元聖女の役割がわかりました
昨日まで聖女だったけれど、今日からは元聖女。
そして……私は新しい聖女様の侍女になりました。
……どうしてこうなった?
「クレハ……さんでしたっけ?私まだ聖女としての月の魔力の使い方が上手くないの。良かったら教えて下さらない?」
「クレハで良いです。えっと……。」
新しい国に来て、新しいことを覚えるのは大変でしょう。アオイ様も苦労人ですね。出来ることなら協力してあげたいです。
この城に引き留めやがってとか……ちょっとしか思ってませんよ?
まあ、私の月の魔力は偽物なので出来ることはきっと限られていますが……。
「私に出来ることでしたら……。」
「ありがとう!!」
アオイ様は笑って、両手で私の手を包み込んできました。
「ひぇっ。」
恐れ多いというか、距離が近いというか、良い匂いがするというか!キラキラしい!!めっちゃ眩しいです!!
手に触れられてテンパってしまった私にアオイ様は微笑みます。とびっきりの笑顔です。私はその笑顔に軽く目を回してしまいました。
でもこれで一応アオイ様が私を欲しいと言った理由が分かりました。元聖女の私を家庭教師的なものにしたかったのでしょう。
「偽物の癖に偉そうに。」
「あなたに教えられることなんて無いに決まってるわ。」
他の侍女の皆さんのいうことは聞き流すことにします。まあ、事実な部分もあると思いますし。
きっと私にアオイ様に教えられることなんて殆ど無いでしょう。わざわざ他の国から来てくれたんですから。多分超優秀なはず!
……そんなことを考えていた時期が私にもありました。
アオイ様は月の魔力が感知できる人からしたら溺れそうなほどの魔力を持っています。
ですが……
「アオイ様は魔力を抑えないんですか?」
「魔力を抑える?」
基本的なことが出来ていなかったり
「あら、机が消し飛んだわ。」
「ひぇっ。」
何故か浄化の魔法で物体が破壊されたり
「窓ガラスがなくなったわ。」
「存在消滅?!」
その溢れる魔力ゆえに色々不具合が生じていました。
それに対応できる普通の人間がそうそういるわけはありません。私の仕事は基本的に魔力に関する問題になりました。対応できるのが私しかいないせいか、侍女たちは不服そうにしながらも私の存在を認めるようになりました。
まあ元々物理的な害は無いんですけどね。一応周囲に自分に害が及ばない結界を、気付かれないように張ってますので。私に物理的に何かしようとすると何故かできなくなるっていう効力があります。一応聖女なので……いや、今は元ですけどまあ天罰だとでも思ってくださると良いと思います。でも流石に精神的な悪口とかは止められません。物理的に封じたりしたら魔女とか言われそうですし。
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