パーティー買取額貢献ランキングー!4日目1
ーー4日目。魔の森。
今日も良い天気である。そして、今日はゼロスフィリアのバイコーン”ブルーノ”に乗って、昨日来た林に入る前の所まで来た。
今日も早く帰る旨をブルーノに伝えると、時間が勿体ないとばかりに走り去って行った。
怜とゼロスフィリアはそっと林の中に入って行くと早速、偵察蜂がいた。そう、昨日のギューギューの大暴走の原因はどうやら、蜂の魔物である”キラービー”らしいのだ。
林の奥にちょうど大きくなりはじめている巣が出来ているようで、巣の周りに魔物の遺体が残っていた。
因みに、このキラービー見た目はスズメバチのようだが、大きさが違う。1体30センチ前後と、規格外の大きさだ。
そして、このキラービーの毒嚢が適正ランクCの常時依頼、キラービーの巣が適正ランクAの常時依頼としてある。
キラービーの毒嚢は色々な解毒剤の原料となり冒険者には欠かせないものである為、常時依頼に設定されている。またキラービー単体であれば、それ程強い訳では無いので、大体は数匹の偵察蜂のみをおびき寄せ討伐する事から、適正ランクCとなっている。
キラービーの巣については、蜜がとても美味しいのだ。嗜好品としては勿論、疲労回復や免疫力向上等にも役立つ事と、やはり1体1体強く無いとは言え、巣を取る為には大量のキラービーを相手にしないといけない事から難易度は跳ね上がった適正ランクAの常時依頼となっている。
作戦としては、巣の近くまで行って、粗方キラービーが出てきた所、ゼロスフィリアの”コキュートス”で一気に殺してしまう予定だ。
因みに”コキュートス”は怜の誘拐事件の時に誘拐犯達を凍らせた魔法だ。凍る範囲とどの位凍らせるかを指定出来るようで、水魔法も併用しながら使うと氷の柱の中に閉じ込めてしまう事も出来るし、対象の温度だけを急激に下げ見た目はあまり変わらず凍死させる事も出来る。ただ、相当魔力を使うらしく、よっぽど魔力がある人でないと発動できないだろうという事もあり、ゼロスフィリア自身この魔法の存在は知らなかった。当然、魔法名なども不明な為、怜が転移前の世界で読んでいた本に似たような技があったので、その名前を伝えた所ゼロスフィリアもこの名前で呼ぶようになった。
またこの魔法は魔力の問題だけではなく、発動までに時間がかかる点と、練度が足りないせいか最初からそうなのかは不明だが、発動してから凍死にもって行くまでにも少し時間がかかる。
と、言っても、キラービーは魔物の中でも小さい方なので、発動までに5秒、発動してから大体10秒程で凍死まで持っていけるそうだが。
「レイいいか?」
「大丈夫!」
「行くぞ」
ゼロスフィリアの掛け声と共に、ゼロスフィリアを先頭に偵察蜂へ向かって駆け出す。
ゼロスフィリアは襲ってくるキラービーを斬り伏せながら巣のある方向へ進む。
何体か偵察蜂を倒しながら進んだ所で、いよいよ本体が現れ始める。なるべく多くキラービーを巣から出しておきたいため少しの間その場で留まって、2人背中合わせになって倒していたが、キラービーの数が予想以上に多く2人で迎撃するにはキツイ。
すると、巣の方から更に多くのキラービーがこちらへ向かってくるのが見えた。
「フィー君!」
怜が声をかけるとゼロスフィリアは察したようで、怜の後ろに下がる。
「レイ絶対それ以上前に出るなよ」
「分かった!」
ここから約15秒間、怜1人でゼロスフィリアを守りながらキラービーを倒さなければならない。
ゼロスフィリアは一瞬怜に視線をやった後、魔法に専念する為、戦闘体勢をとく。
怜は襲ってくるキラービーをゼロスフィリアに近付けさせないように動き回る。
そして、そういえば、守りながらの戦闘は初めてかもと、今更ながら気がついた。
警備会社社員の時も護衛はしていたが、戦闘になった事はなかったし、実家の仕事も大抵1人でやる事が多かったし、仲間との任務でも守りながら戦うという事はしていなかったのだ。
ゼロスフィリアの元へ1匹も通してはいけないというプレッシャーと戦いながらも、自分の技量さえ有れば仲間を見捨てる事なく生きていけるんだと気がついた怜は不思議な高揚感に包まれていた。
15秒といえど、自分も襲われないようにしながらゼロスフィリアを守りながら、素早い数いる魔物を相手にするのは一瞬も気が抜けなく大変で、怜は内心ゼロスフィリアの”コキュートス”は、まだかまだかと待っていた。と、だんだんキラービーの動きが鈍って来て、遂には飛んでいたキラービーが次々に地面に落ちていった。




