリキリ働くしかないのだが。生活に耐えられるであろうか?お主の元いた世界とこちらの生活は大分違うのであろう?」
「うぐ、そこまで大変じゃあ。生活保護施設とか意外と便利だし。」
「本当か?まあ、そんな事はどうでも良い。覚悟を決めた女人に対してそこまで拒絶するのは、お主少し失礼過ぎやせんか?」
「別に拒絶してなんか」
「うむ。なら良かった。さっさと去れ。」
沈黙が訪れる。言質を取られた。フェイは手をシッシッと振っている。
賽は振られた。というか決は決まったというか。ユウスケおめでとう。ロリコン、デブ専の称号間違いなしだ。
実際にユウスケはステータスの称号部分を確認して絶望する。
称号:自転車操業者、金食虫、傾奇者、脳筋野郎、惨殺鬼、デブ専wロリコンw(日本なら犯罪者乙m9(^Д^)プギャー)
せめてエロフスキーとかケモナーとかが欲しかったと崩れ落ちる。相も変わらずステータスに弄られる生活のようだ。
二人を連れ自分用の天幕前に立つ。入口を開けて入ろうとし一旦入口を閉じる。天幕の横にある紋章を確認。間違いなく自分の天幕だ。
ため息を吐いて覚悟を決めて中に入る。
「何やってんのキンさん?」
キンさんが親指を突き立て笑顔でサムズアップ。喧嘩を売られているようだ。
「何って愛人獲得おめでとうと二人用のベッドを手配してやった。あと軍事行動終わるまでは、うるさいから発情すんじぇねえって釘をさしにきた!」
ユウスケはプルプルと震えるとキンの肩に手をかける。ボソボソと耳打ちして表へ出て行った。
残された二人は両サイドにあるベッドに座る。疲れているだろうから休憩していてくれと言われたのだ。
妙な沈黙が流れる。思っていた異世界生活じゃない。スタートから違い過ぎる。同郷(地球出身)者がいて幸運だったのかそれとも最悪だったのか。すぐにどうこうなる問題じゃないと思うが二人に対するあの態度。あの上司であろう貴族の娼婦扱いな発言も頭に来たが、なにより彼の二人に対する評価がアレだった。
デブとガキ。
覚悟を決めた女の子相手に言って良い言葉じゃない。それほど拒絶されるような事をした記憶が無い。
だが彼らの会話を思い出してみると自分達の知識は広めるには危険。他所に出して良い人間ではないという事だ。
会話の内容から言ってメグミという前任者がやらかしたのだろう。
だがこのまま彼に付いて行って無下にされる生活も嫌だ。なら逃げる?この状態で?そしてこの世界の価値観。アレが普通なのだとしたらもっとひどい目に遭う可能性もある。
駄目だ情報が少なすぎる。
アカリは反対側のベッドに座る彼女に目を向ける。ポジティブ的な雰囲気だった彼女はどう思っているのだろう。
「お腹空いた。」
色々ぶち壊された。私はこんなに深刻に考えているのに!そう思いつつも自分も空腹だった事を思い出す。
それにお風呂にも入りたい。汗でベタベタだ。
「私もです。それにお風呂入りたい。シャワーでもいい。」
「、、、アカリ。彼日本人。なら内政チートしている筈。風呂ある可能性が。」
「たぶん無理じゃない?今ここ野営地みたいだし。」
「安心するが良い小娘共!」
バサリと天幕の入口を開きながらキンが入ってくる。ユウスケは遠い目をしながら彼に続いて入って来た。
「シャワーなら有る。というか風呂も一応あるんだが。」
歯切れ悪そうにユウスケがボソボソと補足してくれる。
「ユウスケが一緒なら風呂にも入れる。貴族でないと宿営地では風呂に入れんのだ。一般兵との区別だな。フェイ様はシャワーのみで構わんとか言うんだが、一般兵がな大反対してな。貴族と一緒とか胃が痛くなると。間違って同席したら目も当てられないと。」
色々と複雑な事情が有るらしい。
「その、一応、女性兵もいるんで、女性用のシャワー室も士官用の風呂もあるんだけど。」
「愛人枠では単独で風呂に行く事は出来ん。それこそユウスケが士爵以上の立場なら話は違ったが。回り士爵の女性に囲まれてみろ。、、、そういう理由だ。」
ユウスケと同等の爵位、貴族に囲まれて風呂。アカリの立場は現在平民で一応貴族の愛人という事になっている。そう考えると風呂に入るのは命がけに等しい。
「シャワーで」
「一緒にお風呂にはいりましょう!」
何故だ。アカリはシャワーでも我慢できるのに。何故彼女はここまでポジィティブというか大胆なのだろうか。
彼女がそう言うなら私もそうしなければならなくなるではないか。彼女を恨めしそうに睨むと彼女がバチコーンとウインクを連発してくる。何か意図があるらしい。だが信じて良いのだろうか?
