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飛び切り大きいのがいい

作者: 井村吉定

あらすじに記載いたしましたが、本作は以下作品の続編となっております。


『NTRでも、BSSでもないのでノーダメです』

https://ncode.syosetu.com/n4165hl/

「ねえ、仁くん。もうすぐあの日なんだけど、どんなのがいい?」


 デート中に恋人から訪ねられ、一体なんのことなのかと首を傾げる。


「あの日?」

「もぉ、鈍いなぁ。最初にチが付いて、最後にコが付くものを恋人にあげる日のことだよ」


 ああ、そう言うことか。


 季節は冬。1月を通り越して2月のイベントと言えば、バレンタインデー。


「飛び切り大きいやつがいいな」


 今まで何人も恋人がいたのだが、彼女達は手作りということに拘って、育ち盛りの男子を満足させる量のチョコはくれなかった。


 俺は何気に甘いものが好きだ。スイーツに関して言えば、俺は質より量を求めるタイプだ。


「わかった。大きいやつね」


 望ちゃんは今までの恋人と違って、男の気持ちを人一倍理解してくれる。どんなチョコをくれるのか楽しみでしかたがない。




 だが、俺はこの時望ちゃんの言葉を本当の意味で理解しておらず、後になって自分の発言を大いに悔やむことになった――。




 バレンタイン当日、望ちゃんの家でのデート。しかし彼女は、俺に甘えてくるものの、一向にチョコを持ってくる気配がない。


「望ちゃん、そろそろ大きいやつが欲しいんだけど……」


 いてもたってもいられなくなり、望ちゃんにチョコを急かす。


「きゃ! 仁くんったら、まだ暗くなってもいないのに、もう始めたいんだ。しょうがないなぁ~」


 望ちゃんはそう言うと、自身が纏っている服に手をかけた。


 そして露になる。彼女――いや彼の飛び切り大きいアレが。


 望ちゃんはこれ見よがしに、俺にそれを見せつけてくる。


「ねえ、おっきいでしょ? お父さんのアカウント使って、ネットでアレがおっきくなる薬買ったんだ」


 え? ちょっと待て! どういうことだ!


 ――――――。


 不意に望ちゃんが言っていたことを思い出す。


 最初にチが付いて、最後にコが付くもの………。


 あ。


「今日はお父さんもお母さんも家にいないの。だから、いっぱい愛しあえるよ!」


 や、ややややめてくれ!

 俺のケツはもう限界なんだ!

 ただでさえ大きいのに、さらにパワーアップしたアレが突っ込まれたら穴が裂けちまう!


「フフフ、楽しもうね♥️」


 ぎゃあああああああああ!!




 ★★★★★




「はあ……」


 バレンタインだというのに、僕はクラスの女子から義理チョコすら貰えなかった。


 ショックの余り、宿題が思ったように進まない。テキストに載っている文字が、まるで暗号のように見えてしまう。


「うぅ……」

「!!」


 一人寂しく部屋に籠っていたら、不意に呻き声が聞こえてきた。


 もしかして幽霊? なんて思ったけど、声は隣の家から発せられているものだと気付く。


 そういえば、望と元木くんは今日はバレンタインということでお家でデートしているらしい。


 じゃあ、あの声は……。


 その日、僕は笑いすぎて宿題ができなかった。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] URLを教えてほしい、すぐ注文したいです。
[良い点] なんだかんだ言いながらもしっかり受け入れてるあたり、おもろすぎますねw 前作主人公くんは相変わらず蚊帳の外w
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