パーティー買取額貢献ランキングー!3日目2
一体どれ程のギューギューが居たのか。
30分程ひたすら狩っていたらようやく終わりが見えてきた。流石に後方のギューギュー達はひたすら正面突破を目指すのではなく、左右に散りながら逃げている。
暫くすると辺りは静かになり近くには魔物の気配がなくなった。
あるのは夥しい量のギューギューの死体だけだ。
流石にひっきりなしに来る魔物を前に、悠長に空間魔法付き鞄にしまっている暇などなく、2人とも死体はそのままに戦っていたのだ。
2人はそれぞれ死体を収納していく。
最後は広範囲だが、辺り一面に広がるギューギューの血をゼロスフィリアが焼ききった。
「いやぁ、大量だったねー」
「そうだな。まだ早いが帰るか?」
「そーだねぇ。流石に疲れたしね」
本当に疲れてるのか? とゼロスフィリアは息も切らさず余裕そうな怜を見ながら疑う。
ゼロスフィリアもまだ戦えはするが、帰りのこともあるし、明日もある事を考え、1日に2人で狩る量としては十分過ぎるほどだし問題ないだろう。
「あ、でも今日はもう狩らないけど、ちょっと林の方見に行かない? ギューギューの大暴走の原因でもあるのかちょっと気になって」
「分かった」
この後の行動を決めると、少し離れた所でお昼がてら休憩し、昼食後に林へ向かいギューギューの大暴走の原因を知ることとなった。
♢♢♢
林では少し捜索して、すぐに原因が分かったので、早々に離脱し草原の方へ戻った。
いつもより早い時間でいつもの場所ではないが、ゼロスフィリアが池の近くでバイコーンを呼ぶと、ちゃんとやってきてくれた。
草原でバイコーンに乗るとそのまま、森の中もバイコーンに乗ったまま帰ることが出来た。
流石にスピードを出す事は出来ないが、それでも行きに歩いた時間の半分以下で魔の森を出る事が出来た。
あの草原に行く時は、草原に出るまで魔物もあまり出ない事から、今後バイコーンに乗って行くのもありだなと判断し、街へ戻って行った。
♢♢♢
ーー解体屋。
解体屋の中へ入ると職員達の視線が一気に怜とゼロスフィリアへ向いた。
「「「(やっぱりダメだったか……)」」」
職員達は昨日、エギルスが言った”他の依頼”という言い方だと、何かしら誤解が発生し、伝わらない可能性があるから、ちゃんと具体的に伝えるべきだとエギルスに言っていたのだ。
エギルス自身も、もうちょっと具体的にハッキリと言うべきだったか? と思いつつ、通じていることを祈ってみたものの、祈りは届かなかったらしい。
因みに昨日職員達は日付が変わるまで帰れなかった。
「今日は昨日とは別のですよ。楽しみにしててくださいね。では、並べ終えたら呼びますね」
怜とゼロスフィリアは勝手知ったるとばかりに、奥へ入って行った。
職員達は不安と期待に胸が高鳴る。確かに昨日より早い時間に来ているし、別に普通の量なら問題ないのだ。相変わらず他の冒険者は少ないし。普通の量ならばだが。
「準備出来たのでお願いします〜」
奥から怜の声がする。
そして、昨日よりちょっと長い時間がかかったような気がしなくもないけど、気のせいだと思い込み職員全員で怜の元へ向かった。
♢♢♢
ーー作業場。
「「「(……)」」」
絶句する職員に怜は微笑みながら話しかける。
「ちょっと多かったですかね?」
「「「(ちょっとどころじゃねー)」」」
職員達の心は一つになった。
広くなっている所に所狭しと並べたギューギュー。その数なんと96頭。
死んだような目になりながらも、職員はテキパキと体を動かし、頭数を数えて行く。
そして、記録カードを怜に渡すと、エギルスは職員を代表して
「流石にこの量の査定はこの時間では無理だから明日にさせてくれ。明日以降に買取カウンターへ行って貰えれば大丈夫だ」
「分かりました)
「それから……頼むからもう勘弁してくれ。暫く肉と皮剥ぎは休ませてくれ」
と、半ば泣き落としのように怜とゼロスフィリアへ言うのだった。
♢♢♢
ーー解体屋からの帰り道。
確かに考えてみれば、この3日同じような魔物(2メートル前後の魔物で肉と皮剥ぎ)ばかりだった。
しかも、客もあまり居なかった事から、本当に同じような魔物ばかりだったんだろう。
「ちょっと悪かったかなぁ」
と、怜が言うと
「いや、それが仕事なんだから問題ないだろ」
と、ゼロスフィリアが返答した。
確かにそうかもと納得はしつつ言葉を返す。
「うーん。でもやっぱり明日はちょっと動物からは離れようかな。今日のアレも納品依頼にあったよね」
「あるな……本当にやるのか?」
「せっかくだし。フィー君の”コキュートス”があれば綺麗にいけるよね? 発動まで俺が守るし」
「いや、そっちは良いんだが、回収と持ち運びがな……」
「……だめ?」
「……。……分かった。なら、今日のうちに必要なものを買いに行くぞ」
怜の見上げる視線に早々に負けたゼロスフィリアは、宿へ向かっていた体を方向転換させると、道具屋へ怜を連れて行くことにしたのだった。




