偽物聖女の想い人
最終回です。ここまで読んでくださった皆様、ブックマークや評価、感想をくださった皆様、ありがとうございました。
「それに俺の兄も、サンダーソニア王国のアイカ様とそろそろくっつくだろうし、次期国王の話もあんまり気にしなくても良いと思います。」
そう言えばそんな話でしたよね!!病弱で気弱なお姫様がサルビア王国の王様と恋人だとかなんとか。
納得していると保護者が私をそっと床に立たせました。え?なぜ?
目の前にはアオイ様。本当に綺麗で、たまにかわいい人。
私より身長も手も大きくて、たまに声が低かったり、お菓子を食べさせたがったりするけど、あんまりいい思い出が無かったこの国から離れづらくなってしまった原因。私も楽しかったです。私だって、できるなら……ずっと、一緒にいたいです。
アオイ様が恐る恐るといった風に手を伸ばし、私の手をとります。壊れ物を扱うみたいな優しい動きに、なんだか目と鼻の奥が熱くなる気がしました。
「大丈夫です。怖いくないですよ。」
頑張って、笑顔で言います。だって本当に怖くないですから。
「クレハ、俺は」
「はい。実はですね、アオイ様。私もアオイ様が好きですよ。」
私は月の魔力を持たない偽物聖女で、アオイ様も男性で偽物聖女ですが、お互い聖女である前に1人の人間で、クレハとアオイとしてお互いを好きになりました。
私たち、お互いに偽物聖女の想い人だったんですね。
アオイ様がその長い髪を切って、コランバイン王国に手紙と一緒に残すことになりました。髪には魔力を宿しておけるので、アオイ様がいなくなったことをしばらくはごまかせるだろうとのことです。
手紙にはコランバイン王国を守るために死にますみたいな内容を書いて、命を懸けて国に結界を張ったので100年くらいは結界がもつだろうと書きました。実際私が国中に魔力を流していたのでそれくらいはどうにかなるはずです。
その間に次の聖女を見つけるか、聖女がいなくても国を守れる体制強化をしてくれると良いと思います。
後これで王子は好きな人と好きに結婚できますね。ラッキーですね!
あんまりいい人だとは思いませんが、すごく苦しんで欲しくも無いので適当に私の知らないところで幸せになってくれればいいと思います。
そして私は
「うんうん。いいお嫁さんを見つけたんだな。クレハさん、アオイをよろしく頼むよ。」
「そうなると私がお姉さんでいいんでしょうか?お星さまの魔力なんて可愛い響き!とっても素敵ね!私の魔力はお月さまなの。仲良くしましょうね。」
サルビア王国の王様とお后様に何かとっても歓迎されていました。
あれ?何かサルビア王国の皆さんってもっと、笑顔のアオイ様みたいに腹黒くて狡猾なイメージがあったんですが?
いや、アイカ様はサンダーソニア王国の方ですが、それにしてももっと気弱なイメージだったんですが……。
思ったよりも人懐っこくぐいぐい来ますね?!この方達!!
「兄さん、アイカ様。そろそろ離れてください。今日は城下町に焼き肉を食べに行く予定なんですから。」
髪を切ったアイカ様も男性らしさが増して、これはこれで美しいんですが、何というか……。
「かっこいいと言っても別にバチは当たらないと思いますよ。」
「心の声を口に出すのは止めましょう?」
ちなみに保護者は私についてきました。今はサルビア王国で私の警護とか、隠れ家の維持管理をしています。実家に帰りたくなったらいつでも隠れ家に行けばいいとのことです。
心強いですね!流石保護者です。
「じゃあ行こうクレハ。」
「はい!アオイ様!」
元偽物聖女な私たちはこうして、アオイとクレハという一人の人間として生きていくことになりました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!
年末年始に何か書こうと思って一度は書いてみたい聖女物を書こうと思い……なぜかこんなことになりました。以前言っていた異世界転生物は一度ボツになってまた練り直しています。それより前に他の作品の方が書きあがりそうな気がしています……。
また今年中に新しい作品を書きたいと思うので、その時お時間があれば、また是非お付き合いいただければと思います。
皆様の今年が良い一年になりますよう願っています。ありがとうございました。




