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偽物聖女の想い人  作者: 星野 優杞
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聖女のティータイム

アオイ様曰く、アオイ様は自称人見知りなので侍女には仕事はしてもらうけど出来るだけプライベートには立ち入らせたくないとのこと。


「あの、私は?」

「クレハは侍女だけど先生だから良いんです!」


アオイ様がそんなことを言い張るせいで私とアオイ様は2人っきりになることが多くなりました。


「お茶は私が淹れますから!!」

「クレハのためなら私が淹れてあげるのに。」


残念そうにしているアオイ様は放置してお茶を入れます。一応名目上は侍女なのだからこれくらいはしなくては。


元聖女の私の家事スキルはそこまで高くないです。それでも聖女時代、お付きの侍女の皆さんがほとんど働いてくれなかったので自分で最低限出来るようになりましたが。

え?少しでも出来る方がむしろおかしいって?そんなー。


……とにかくアオイ様にちょっとでも美味しく飲んでもらいたいから、ほんの少しだけ魔力で茶葉のうまみを抽出できるようにしています。魔力の有効活用です。私の魔力で茶葉に、美味しくなってねとお願いをしておくのです。


そんな2人きりのお茶の時間が、最近少し楽しいのが困りものです。

出来るだけ早く、保護者の元に身を寄せなければならないのに。




「クレハ。はい、あーん。」

「うう……またですか……。」

「お菓子、食べたいでしょう?」


何故かアオイ様は私に手ずからお菓子を食べさせたがります。私はアオイ様より背が低いから小動物にエサを与える気分で楽しんでいるんでしょうか。


アオイ様に促されて開いた口に砂糖菓子が入れられます。ホロリと解けるように消えるお菓子は多分高級品でしょう。


「次は私にも食べさせてください。」

「だから他人に食べさせてもらうのは本来危険なんですよ。」

「お互い聖女になりえる魔力を持っているんですよ。お菓子が毒入りでも、どちらかが毒を仕込んでも魔力での解毒くらい楽勝でしょう。」


月の魔力や私の魔力には回復や、状態異常回復の効果もあります。魔力を込めると毒物も無害な成分に分解されるのです。

……注意しておいてなんですが、なんだかそう言われると信頼されていないみたいで少し微妙な気持ちになります。そう思って


「私は毒を盛るつもりはありません。」


とちょっとだけ拗ねた口調で言ってみます。するとアオイ様は笑顔のまま


「知ってますよ。だからあーんしてください。」


と口を開けました。

……嵌められたような気がしなくもありません。ほんのり桃色の薄い唇が、はしたなくない程度に開かれて、垣間見える白い歯や、舌が何とも艶やかで……


「どうぞ。」


なんとなく目を逸らしながら、私はアオイ様の口に砂糖菓子を詰め込むように入れました。


「?!」


そこで私は驚くことになります。なんとアオイ様は唇で砂糖菓子を挟み、砂糖菓子を詰め込もうとしていた私の手首をつかんだんです。


(意外と!力が強い!!)


テンパりながらアオイ様を見ると、アオイ様はジッと私の目を見ていました。その瞳はどこかギラリとした光を含んでいて、そして目を合わせたまま砂糖菓子を私の指ごと、口に……


「ダメです!!」


流石に看過できません!!

私は魔力も少し使ってアオイ様の手を振り払いました。失礼に当たるかとも思ったけれど、アオイ様は笑みを浮かべたまま。

砂糖菓子をかみ砕いて飲み込んだアオイ様は言いました。


「惜しかったんですが。」

「惜しくないです!!もはやアウトです!!」


とりあえず私は自分の指を死守しました。全く油断も隙もあったもんじゃありません。


気になるかも?良いかも?と思っていただけたらブックマークや評価、感想を送っていただけると嬉しいです。


次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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