パーティー買取額貢献ランキングー!1日目1
ーー1日目。
「魔の森なんだか久しぶりだね〜」
「……そうだな」
今日も怜はゼロスフィリアのバイコーンに乗せて貰って魔の森まで来た。
今はちょうどイベント期間で、どこのパーティーも凄い勢いで狩ってそうだから、5日程度2人で大量に狩った所で目立たないだろうという思惑もあり、あまり自重はしない予定だ。
決して金欠だから、とか早く自分の馬が欲しいからという理由ではない。。。
「あ、そーいえば、2人で結構狩っちゃったら生態系とか崩れちゃうかな?」
「魔の森は広大だから2人で狩る分には問題ないんじゃないか? 毎年、年に何回か騎士団が間引きを兼ねて魔の森の浅い部分で討伐を実施しているくらいだし」
「そーなんだ。そーだよね〜。じゃ遠慮せずで良いかな。市場価格の方が心配かなぁ」
「(レイはどれだけ狩るつもりなのか……)一応買取業者とかギルドとかは、空間魔法付きアイテムや魔道具を持っているから問題ないんじゃないか?」
「なるほど、じゃこっちも問題ないねー! じゃ、襲ってくる魔物は綺麗に狩って、今日は常時依頼にもあった適性ランクDのレッドボア中心に狩れたら良いなと思います。フィー君なんかある?」
「いや、じゃレッドボアっぽいのがいる方へ行けば良いんだな」
「……ハッ! そうだフィー君探知魔法で1キロ圏内の生きてるものなら分かるんだっけ」
「ん。魔物の完全な特定までは出来ないがな」
「フィー君、頼りになる〜。よろしくね!」
ゼロスフィリアは褒められ慣れていないようで、照れ隠しか先に歩きはじめてしまった。
因みにバイコーンはもう既に放して、自由にさせている。
今回は浅い部分よりは中程へ行こうと思っているので、取り敢えずどんどん奥へ進む。
と、さっそく3頭のレッドボアがいた。誘拐される前までの冒険者ギルド通いのお陰で、魔物の知識だけは入っているが、実際に見るのは初めてだ。
なんとなく、言葉から猪を想像していたが、見た目はそのまま猪だった。ただ、やはり魔物故か大きい。横幅2メートル弱、高さが1.5メートル程だろうか。
ふと、隣から冷気がするなと思ったら、ゼロスフィリアがいつの間にか鞘から抜いていたロングソードに氷の属性を纏わせていた。
そういえば、ゼロスフィリアがまともに戦闘している所を見たことないなと今更気づき、
「3頭1人でいける? 見学してて良い?」
と、ゼロスフィリアへ声をかけると、ゼロスフィリアはうなずきそっとその場を離れて行った。
ゼロスフィリアは隠れていた所から飛び出し、3頭目がけて走る。
3頭ともゼロスフィリアを認識すると突進してくる。それを正面から来た1頭には思いきり鼻面を蹴り上げ、強制的に距離を開けると、すれ違いざまに1頭のレッドボアの首元を斬りつけ、その振り切った勢いでもう1頭の胸元を斬りつけ、一度その場を離れる。
ーードサッ、……ドサッ
斬りつけられた2頭のレッドボアはその勢いのまま少し進んだ所で倒れた。
そうしている間にも、最初に蹴り上げられた1頭が怒り心頭と言わんばかりにゼロスフィリアを目がけて突進する。が、それも難なくかわし、すれ違いざまに先ほどと同様首元を斬りつけた。
ーータタタ、……ドサッ
戦闘を開始して10分も経っていないだろう。
怜は戦闘が終わった事を確認すると、レッドボアに近付く。
首元の傷も胸元の傷もどれも深いが、血が殆ど出ていない。傷口を見ると、凍っているようだった。
確かにこれなら、損傷も少なく辺りにも血を撒き散らさないから良いかもしれないなと怜は思った。
そして、この間の怜が気配を消していくのにゼロスフィリアが驚いていた事からある程度察してはいたが、対魔物の場合、そっと近付いて背後からとかはしないのが普通なのかと学んだ。
これが冒険者の標準の戦い方だと知る機会になったので見て正解だったと納得はしつつ、怜は真似する気はない。そもそも魔法が使えないし、狩りにおいても面倒臭がりの本質は変わらない為、よっぽどの事がない限り、最小限の動きで済ますだろう。
ただ、ゼロスフィリアが仕留めたレッドボアを触るとわりと硬い。弓で遠くからとも思ったが、やはりこの大きさだと弓は無理そうだ。もし弓でやるならばよっぽど強い大きい弓でないといけないだろうが、怜は腕力はそこまでないので(成人一般男性以上はあるので若干の語弊はあるが)無理だろう。
そもそも、この買った弓もだが、この世界の武器は基本魔力を使用する事を前提としている。この大きさの弓であっても、風魔法が使えて矢の速度を上げる又は魔物の弱点となるような属性を付与するなど、魔法を使えば強力な武器になるのだ。
怜にはどうにもならない事なので、今はまだ良くても、今後冒険者業をやっていく上では、対策など念頭においておかなければならないだろう。
ゼロスフィリアが空間魔法付き鞄にしまい終えたので場所を移動する。