彼女の行動は行き当たりばったりに感じる。大丈夫だろうか。
「俺、一人で入りたいんだけど。」
そりゃそうだ。特に疲れている時なんか一人で風呂に入りたいものだ。かなり涙目になっている。
「ワタシ何日もお風呂入ってません!バッチいです!疲れてます!着替えも欲しいです!」
「あ、私も着替え欲しいです。」
思わず本音が出てしまう。彼は益々涙目だ。
「ユウスケ、愛人のお願いだぞ?分かってるな?」
キンさんがユウスケの肩を軽くたたく。ユウスケはしばらく二人を交互に見た後、肩をガックシと露骨に落とした。
「二人分手配しといてやる。補給物資に女性用と、、、の服位あるだろう。飯もココで良いな?三人分。」
そう言ってキンさんは天幕を出て行った。残された三人。やはり沈黙。三人の思惑が入り乱れ。対応方法も会話の内容も思いつかずといったところであろうか。こういう時こそマリーに口火を切って雰囲気をぶち壊してほしいのに。
「ええっと。じゃあ、トロー」
「マーガレットです。マリーと呼んでください。ところでいつヤリます?」
アグレッシブ。完全にやる気満々だ。何が彼女をそこまでさせるのだろう。
「うう、マリーはお風呂で、そっちのガ」
「アカリです!ガキじゃありません!」
思わず反応してしまった。そう言えばきちんと自己紹介すらしていなかった。
「じゃあアカリがシャワーという事で手続きして来るね。」
「ちょっと待ってください!アカリこっち来る!」
まさかのストップが入った。マリーに手招きされ奥の方へ行くと屈んで小声で語りかけてくる。
『アカリ頭大丈夫ですか?彼しぶとくも逃げる気ですよ?』
『でもだからっていきなりお風呂一緒とか』
『既成事実!既成事実が大事なのです!幸い彼の周囲の人は私達を後押ししてくれているようです。それに私達は状況が状況です。彼と共に一緒にお風呂に入ったという話が、今日会った彼の上司の耳にも入り警戒が緩むかもしれません。良いですか?私達は警戒されているのです。』
『その為なら裸ぐらい見せてやれと?』
『今は辛抱の時です。大丈夫。アカリが襲われそうになったら私が襲いますから。』
私は勘違いしていたのかもしれない。彼女はとてもやさしい。
、、、?なんだろう?なんか彼女が彼を襲う姿を想像すると、、、被害者が彼に思える。
『暴力は不味くない?』
『何言ってるんですか?男と女のアレの話ですよ?きっと彼も私の凄腕テクニックを受ければ枯れはてるハズです!やった事無いけど。』
そっちの襲うか!?いや、確かにそれなら、、、益々彼が哀れに思えてきた。だが彼女の理論というか推測は間違っていない気がする。あの上司の話した内容。彼の同僚のキンさんという人の雰囲気。そして彼の態度。
想像してみる。彼に逃げられた場合のデメリットを。軍事行動中なのだから当然監視の元彼らの本拠地まで連れていかれるだろう。処遇はその後に決まる。当然その後の生活も監視付き。自由は無く監視された生活な上に働かなければならない。商品開発という手もあり得るだろうが初期投資、資金が必要だ。チートが有ってそれに目覚めれば?ワンチャンあるかもしれない、、、が強引に逃げたところで指名手配の可能性もある。ダメだ不安要素が多すぎる。情報が少なすぎるのだ。
なら愛人になった場合のメリットは?
彼は腐っても貴族だ。そこまで金に困る事も無いだろう。というか大きい家持ちで金が有る事は判明している。さらに彼の上司が自分達を利用して金をばら蒔けとまで言っていたのだ。平民として生きるより良い生活が出来る可能性がある。平民の生活がどのくらいのレベルか分からないが、生活水準が我慢出来ないほどだった場合と何より命に対する安全の保障が欲しくて一度は覚悟を決めたのだ。なら良いのでは?
アカリはクルリと振り返り笑顔でユウスケに宣言する。
「私も一緒に入ります!」
なんで?
≪好機あったのに≫≪ステータス先生がいたのに≫
なんで誰も行かなかったんだよ!
≪ステータス先生相変わらずの切れ味w≫≪先生の生AA素晴らしい≫
おう!オレも関心したさ!m9(^Д^)プギャーは見事だった!
≪スキル先生キボンヌ≫≪呼ばれてないみたいだしなあ≫
なんかもう。適当なタイミングで行こうぜ。
≪ユウスケの容姿がその辺にいそうな件w≫≪それなw≫≪キンさん貴族w≫
≪≪≪似合わね~wwww≫≫≫
なんか普通に楽しんでないか?
書き溜めです。今後の更新はひらめき次第。故に大変申し訳ございません。
すまんのwww
ストック無しの思い付き作者なんてこんなもんよ!
誰かヒントくれ。