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偽物聖女の想い人  作者: 星野 優杞
11/22

偽物聖女

こういう展開の話だったりします。

城に戻って護衛と別れます。

アオイ様は湯あみは絶対1人でするから解散か、就寝前にお茶を用意するかと思っていた時。


お出かけ用の荷物を戻していたら、アオイ様が後ろから私が向かっていた壁に手をついて問いかけてきました。

その声はこってり甘いのに冷たい。アイスクリームみたいな声。ラクトアイスでもアイスミルクでもない乳脂肪分8.0%以上のアイスクリームです。やったね!


「ねえ、クレハ。どうして魔力を流していたの?」

「ひぃっ。」


ごめんなさい。ごめんなさい。現実逃避してました。謝りますからそんな、なんか密度で窒息しそうな濃度の声で話しかけないでください!


「魔力を国全体に行き渡らせるためです!!」

「え?」


アオイ様は驚いたようです。動きが止まったみたいだからそっと距離をとって振り返ります。

アオイ様は何か難しい表情をしていました。眉を寄せて悩んでいるようです。


「えっと、クレハ。今は私が聖女なんですが。」

「あ、別に聖女の仕事とかじゃないです。私が個人的にやってることで。」

「個人的に国全部に魔力を?!」


個人的にというかなんというか、私の意志ではなくですね、保護者的な人の指示だったりしてですね。別に私が清く正しいとかそういう話ではないんですよ。

アオイ様は理解できなかったのか少し固まっています。その間に荷物の片づけをすませ


「もしかして、逃げる準備ですか?」


今度はこちらが固まる番でした。思わず息を飲みます。

動けずにいるとアオイ様がゆっくり近づいて来て


「私を、置いていくつもりですか?」


と笑いました。

お、おお……


「置いていくつもりって何ですか?!いや、私はもう聖女じゃないですけどアオイ様は聖女ですし。そもそも立場が違うじゃないですか。」


置いていくつもりとか、連れて行けってことなんでしょうか?!

いや、なんで現役聖女を連れて逃げ出さないといけないんですか?!絶対難易度上がるやつですよね。脱獄ものも単独よりグループの方が難しそうだと思うんですよ!!

そんなことを考えている私にアオイ様はにっこり笑ったまま言います。


「私、大事なものは手放さない主義なんです。」


そう言えばそんなこと、王子に言ってましたね。混乱しながらアオイ様の言葉を聞きます。


「クレハが私を置いて何処かに行ってしまうなら、私の国に無理やりにでも連れていきます。」


良い笑顔で言うことじゃありません!!

ていうかアオイ様の国って、


「え?アオイ様、コランバイン王国から出るつもりで?」

「最初からそのつもりです。あんな王子と結婚する気なんてあるわけないでしょう。」


あんな王子という部分にだけは同意します。


「魔力を国全体に流していたのは、さしづめ、コランバイン国に聖女がいなくなってもすぐに魔物が暴走したり、町に入ったりしないように……でしょう。」


その通りだったりします。アオイ様、怖っ。

実は千里眼とか持ってたりしませんよね?!


「それで、クレハ?お返事は?」

「へ、返事?」

「そう。私と一緒にクレハが行きたいところに行くか、私の国に来るか。」


選択肢!選択肢が少ないです!!アオイ様を置いて出ていく選択肢が無いんですけど!?

でも……アオイ様が私に一緒にいてほしいと願うなら……


「えっと……命の保証はあまりできないですが、一緒に来ますか?」

「行くわ!!」


即答!!

命の保証できないって言ったのに即答ですよ?!この人。

それでいいんですか?命を大事にして欲しんですけど?


「私、クレハと離れるくらいなら死んだ方が良いもの。それにクレハをそんなに危ないところに1人で送り出せるわけないじゃない。」


さらっと怖いこと言ってません?アオイ様。


「いや、私には危なくないけど、私に近づく人は危ないというか……。」

「そうだ!クレハの秘密を聞いちゃったから、私の秘密も教えてあげる!!」


アオイ様は両手を合わせて楽しそうに言いました。


「知りたくないです。」


これ以上アオイ様との共犯度を上げたくないです。もう逃げられない?そんなー。

アオイ様は私の手首を掴んで歩き出します。何処に行こうというのでしょう?

向かった先は脱衣所。


「アオイ様、いつも湯あみはお一人ですよね?」

「ええ。でもクレハにだったら良いかなって。」


私の仕事に湯あみの世話が追加されるんでしょうか。まあ、今までお茶の準備くらいしか侍女として仕事してなかったしそれくらい良いですよ!

そんなことを思っていたらパサリと服が落ちる音がしました


「……。」

「……。」


上半身裸でにっこり微笑むアオイ様。

長い髪は後ろに流れているので、体は丸見えです。わあー大胆ですね!!


「どう?」

「えーっと……スレンダーですね?」


アオイ様の体には余計な脂肪が無かった。むしろ程よく筋肉が付いていて


「ひぇっ!!」


アオイ様が私の手をとって、その、アオイ様の心臓のあたりに触れさせる。


「聖女様は見たことないですか?異性の体。」


その言葉で、私はなんかもう色々察しました。が、理解したくないので目を全力で逸らし


「下も見ときますか?」

「十分わかりましたから!!いらないです。」


アオイ様は、間違っても聖女ではありませんでした。だって、アオイ様は


「男性……なんですね?」

「はい!そうです!」


嬉しそうに答えるところじゃありません!!

こういう展開の話のなので大分タグで迷ったのですが、タグ付けたらネタバレになるし……と思って結局付けなかったという経緯があります。タイトルの偽物聖女の意味合いはアオイに対する意味合いの方が大きいです。


気になるかも?良いかも?と思っていただけたらブックマークや評価、感想を送っていただけると嬉しいです。


次回もお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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