沢山の墓標の中で
僕の中には
沢山の後悔が
墓標のように
並び立っている
例えばこれは叶わなかった夢の一つ
幼い頃に憧れた漫画の主人公
彼みたいな超人になりたいと願ったまま
いつの間にか忘れて散っていった
夢の一つ
例えばこれは叶わなかった初恋
受け取ってすらもらえず
笑って無かった事にされてしまった
悲しさだけが残った想い
笑われたから見返したいと
馬鹿にした奴をいつか見下したいと
真っ黒に燃えていた
復讐に似た炎も そうだ
そうやって叶わなかったもの
足りなかった努力や研鑽と共に
僕は埋めた
暗い部屋の中
たった独りになって
何もできなくなってしまった僕は
思い出とも呼べない過去に
一つ一つの名前を刻んで
忘れないように
その時間があったからこそ
僕は自分の程度を理解できたんだ
吐き気しかなかった日々の中
自分にはこれら全てが
過ぎた希望と夢だったと
思い知って
だから今の僕があるんだ
ようやくここまで戻れたんだ
もう夢や希望は持てないよ
僕が持ったらまた
てんやわんやした挙げ句
自分の中の墓標が増えるだけだから
僕の中には
沢山の後悔が
墓標のように
並び立っている
ただ唯一
その一角に
掘りっぱなしのままになった穴があって
もう名前も刻んであるのに
深さも十分足りているのに
あとはそこへ放り込むだけなのに
今日までを
曲がりなりにも生きてきて
もう手放せないのだろうと悟ったそれと
あとは倒れ込めばいいだけなのに
それすらできないでいる僕は
まだ懲りずに
望んでいるみたいだ
僕はまだ望んでいるみたいだ