パーティー買取額貢献ランキングー!3日目1
ーー3日目。魔の森。
昨日解体屋に行った時、エギルスに”レッドボアやグレーウルフではなく、他の魔物が良いんじゃないか”と帰り際に言われてしまった為、今日は今まで行ったことがない方向へ進む事にした。
因みに昨日の収入は、レッドボアの単価はほぼ変わらず、グレーウルフは下手をする事が格段に減ったので、査定額は少し上がった。
結果、解体料を引いて残った額は金貨33枚、銀貨1枚、銅貨6枚、鉄貨8枚。それを2人で割った怜の収入は日本円で約166万円となった。
ゼロスフィリアとの連携の練習も出来て、前日よりわずかだが、収入も増えた事に怜は満足していた。
だんだん深くなっていく森に対して、襲ってくるような魔物は殆どいない。2人とも1時間半以上歩いただろうかという所で突然視界が開けた。
さっきまで、鬱蒼としていた森が嘘のように、草原が広がっていた。
「こんな草原があったんだね」
「俺もこっちには来て無かったから知らなかった」
せっかくだからと、草原を真っ直ぐ進んでいくとちょっとした池があり、主に草食の魔物がいた。
ここは魔物達の水飲み場の一部になっているらしい。
怜達が近付く相当前にブーブーが何頭か走り去るのが見えたので、本来は森の中ではなくこの辺に住んでいるのかもしれない。
ただ、この草原だと森以上に気付かれやすいのでブーブーを狙うのは難しそうだ。
池に近付くと、ホーンラビット等もいたが、日向ぼっこをしているようで襲ってくる様子はないので、こちらからもあまり近付かない事にする。
そして、その池にはゼロスフィリアのバイコーンもいた。
「ブルーノ! お前こんな所にいたんだー」
と、怜がバイコーンの方へ向けて喋ると、池の近くからバイコーンがこちらへ駆けてきた。
ゼロスフィリアのバイコーンは耳が良いし、頭も良いらしい。そして、ゼロスフィリアが呼ぶ所を見たことがなかったので今まで知らなかったが、ブルーノと言う名前がちゃんとあったらしい。魔物は気難しいらしいが、流石に何度か乗っていたら、慣れてくれたようで嬉しい。
寄ってきたバイコーンの首元を怜が撫でると挨拶は終わったとばかりに、また池の奥の方へ行ってしまった。
「真っ直ぐだとこんな感じの草原が続くのかなぁ? 左の方はまだまだ先だけど、丘になってるね。右の方行ってみようか」
「ん」
2人は右の方へ進んでいく、長閑な風景が続く。
……何も遭遇しない。
これは戻って昨日の方へ行った方が良かったか? と思っていた所、遠くの林の辺りから地鳴りのような音が聞こえる。
林迄は視界が開けているので見ていると、振動と共にポツポツと黒い塊がこちらへ向かって来るようだ。
「あれは……」
「もしかして、あれがギューギュー?」
「恐らく」
ポツポツ見えた塊が今は黒い集団になっている。凄い速さでこちらの方へ向かって来ているようだ。
怜も実物を見るのは初めてだが、図鑑で見た通り見た目は黒く向こうの世界のそのまま水牛みたいな姿をしている。あの角で突かれたらヤバそうだ。
それが、ヌーの大暴走の如くこちらへ目掛けて走ってくる。林の方で何かあったのだろうか?
考え込んでいる怜にゼロスフィリアが話しかける。
「どーする?」
「せっかくの稼ぎ時、稼がない手はないでしょう! 確か防水性に優れた毛皮が取れるんじゃ無かったっけ?」
「そうだが……」
「フィー君はヤバイ?」
「いや……。全部仕留めるとかでないのなら問題ない」
「なら、明日もあるし怪我しない程度に狩ろう!」
「分かった。角には気を付けろよ」
「うん」
見たところ、一方向に向かっているようなので、2人は離れる。グレーウルフ等周りを囲ってくるような魔物の場合は背中合わせになり死角を減らす方が良いが、今回は囲まれる事はないだろう。
それならば、お互い邪魔にならない位置で自分の正面にいるギューギューだけ切っていけば、気も使わず、勝手に魔物から突っ込んでくれるのでこちらの体力消耗も少なくて済むという判断だ。
お互い戦闘準備をして程なく、ギューギューとの戦闘が開始された。
今回は珍しく、怜は最小限の動きではなく、敢えて真っ直ぐギューギューが向かって来る方へ逆らいながら進みつつ切っている。
怜はそこまで力が強く無いので、何頭も真っ向からくる魔物を相手にしてる方がダメージを負うため、急所に一撃当てたら、自分がその場を離脱するという方法を選択した。
逆にゼロスフィリアはいつもより動かず、横を通る魔物についてはすれ違いざまに切りつけ、真正面からくる魔物はロングソードで斬りつけながら吹き飛ばしていく。




