~新感覚ゾンビサスペンス~
初投稿作です。
〇会社・主人公の職場(夕方)
職場の同僚や後輩と和気あいあいとしゃべりながら仕事をしている
筒井祐樹(26)、その様子を見ている立見一郎(26)、ナレーション
立見「僕の名前は立見一郎。あそこでペチャクチャ喋っているのは筒井っていうやつなんだけど、僕はあいつが死ぬほど嫌いだ。」
部長、社員たちに今年の優秀社員賞を発表する
部長「今年の優秀社員賞には、筒井が2度目の受賞だ。筒井は入社して2年目だが成果を
出している。年下だろうと年上だろうと彼を見習って仕事をしていこう。ちなみに
準優勝社員賞は立見一郎だ。彼のまじめに仕事を行っていく姿勢も皆参考にするように。」
立見「準優勝なんて嬉しいわけがない。あいつの気取った顔が本当に鼻につく。
あんな適当にペチャクチャ喋ってるやつに負けているということが屈辱だ。」
〇会社・職場(午後6時)
定時になったので筒井が帰る
筒井「それではお先に失礼します。」
部下(男)「先輩彼女ですか~。」
筒井「違う違う。奏とは明日。今日は特に何もなし。」
部下(女)「定時退社いいなぁ。どうやったらそんなに早く仕事が終わるんですか?」
筒井「業務時間に仕事のことだけを考えとけば案外すぐ終わるよ。」
部下(男)「でも先輩仕事中ずっと喋ってたじゃないですか」
筒井「ああ、ばれちゃった。まあ要領が皆よりちょっとだけいいんだよ。あんまでかい声で
言ったら嫌味に聞こえるから言わないけど。」
立見「充分でかいんだよタコ!」
部下(男)「まあお疲れ様です」
部下(女)「明日頑張ってください」
筒井「明日のことはまた明日に言えよ。じゃあね。」
立見「本当にむかつく野郎だ。あの頓智気やろうが」
上司(男)「立見君、この資料コピーしといて」
立見「あっはいわかりました。」
〇電車・椅子の上(午後6時半)
おばあさんが乗車してくる、筒井席を譲る、おばあさんは別にそこまで座ろうとしてない
筒井「おばあさん。よかったらお座りください。」
おばあさん「ああ、ありがとうございます。でもすぐ近くの駅で降りるから大丈夫ですよ。」
筒井「まあまあせっかくなので座ってください。」
おばあさん「そんなに疲れてもないので、本当に大丈夫ですよ。」
筒井、圧を感じる笑顔で話しかける
筒井「おばあさん。人の善意を拒むというのは僕はどうかと思うんですよね。こんなこと
いうのもどうかと思うんですが、ご老人には電車で席を譲るのが若者のマナーで、ご老人は譲られた席に座ることがご老人のマナーだと思うんです。そのマナーの流れを崩すのはやめてもらっていいですか?」
おばあさん「ほっ本当にごめんなさいねぇ。わざわざ席を譲ってくれたのに座らないなんて
失礼だわね。ほっ本当にありがとうございます。」
筒井、笑顔で会釈して、おばあさんの前に立っている
同じ車両の近くで見ていた女子高生、小声で話す
女子高生A「ねえ、あの人ちょっと怖くない?」
女子高生B「そう?おばあさんに席譲ってていい人じゃん。それにイケメンだし」
女子高生A「そうだけど、なんかね・・・。」
〇駅から筒井の住んでるマンションまで
笑顔で帰っている筒井
〇筒井のマンション・リビング{年収800万ぐらいが住んでそうな家}(午後9時45分)
筒井、彼女の井口奏(26)と電話で話している(九時半から話してる)
筒井、つまみにナッツを食べてビールを飲みながら電話している。
井口「加奈がね、来月結婚式挙げるみたいだよ。一緒に行く?」
筒井「あーどうだろ。もしかしたら仕事入ってるかも」
井口「いつも家でゆっくりビール飲めてる人が、どうして大学のときの友達の結婚式には
いけないんですかねぇ。」
筒井「おいおい。俺だって仕事はいっぱいあるんだぜ。いつも早く終わるからビール飲めてるだけで。残念ながら仕事です」
井口「フーン、てっきり元カノの結婚式には顔を出せないみたいなしょうもない理由だとも思っちゃった。」
筒井「あらあら、知ってたのか」
井口「サークルのときの様子と加奈の話題振った時の反応から大体わかってたわよ。
本当男ってそういうとこ気にするわね。こっちは全然期気にしないのに。」
筒井「男っていうのはそういうもんなんだよ。」
井口「サークルのメンバーもどんどん結婚していくわねー。あぁ、私はいったいいつ
