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3/8

3.と勘違いしているようです

無情にも物語は進むようだ。


≪今度こそ!≫≪ワイが先陣斬る!≫≪最後で良いです≫


だから案内人代わってくれません?あ、待って。先に行かないで!








「とりあえず歩きましょ。」


残されたのは二人きりだ。ココで待っていても彼等が返ってくるかも分らない。このまま待機していても遭難死の可能性が大きい。


幸いかは解らないが彼女達の遭難はまだ1日だ。1日の移動範囲内で叫べば助けが来るかもしれない。


常識的に考えれば1日で叫んで救助を求めても教師陣が助けに来れない位置に来ていると考えるのが正解なのだが。


「「センセー!誰かー!」」


林間学校という事で必ず教師陣が探してくれている筈ともしかしたら他の生徒の誰かがと期待を込めてたまに二人で空に呼びかける。


こういう時は前方に向かって叫んではいけない。上に向かって声を周囲に届けるのだ。オタ女の女子高生の言葉に関心した彼女はオタ(仮)女に追従する。


だが残念。山の中と思っていたその地は。山の中の斜面ではない。気がつかなかったのだろう。極限状態。更に目の前で摩訶不思議な召喚魔法陣を目撃しながらもはぐれてしまった二人は。






そして出会ってしまう。最悪の出会いだ。


のそりと木の陰から影が現れた。


「あ!よか」


オタ女(笑)から続きの『った』の声が出ない。オタ女は瞬時に理解した。


二人の目の前に現れた影の姿。二足歩行。体は大きい。巨体の人形に猪?豚?のような顔。ニヤリと口を開いたその中に除く大きな牙。そして汚らしいヨダレ。醜悪な表情がオタ女に向かう。


終わった。そう思うと同時にソイツが彼女目掛けて突進してきた。


なぶられる!


そう思って目をつむったがいつまでも衝撃が来ない。


おそるおそる目を開いてみる。


彼女の前ではオークと一緒にいた巨女がガップしと組み合っていた。


「オーマイガ!まさかココで原住民に襲われるとは!言葉も交わさずいきなり襲ってくるとはUMAなのか?このヤロウ!」


いやオークですやんソイツ。


だが彼女の成り立ちも考えていただきたい。空想世界で馴染みの低い異世界魔物オークと、身近?な常識というか有名な野蛮な行為をするのは原住民やUMAと咄嗟に考えてしまうのも無理もない。


で。現状ガップし組み合っている。


どう見ても力が拮抗しているがこのままでは不利だ。仲間を呼ばれたら私はどうしようもない。

どうしよう、どうしよう。

彼女が周囲を確認すると少し大きめな石が転がっていた。既に切羽詰まった状況だ。しなければヤラれて殺られる!


必死にその石を持ち上げ組み合って力の押しくら饅頭をしているオークの背後に周り力いっぱいに持ち上げ振りかぶり殴りかかる。


ゴッ!


鈍い音と響きが両手に響く。最悪だ。最悪の感触だ。



「ヨシ!良いぞ!もっと殺れ!」


励ましなんかいらない!でもラないとられる!


もう感触がなんて考えちゃいけない。それが異世界の常識と知るオタ女は躊躇したら死ぬ事を理解しているのだ。


ゴッ!ゴッ!ゴッ!


何度頭を叩いただろう。いつの間にかオークは二人の前で崩れ落ちた。


ヤッてしまった。殺ったんだ私は。


「まさかこんなところで原住民?UMA?に襲われるとはな。」


違います!どう見てもオークです!


「思い切りの良い行動だったぞ。感心した。」


そうじゃない!そういう事じゃないんですよ!


「だがもしコイツが斥候だとしたらココは危険だ。直ぐに逃げるべきだ。」


合ってる。合ってるけどお!





巨女はマーガレット(笑)と名乗った。似合わないw通称マリーねw了解w

草生えるわw


「へえ、アカリって言うんだ。なんというか、、、普通ね。」


ジロジロとアカリをなめるように見て感想が普通。いやアカリ自身も自分の容姿が日本人としてザ・普通なのは理解している。

髪は黒髪セミロング。スリーサイズも胸には若干自信が有ったのだが彼女と見比べると貧相。お腹もお尻も圧倒的に負けている。身長だって160cm位(153cm)あったけど彼女は見上げるほど高い。


でも、マリー程名前と容姿がかけ離れていないし!そりゃあ、彼女ほどインパクトのあるスタイルもしていないけど。

でも巨乳って言うよりドラム缶スタイルじゃない!





皆の者。立ち上がってくれ。アカリ君に拍手をしよう。この樽女に素晴らしい感想だと思う。≪くう!≫≪やはり届かないか。≫≪アカリ草職人w≫





二人はノロノロとオークが現れた方とは反対の方向へ歩を進める。2時間ほど歩いただろうか。ふいに森前方が明るくなっている。


森の切れ目だ!


二人はいつの間にか疲れも忘れて早歩きになる。水音がしない。川近くではないという事は山の反対側。もしくはキャンプ場?国道という線も捨てがたい。


取りあえず森を抜けられる。森を抜けさえすれば!


やはりアホ二人。


オークと戦って。もしくは原住民やUMAがいる世界で。何故普通に助かると思ったのだろうか。


森を抜けた先には平原が広がっていた。


そして、、、軍隊が行進していた。騎馬隊が先頭で槍を持っている。騎馬隊の後ろを牛みたいな動物にかれた荷車に甲冑を着た人達が乗っている。膨大な数の牛車だ。


「何てこと、、、タイムスリップ?マイガ!」


『マリーさん。お願い。静かにして。コレ見つかっちゃいけないパターン。』


小声で注意したのだが既に手遅れだったようだ。数人の騎兵が槍を構え凄まじいスピードでこちらに迫ってくる。


オワター。こんな異世界の軍隊で女の子が軍隊に摑まるなんて慰み者の戦利品扱いに決まってるじゃない!







まさかアカリが草職人だったとは。このまま観察してても良い気がしてきた。


≪つまらん≫

≪オークと相撲w≫≪それなw≫

≪ユウスケキボンヌ≫≪軍隊だからロイかおっさん≫≪前回ユウスケ出兵しとったで?≫

≪≪≪≪それだ!≫≫≫≫


うんうん。異世界来れて良かったね。


、、、さあ、オレも草生やす準備始めるかw


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