表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

沢山の墓標の中で

作者: 朝焼 悠

僕の中には

沢山の後悔が

墓標のように

並び立っている


例えばこれは叶わなかった夢の一つ

幼い頃に憧れた漫画の主人公

彼みたいな超人になりたいと願ったまま

いつの間にか忘れて散っていった

夢の一つ


例えばこれは叶わなかった初恋

受け取ってすらもらえず

笑って無かった事にされてしまった

悲しさだけが残った想い


笑われたから見返したいと

馬鹿にした奴をいつか見下したいと

真っ黒に燃えていた

復讐に似た炎も そうだ


そうやって叶わなかったもの

足りなかった努力や研鑽と共に

僕は埋めた


暗い部屋の中

たった独りになって

何もできなくなってしまった僕は


思い出とも呼べない過去に

一つ一つの名前を刻んで

忘れないように


その時間があったからこそ

僕は自分の程度を理解できたんだ

吐き気しかなかった日々の中

自分にはこれら全てが

過ぎた希望と夢だったと

思い知って


だから今の僕があるんだ

ようやくここまで戻れたんだ


もう夢や希望は持てないよ

僕が持ったらまた

てんやわんやした挙げ句

自分の中の墓標が増えるだけだから


僕の中には

沢山の後悔が

墓標のように

並び立っている


ただ唯一

その一角に

掘りっぱなしのままになった穴があって


もう名前も刻んであるのに

深さも十分足りているのに

あとはそこへ放り込むだけなのに


今日までを

曲がりなりにも生きてきて

もう手放せないのだろうと悟ったそれと

あとは倒れ込めばいいだけなのに


それすらできないでいる僕は


まだ懲りずに

望んでいるみたいだ


僕はまだ望んでいるみたいだ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ああ、なんかこれは。判るような気がします。 手離せないもの。最後に残ったもの。 きっとそちらの方からは、自分を裏切らないもの。 裏切るとしたら、自分の方からだから…
[良い点] そのまま、地球の反対側まで 掘ってしまいなさいよ
[良い点] >僕はまだ望んでいるみたいだ 僕も…まだ…望んでいる…みたいだ…。 最近…創作…する…気力が…ない。 けれど… やっぱり…それは…あって… 火葬したはずのそれ… ふわふわと… …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