序章
丸メガネ、黒髪の少年。
背は小さく、服装は現代社会には違和感溢れる着物姿。
服装を除いて、ごく一般的な普通の少年だった。
どちらかと言えば地味に近く、真面目な男なのだろうと
偏見できる。
少年は、周りの視線を気に止めることなくさびれた商店街を
歩いていた。
彼の表情は憂鬱が浮かんでおり、周りに聞こえない声で
呟いた。
「…はぁ〜。今日も学校ですか…。学校なんて
行くべき所じゃないでしょうに。えぇ、そうです。」
見た目に反して真面目というポテンシャルは持っていないようだ。
その姿は、よくいる学生となんら変わりは無い。
ますます彼の個性が消滅しつつある中、彼は商店街の
地味な横道に急にすり抜ける。
いつの間にか、少年に興味をなくした周りの人間は
彼が急に横道に入ったことには気づかなかったようだ。
商店街を抜けた先には、急な坂に出た。
あまりに急で、普段運動していない人間ならば
直ぐバテるだろう。
しかし、少年はスイスイと慣れた様子で坂を上る。
坂の先には森が広がり、この先にも厳しい道が続くこと
を嫌でも察せれる。
少年が森に入り、進んでいくと古き良き日本の大屋敷が
広がる場所につく。
「はぁ、やっと着きましたよ。」
やれやれとポーズを作りながら躊躇いなく少年は
屋敷の中に入っていった。
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あなたは、神様を知っているだろうか。
人は、神様を称える。
それはどの国でも共通であり、人々の繋がりでもある。
では、神様見習いが居ることはご存知だろうか。
人々を幸せにする存在の見習い。
一部では神の使いとも呼ばれる。
特別な力を使い、人々の手助けをする。
彼らもまた、崇められる存在である訳だが、
そんな彼らは意外にも"楽しい"学校生活を送っているようで…。