お嫁に行くのかしら?」
筒井「そう遠くないよ」
井口「・・・。楽しみにしとくわ。」
井口「しかしサークルのメンバーで結婚してないのは私と祐樹と立見君と・・・。」
井口「そういえば、立見君はどうしてるの。元気そう?」
筒井「今日準優秀社員賞もらってたぜ。あいつは昔からあんま変わってないなぁ。」
井口「大学のときからずっとまじめだもんね。」
筒井「あいつはちょっとなぁ。」
井口「どうしたの?」
筒井「いや、なんというか色々残念な奴だなあって。」
井口「どうして?」
筒井「大学のときからだけど、あいつはものすごく努力家の割には
うまくいってないなぁって思うのよ。テニスなんてやったことないのになんか
知らねえけど入ってきて、よく怪我したりしてたじゃん。初心者からあそこまで成長した
のはすごいと思うんだけど、そもそも大学のサークルっていわばお遊びみたいな
もんじゃん?その中であんなに一生懸命やられてたから正直困ってたんだよ。会社でも
毎日残業して仕事頑張ってるのはいいと思うけど、要領が悪いんじゃないかなと
思うんだよね。あいつは頭もいいし、結果も出してるけどもっとできるんじゃないかなと
おもうんだよなぁ・・・。」
井口「ねぇ祐喜。」
筒井「ん?」
井口「あんた何様のつもり?」
筒井「どうしたんだよ?」
井口「頑張ってる人のことをそんな風に見てるのあんただけよ。」
筒井「おいおい、おれはあいつがもっとうまくやれるんじゃないかなって言っただけで」
井口「それが嫌な感じって言ってんのよ。いや別にアドバイスするのはいいと思うし、
祐樹が言ってることも正しいとは思うよ。でもなんというか見下してるような言い方に
聞こえるのよ」
筒井「はぁ?別に見下してねぇよ。あいつは今でもすごいやつで努力家だけど、もっと
要領よくなればもっとできるようになるって言ってるだけだ。」
井口「それはわかるけど、なんか見下してるように聞こえるのよ。大学のときも
なかなかうまくならない立見君を小ばかにしてるような感じだったし、
会社でもそんな風にふるまってるんじゃない?」
筒井「そんなズルズル大学生のまま生きてるわけないだろ。どちらかと言ったら立見のほうが大学生のときから負のオーラひきづってる感じだけど」
井口「ほらまた言った。絶対無意識のうちに立見君のこと馬鹿にしてるよ。そういうところが昔からよくないのよ。」
筒井「そうかなぁ?」
井口「そうよ。絶対そう。サークルのみんなもあんたに対してたまにイラっとするって 言ってたわ。絶対直した方がいいわよ」
筒井「わっわかったよ。次からちょっと意識するようにするよ。」
井口「OK!まぁ立見君もちょっと神経質っぽいところもあって、自分から言ってきたり
しないところあるから空気読むのが苦手な祐樹とは相性悪いかもね。」
筒井「そうかなぁ。あいつとは結構仲良かったと思うけどな。よく一緒にいたし。」
井口「それは私もいたからでしょ。それに立見君あんたのこと明らかに嫌いだったわよ。
そろそろ性格変えないと殺されちゃうかもよ~。」
筒井「おいおい、あいつがそんなことするわけないだろ。だいたい・・。」
エントランスにつながってるインターフォンが鳴る
井口「あっ宅急便?」
筒井「たぶんそうだと思う。ちょっと待ってて。」
筒井、インターフォンを取りに行く
筒井「はい」
宅急便?「丸渕眼鏡の宅急便です。ご注文の荷物をお届けに来ましたー。」
筒井「はーい」
エントランスの扉を開ける、再び井口と電話
筒井「やっぱり宅急便だったわ。」
井口「あぁそうなの。じゃあちょうどいいし電話終わろっかな。」
筒井「OK!」
井口「じゃあとりあえず明日から人を無意識のうちに馬鹿にしない・自分の考えが絶対だと思わない・人を敬い尊敬することを頑張ってね。」
筒井「俺そんなに悪いやつだと思わないけどなぁ。」
井口「そりゃ祐樹は優しいけど、なんというか自分ができすぎてできない人のことがわからないんじゃない?」
筒井「うーん。そうかもしれないなぁ。まぁ明日から意識するよ。」
井口「意識すればできるようになる!!頑張って!!。じゃあ明日は8時に私の家で
集合で。」
筒井「OK。じゃあね」
井口「バイバーイ」
井口との電話を切る、宅急便が来るのでハンコを取りに行く
筒井「(なんか頼んだっけ)」
