保護者が語るには
保護者が来て落ち着いた私とは逆に、今度はアオイ様は混乱しているようです。
私としてはアオイ様が話の続きをする前にここから立ち去りたいんですが。
私が保護者にそうお願いしようとする前に、保護者が口を開きました。
「ああ。お前が、星が見た月なのか。」
「「え?」」
「まあ、良い。それなら一応少しは話を聞いてやろう。私はこの国の前教皇。現在はクレハの保護者として、クレハの隠れ家の製作と維持管理をしている。」
保護者が勝手に話を始めてしまいました。
「情報過多!!」
アオイ様が何か叫んでいますが、私としては問題はそこではありません。
「教皇様、私は」
「私は彼を間接的に知っています。それが泉に映った月であろうとも。あなたが後悔する選択を、私はしたくはありません。」
それは、どういう意味なんでしょうか。でも、保護者がこう言うなら……。とりあえず保護者に抱えられて、一定の安全性が確保されていたので渋々私は大人しくすることにしました。
「前教皇は死んだんじゃなかったのか?!」
「ああ。暗殺で死んだことにしましたね。私、見た目はこの通り20代と若いので、定年はまだまだでしたし、隠居するなら死んだことにするのが一番かと思いまして。」
ちなみに私は事実しか言ってませんよ?暗殺騒ぎでお隠れになったって。
「それにお前のその気配……。人間じゃないな。」
そこに気が付くとは流石アオイ様です。伊達に男でも聖女になれるだけはありますね!!
「その通り。私は悪魔。正直言って月の魔力を持つお前は好きじゃないんだけどな。」
「悪魔がどうして教皇なんて」
「最初はこの国を滅ぼすつもりだったからだよ。」
すんごくぶっちゃけますね。いや、私にもそんなことは言ってましたけど。
「でもそんなことをしたらクレハが悲しむだろうから止めたんだ。クレハは周りからあんなに偽物だと言われても、正真正銘の聖女だと私は思うよ。自分を認めない人間たちでも、苦しむことを望まなかった。」
アオイ様に向かって保護者は言葉を続けます。
「ちなみにコランバイン王国以外にはこんなことはしてないから安心すると良い。悪魔が国の中枢に紛れ込んで気がつかないのは、月以外への信仰を無くしたこの国くらいだからね。」
さりげなくコランバイン王国を貶めてませんか?いや、否定はしませんが。
「それで?おそらくクレハが望まない言葉とお前が言いたいことは違うと私は思っているんだが。」
「クレハが、望まない言葉?」
いきなり核心に触れられて私はビクッと跳ねてしまいます。
だって、私を見てほしいなんて。
星の魔力とは関係なく、私を求めてほしいなんて。
顔がじんわりと熱くなります。あれですかね、唐突な肌荒れ?しもやけ?え、炎症の熱さじゃないって?!現実逃避したいんです!!だって、だって、アオイ様のことが好きって認めちゃったら、アオイ様の言葉にもっと大きなダメージを受けてしまうじゃないですか!!
最初期に考えた時点では、もう少しこの悪魔で前教皇な保護者の出番が多かったのですが、ごちゃごちゃしすぎるので大幅にカットしました。……そもそも設定自体がごちゃごちゃしてるキャラですね。
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次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。




