おもちゃ箱の王様
toybox explorer 何が楽しくて 人間なんか
どいつもこいつも 死んでしまえばいい
人里離れた山奥に 人形の見つかる遺跡があった
働き者の人形を 拾ってきては直す大人達
子供の頃の僕は クモやカニばかりだと思ってた
だけど機械のあの子の瞳だけは 誰より輝いて見えた
その日からの僕は 普通の女の子なんて目もくれず
人形の見つかる遺跡に ひたすらのめり込んでいった
toybox explorer 何が楽しくて 人間なんか
好きでもないのに 付き合わなきゃならない
大人になった俺は 気づけばみんなの憧れの的
誰よりも遺跡の深層を知る ただひとりの男だった
探していたあの子も今では ありふれたジャンクパーツ
連れ帰っても採算が取れなけりゃ 迷わず頭を撃ち抜いた
人形が人形を作る古代の街 深く深く潜ればいつか
唯一無二のパートナーに 出会えるはずと思ってた
toybox explorer 誰かと同じ 人形なんか
手に入れたところで 満足できるわきゃない
同業者達はみんな 俺より先を行こうとして
激しくなる人形の抵抗に 次々と倒れていった
疲れきった落伍者達が そこらの女で妥協しても
ただひとり俺だけは あの日の夢を諦めきれなかった
だって、美人も時が経てば 腐れ果てて死ぬんだぜ?
最後の扉を蹴破ると おもちゃ箱の王様が座ってた
toybox emperor 骨だけになっても そいつは
朽ちない美女達を 左右にずらりと従えてた
むかし人間嫌いの天才が 自分だけの隠れ家を作った
人形に人形を作らせて どんどん召使いを増やした
いつしか隠れ家は広がり 人間嫌い達の理想郷となった
toybox emperor それでも上手くいかなかったんだな
わがまま小僧ばかりの街じゃ いがみ合うのも当然さ
骨だけの王様の眉間に ぽっかりと風穴が開いてた
toybox emperor 主を失っても 人形達は
孤独を認めない世界から 街を守り続けてた
おもちゃ箱の中の人生は 幸せだったかい?
俺にはとても 幸せな最期に見えないが
朽ちない美女達は 永遠の愛を与えてくれるけど
人間は時が経てば みんな腐れ果てて死ぬんだな
理想郷なんて ありはしない
toybox explorer 何が楽しくて 人間なんか
好きでもないのに 付き合わなきゃならない
toybox explorer 何が楽しくて 人間なんか
どいつもこいつも 死んでしまえばいい