1.Re再び
やあ皆。久しぶり。
ええ?誰だって?
つれないなあ。オレだよオレオレだよ!案内人さんだよ!
≪マジ知らん。≫≪オハツ≫とか言わないでよ。まあ、初めましての方もいるかあ。
コホン。
私は案内人。脳内オーディエンスを代表し導く者です。
実際には皆様と同じ異世界の人物の脳内に送り込まれるオーディエンスの一人です。
これからご案内する、、、≪行先選べるの?≫って言われましても。実は選べません。行き先不明です。
≪似非代表乙≫とか≪それでも代表か!≫とか言わないでください。
≪さっさとしろ!≫≪いざゆかん異世界!≫とか急かさないでください!
≪真面目版ですか?≫ってやめてください。一応初めての方もおられるのですから。
≪オレオレ案内人≫、、、草生やしたくなるのでゆるしてください。
はあ、、、では参りましょうか異世界へ。
日本という異国の地。
昨今はアニメブームだのライトノベルやらゲームで一部で人気になった国。そういう認識の国だった。
寿司、天ぷら、ラーメン、着物、桜、神社、寺、そしてポテチ。ポテチあるから!私の国にだって!
日本食はヘルシー。この国で生活すれば私も痩せられる!
金髪碧眼で典型的な外国人。その見た目の所為かなかなか職にありつけずもっぱら翻訳家か講師としての職業しか紹介されない。
まあ結局就労ビザの関係で講師にしか慣れなかったのだが。
「いらっしゃいませ!こんばんわ~!」
仕事終わりの最近慣れた生活。コンビニに入ってかけられるあいさつ。コレだ!私がやりたかったのはコレだったのに!
何故か採用されなかった。留学生として来ていれば!などと彼女は思うが。結局採用はされなかったであろう。使用者は基本ある程度見た目を重視する。それが日本社会だ。ブサイク?関係ない。小綺麗であれば良い。コミュ障?単語と掛け声だけを発し、キビキビと動ければ問題ない。
彼女の採用されない問題点。
彼女は典型的に超えていたのだ。いや、肥えていたのだ。総重量、いや、体重○12kg。身長175cm。スリーサイズ100-100-100。動けない訳じゃない。筋肉だってある。だが見た目ドラム缶。
動けそうにないなあこの人、と不採用なのだ。コンビニって意外と体力いるんだよ?ってディスられた時は悔し涙を浮かべていた。またか、またなのかと。
バイトをちょっとだけでもさせてもらえれば満足なのにと。彼女は日本に来て痩せたのだ。コレでも。
100-120-110から変わるくらい激ヤセしたのだ。叩き出された実家の事を。人には言えないくせにと悪態をつきながら日本に来て仕事して生活して数ヶ月。たった数ヶ月で〇〇kg痩せたのに!
「袋いりますか?」
首を振る。エコバックに会計済みのチョコレートの袋を次々ぶち込む。天涯孤独唯我独尊の精神(妬み)で声も発せられない。
日本に来ればモテると思ったのに!
彼女を責めないでもらいたい。金髪碧眼=モテる。の図式で世界に発したのは日本の過去のオタ達とおっさん達だ。彼らも悪気があってやったわけでもない。普段国では見かけない容姿を美しいと思ってしまうのだ。
否定したいと思うだろうが親御さんやお知り合いにおっさんがいるなら聞いてみて欲しい。
『金髪ボインってどう思う?』と。
素直なオタ達を許してあげてほしい。素直に美に溺れ憧れ世界にあなた達は美しいと発信し続けたのだから。
金髪ボイン美女ヤホ~イと時代を継承させた原因はおっさんだ。爺さん達だ。間違えてはいけない。
それに拍車をかけたのが昭和平成の女子高生女子大生だ。ギャルだ。脱色髪染めエセパツキン。男共の責任だけではない。パツキン女子が人気で流行りの構図を作り出したのだ。是非ともお母さんと婆ちゃんに聞いて欲しい。
髪の脱色って知ってる?髪染めってやったことがある?と。
置いておこう。
そんな彼女だが最近の楽しみはやはり新刊の異世界系の漫画とアニメと小説だ。魔法と剣と宮廷物語。華美荘厳で夢幻で空想し、きらびやかな世界に夢想する。
つまり汚染された。
電機ケトル(カッコよく言っても電機ポッド)でお湯を沸かし珈琲を入れチョコを口に放おり込みページを捲る。
私もトラックに突っ込めば異世界にイケるのかしら?
しかし、それは賭けだ。自分の命と引き換えにしては等価交換(某錬金術師理論)を超えてなお余る。
普通に逝く可能性の方が高いかあ。
彼女は直ぐに諦めて別の書籍を手にする。
黒魔術大本。新白魔術行使法。妖怪大全。民謡。
中でも特に気に入ったのが民謡だ。民謡読解を片手に読解を進める。読解の冒頭にあった前述が気に入った。
読み手によって解釈は千差万別。私の解読が貴方の読解の一助となれば幸いです。
コレがジャパンクオリティ!書籍ですら恥らい礼節を重んじる!