筒井、最近何か注文した記憶がないので、なんで宅急便がやってくるのか少し
不思議に思う、だがそれ以上気にしなかった
「ピンポーン」
玄関につながってるイヤホンから音がしたので玄関に向かう
〇筒井のマンション・玄関(午後10時5分)
筒井、玄関を開ける、玄関の前には宅急便?の人がいた
宅急便?「すいません。印鑑押してもらってもいいですか?」
筒井「はい。」
筒井、印鑑を押す
宅急便?「ありがとうございました。」
筒井「ありがとうございます。」
ドアを閉めようとすると、宅急便に阻止される
宅急便?「まぁまぁ。そんなにすぐ閉めなくてもいいじゃないですか。
どうせあなたは今から私に殺されるぐらいしか用事がないんですから」
筒井、急にそんなことを言われたので振り返ろうとした瞬間、すかさずナイフで
背中を刺される
宅急便?「本当に何から何までムカつく人だなぁ。こんなにむかつく人は多分これから
出会うことがないだろうなぁ。そう思うとなんだかとっても惜しいことをしているような気もするなぁ。」
筒井「おっおまえはっ?」
宅急便?「いやだなぁ。僕ですよ。大学時代からの付き合いのあなたの大親友の立見一郎
ですよ。」
筒井「やっぱりお前かっ。立見」
立見「あっ気づいてたんですか。さすが筒井君だなぁ。どうしてわかったんですか?」
筒井「俺に恨みをもってそうなのなんてお前ぐらいしかいなさそうだからな。
その恨みもカスみたいなちっさいことだしな。」
立見「そうですか。どうせもうすぐ死ぬ虫けらに何を言われても特に何も思いませんね。
筒井君、君の人生というゲームは残念ながらここで終わってしまいました。
次があればなんですがまた頑張ってください。僕は応援しています。」
筒井「うるせーよ。今すぐお前を殺してやる。」
立見「あっそうそう。僕のナイフ返してもらいますね。あれお気に入りだったんです。」
立見、筒井の背中からナイフを抜き取る
筒井「あぁっ」
立見「じゃあ筒井君。お元気で。次に会うのはお葬式ですね。さようなら。」
立見、ドアを閉める
筒井「まっ待て。」
筒井、声が出なくなる
筒井「(畜生。あんな奴に殺されて終わるのか、俺の人生。いやだいやだいやだいやだ。
絶対に復讐してやる。絶対に、絶対に復讐してやる。絶対に、絶対に、絶対に。・・・。」
立見が来てから7分後、筒井祐樹、出血多量により死亡。
〇筒井のマンション・部屋の廊下(4時)
筒井、目を開ける、声を出すことも苦しい
筒井「うぅ・・・。ぐぇ、がはっ(えーっと、なにがあったんだっけな?確か立見に背中を
刺されて、そのあと・・・。)」
筒井「・・・まぁ生きてただけましか・・。」
筒井、床に大量の血があふれていることに気づく
筒井「これが全部俺の血と考えると何とも言えないな。」
筒井、なぜ背中が痛まないのか不思議がる
筒井「(あんなに深く刺されたのに何で痛まないんだ。)」
筒井、体を動かそうとするが全く動かない
筒井「んっおっかしいなぁ。全く動かない。いったいどうなってるんだ?」
筒井、匍匐前進で何とか風呂場まで行き、給湯器の温度を50度に設定する、
服を着たまま風呂に入る、お湯は血だらけになる
筒井「・・・こんなに湯舟が血だらけになる光景なかなか見れないな。」
筒井、体があまりに固いのでマッサージを行うことにする。
筒井「まるで鉄みたいに関節が固いな。いつも風呂上りにはストレッチを欠かさないのに。」
筒井、足を特に入念にストレッチして何とか風呂場から脱出、服を取りに
寝室に向かう、服を中々着ることができず、パンツやズボンを履こうとして転んだり
シャツを着ようとしても肩の関節がうまく回らず、なかなか着られない
筒井、服を着れた後にご飯を食べにキッチンに向かうが、ご飯をいっぱい食べれる
ほど口を大きく開けられない。口を手で無理矢理明けてから詰め込む
筒井「うぅ、きっ気持ち悪い・・・。口の中がざらざらしてて、砂でも食ってるみたいだ。
いったい俺に何があったんだ?」
筒井、天井を見上げる
第一話 終
この作品は元々脚本の公募に応募しようとしていたため、読みにくかったら
ごめんなさい。
連載していくつもりので、よかったら続けて読んでみてください。
ブログもやってるのでよかったらご覧ください。http://pinokki.livedoor.blog/