パーティー買取額貢献ランキングー!4日目3
怜は中に入らず一度外へ出て荷物をおろしているゼロスフィリアに声をかける。
「フィー君、巣はカウンターで良いってー。キラービーは中の作業台だって」
「分かった。巣は俺が運ぶからレイはキラービーを頼めるか?」
「オッケー。じゃ、ここでキラービー貰える?」
ゼロスフィリアはジッと怜を見た後、怜が空間魔法付き鞄を取り出すのを待つ。
怜の”オッケー”と言う言葉はこちらの世界では無かった為、最初に使った時は不思議そうな顔をしていたが、”了解とか良いよと同じ意味で使ってる”と言うと納得してくれたが、やはりまだ違和感があるようだ。
怜は空間魔法付き鞄を渡すと、ゼロスフィリアは何もない空中で指を少し動かし怜には分からない操作をすると、空間魔法付き鞄を返してくれた。
通常中身の入れ替えは普通の鞄同様、一度空間魔法付き鞄からとり出さなければいけないが、ゼロスフィリアの場合は得意の次元魔法で一々物を出さずにゼロスフィリアの”倉庫”から空間魔法付き鞄の中へ直接移動させる事が出来るらしい。
「ありがとう。じゃ、こっちはよろしく」
つくづくチートだなと思いながら、怜は魔法付き鞄をゼロスフィリアから受け取ると、置いてあった巣の入った袋を1つ持ち再び解体屋の中へ入って行った。
怜はカウンターに巣を置いて
「残りはゼロスフィリアが持ってきますのでよろしくお願いします」
と声をかけ、さっさと作業場へ入った。
残された職員は全員嫌な予感を抱えながら自分の持ち場へ戻って行った。
♢♢♢
作業台へ全部キラービーを置くと査定をしてもらう為に職員を呼びに行く。ちょうどエギルスは他の客の接客中だったようなので、若い別の人に頼んだ。
作業台を見た職員は顔を青くさせながら
「さ、査定は明日にさせてください」
と、半泣きになりながら怜に伝え、記録カードを渡すと仲間を呼びに行った。
その様子を見た怜は、肉と皮剥ぎは今回無くなったけど、細々とした作業が増えちゃったから可愛そうな事したかなと、ちょっとだけ申し訳なく思った。
♢♢♢
ーーギルド買取カウンター。
怜とゼロスフィリアは無事に解体屋への依頼が終わると、昨日の分の査定結果の確認兼報酬を貰いにギルドの買取カウンターへ来ていた。
「こちらお願いします」
怜は昨日貰っていた記録カードを差し出す。職員は内容確認中に目を剥いたが、ここ2日で早くも慣れたらしく、特に何も言わず説明を開始してくれた。
結果、ギューギュー全96体で解体料を差し引いた今回の査定額は金貨67枚、銀貨5枚、銅貨8枚、鉄貨4枚となった。日本円で約670万円である。
今回はギューギューの暴走が突発的に発生した事もあり、個体の状態が良いものと普通な物が混在しており、1体あたりの査定額は割とバラバラであった。また、1体あたりの金額はレッドボア程いかなかったが、グレーウルフよりは高く、今回はとにかく全体の納品数が多かった為、この金額となった。
これには流石の怜も金額を聞いて嬉しそうにし、買取カウンターを後にした。
宿への道を辿りながら、怜は突然
「フィー君、これから飲みにでも行く?」
と、ゼロスフィリアに声をかける。
ゼロスフィリアはよっぽど嬉しかったのかと思いつつ言葉を怜に返す。
「もうローレンスが夕食作ってるだろう。明日か、ランク発表日にしよう」
「そーだね! そーしよう。帰ったら明日最終日の計画も立てよう」
「ん」
何処か楽しそうな足取りは変わらず、2人と1頭は宿へ帰っていった。
♢♢♢
ーー営業終了後の解体屋作業場。
職員が全員集まり静かに見ているのは怜達が持ってきたもの。
作業台3つに山盛りのキラービー。(しかも、欠損がない丸々1匹の個体が多い)
近くにはまだ袋から出していないキラービーの巣。(巣を5分の1残さず、全部取ってきてもおかしいとは思えない程の量)
試しに袋から出した巣には大量の幼虫。(これまた割と綺麗な状態)
「「「……」」」
「これを査定するのか……」
エギルスの苦虫を噛んだような声はこの場にいる職員全員の心の声だ。
出来れば解体はその日のうちにやる事をモットーにしているこの解体屋だが、物量的に無理な物は無理だ。
だが、現在ギルド主催のランキングに参加して貰っている以上、少なくとも査定はランキング集計日までにやらなければいけない。
「最終日まで駆け抜けるぞ」
「「「……」」」
エギルスの号令にその場にいた職員全員徹夜が確定した瞬間だった。
魔物の査定額計算は割と考えて実際計算して求めています。気を抜くと矛盾とか大量発生させちゃいそうなので。。。
因みに今回の常時依頼は下記な感じでした。
【ギューギューの皮】
適性ランク:C
報酬:1体につき銀貨1〜5枚
〈他部位買い取り参考価格〉
角:銅貨5枚〜銀貨2枚
肉:銀貨3〜5枚