彼女はとんでもない勘違いをしたようだ。
福岡県太宰府市。天満宮。彼女は御機嫌だった梅ヶ枝餅を両手に抱え頬張っていた。
「神隠しにはあいませんでした。しかし福岡最高!」
食の都福岡と鼻歌交じりに休暇を楽しむ彼女。
広島県廿日市厳島神社。
彼女を責めないでください。社には確かに感動していた。だが牡蠣が美味すぎた。焼き牡蠣ビューティフルと興奮していたのだ。
「あの海上鳥居を潜れば異世界と思ったのですが仕方ありません。」
飛行機でそんな事を呟いていても無視してください。
奈良県、東大寺。仏像を見上げて感嘆の息を漏らしパンフをみてため息をもらす。
「6年の苦行。って苦行ってなんですかね。ドMなんですかね?」
本当に申し訳ない。彼女は少し頭がおかしいのかもしれない。
「ダイエットも苦行と思えるのですが悟りをひらいたところで異世界にいけるとは思えません。」
、、、
京都府。金閣寺、銀閣寺、etc。エトセトラとは言ってみたものの適当にその辺りで大きそうで有名な神社仏閣を巡って見ただけのようだ。清水の舞台で飛び降れれば異世界と呟いてもいた。下を見てリアルを見て断念。だって他の観光客が楽しそうだったから。
伏見稲荷大社。
「おう!この感覚。行っては危険ですね。断念しましょう。」
パンフを見てそれが登山と変わらないと感じた彼女は、自分の貧弱装備では無理と早々に断念した。
一応途中まで入り、立ち並ぶ鳥居が登り坂に続くのを確認し、素晴らしい。神秘的。でもこの装備じゃ無理と断念した。
彼女は異世界に行きたいわけじゃない。行っても良いだけで自殺願望はない。ただ不思議なのだ。誰かを助けて事故ったら異世界とか。トラックで異世界。
トラックで異世界!?
彼女からすれば現代兵器なのだ。正確には現代輸送兵器。呪術や宗教、呪いどこにいった!輸送機が異世界に飛ばせるなら武器はどうなる?それ以前に宗教の軌跡の力はどこにいった?
答えておくれよジャパン!
別に彼女が山に登るのが面倒だから諦めたのではないと擁護させていただく。というか信じたい。
「富士山素晴らしい!日本一!登山最高!」
六時間以上かけて登山した日本最高峰の山。彼女は自信が満ち溢れてきていた。
公共機関で可能な限り富士山山頂に近づいて半分から登ったという事実は気付いていない。
彼女の行動がおかしくなったのに拍車をかけたのはオタの所為ではない。と思う。多分。日本一高くて登山が厳しい富士山。コレ以上はない。
誤発信にも程がある。
「すごい!海底が見える!」
勘違いしないでいただきたい。日本一透明度の高い摩周湖である。当然彼女は琵琶湖にも行った。その時の感想がナイアガラに比べればただの湖。である。
だが摩周湖は違った。湖底が見える透明度には感動した。
「でも摩周と言うほど魔に関係しているとも思えない。むしろ神聖。」
日本人の方。切れないで欲しい。琵琶湖の広大さを彼女がナイアガラの威力的迫力と比べてしまったが故の過ちなのだ。
しかも異世界には転移できそうにないとこき下ろした。
○メ○カ人死すべし!クソデブ樽女!
などと言わないであげて欲しい。彼女は奔放なのだ。たぶん。きっと。
「しょぼいやま。全体を一つの山って言い切ってるだけのような。」
グランド・キャニオンと比べている。
彼女に悪気は無いんだ。本当だ。
「霊験あらたかとは聞いていたけど。」
三途の川。地獄。どれも心に響く光景ではあるのだが異世界に行けそうとは思えない。どちらかというと、自分の心が浄化されてしまいそうだ。
そのまま浄化されてしまえ!この樽女!おっと失礼。日本人なら本音と建前は分けて頂きたい。
え?≪異世界じゃないじゃん≫≪真面目な語りウケるw≫≪異世界詐欺www≫ってお前らなあ、一応初心者いるんだからやめれ!コレはあれだ。プロローグ的な何かだ!たぶんだけど。
≪サス草職人www≫≪脳内行けなかったorz≫なんででしょうね?なんかはじかれました。彼女の脳内でサプライズ草生やしを準備してたのに。
って感じで未編集作品で申し訳ないおw
11月まで投稿する気は無くて、活動報告で書いた通り続編なんだけど。
あくまで別物となってしまった結果編集面倒で誤字とか直したレベルです。