パーティー買取額貢献ランキングー!
ーーギルドへ。
「やっぱり慣れないんだよねー」
誘拐事件後、外を出る時は武器と分かるものを身に付けて出歩いて欲しいという要望? というか強制お願いがゼロスフィリアにより発動され、断る正当な理由もなく、刀とダガーを帯びて歩いている。
怜はボソッと独り言をもらすが、ゼロスフィリアの視線に負けて話を逸らす。
「……そうそう、この5日間だけど、常時依頼の肉納品か、ちょっと高ランクの魔物討伐してその買取をしたいと思う。後は、良い植物が有ればついでに採取かな。なので、魔の森のこの前よりはちょっと奥行くのでも良いかな?」
「……構わない」
場所は決めて居なかったが、門の外には出るだろうと辺りを付けていたゼロスフィリアは、バイコーンも一緒に連れてきている。
本当であればダンジョンの方が自分のレベルにあった層で魔物を狩る事が出来たり、ランダムで現れる宝箱で良い物がでれば、それだけで買取額もあがり効率が良いのかもしれないが、まだ怜が1度もダンジョンへ行った事がなく、効率的な狩場へは行けない事から選択肢から外している。
そうこうしているうちに、冒険者ギルドへ到着した。ゼロスフィリアはバイコーンをギルド横に繋ぎ、怜と共にギルドへ入る。
ギルドのドアを開けると、方々から視線を浴びる。昨日は人が閑散としていた時間に来ていた為注目を浴びなかったが、今の時間帯は閑散としつつあるとは言え、まだ人がそこそこいる時間だった。
そんな視線を気にせず、怜とゼロスフィリアはギルド受付の誰も並んでいないカウンターへ向かう。
毎度お馴染み、うさ耳女の子のミーナのカウンターである。
「お久しぶりです。ミーナさん。お元気でしたか?」
「レイさん。お久しぶりです。私は大丈夫ですが、ちょっと心配しました」
「それはすみませんでした。ちょっと急に行かなきゃならない所がありましてね」
「そうですか。でも、お元気そうで何よりです。本日はいかがいたしましたか?」
「そうそう、”パーティー買取額貢献ランキングー!”というイベントに参加したいと思いまして」
「……こちら本日含め、あと5日しか有りませんがよろしいですか?」
「大丈夫です。これからもお世話になりますし、どんなものか試してみようかと」
「かしこまりました。それでは、パーティーを組む方のギルドカードをご提出ください。あと、こちらはイベントで使用するパーティー名をご指定ください」
なるほどなと怜は思う。通常のパーティーで挑むものが殆どだろうが、イベント毎にパーティーを組むのも認められているのだろう。昨日ルーシーから貰ったチラシにパーティー名必須と書いてあったのはそういう事か。
あと、最大パーティー人数10名と書いてあったから、もっと人数の多いパーティーとかは分けて参加等も出来るのか。
ゼロスフィリアからギルドカードを受け取りつつ、パーティー名なんかある? と目線を向けると、逸らされた。。。
あまりしっくり来ないけど、一応考えてきたパーティー名があるので、それを伝える事にする。
「それではパーティー名は”ナッシング”でお願いします」
「”ナッシング”ですか? もしかして異国の文字ですか?」
「はい」
「読み仮名がこちらの表記であれば、正式名称は異国の文字も指定出来ますが、指定されますか?」
「(一時的なパーティーなのに正式名称とかあるんだ……まぁ、他国のパーティーが参加しちゃいけないとか書いて無かったもんな)じゃ、せっかくなので異国の文字にしようと思いますが、もしダメでしたらこちらの文字で大丈夫ですので」
「かしこまりました。……こちらにこちらの特殊なペンで記載お願いします」
「はい」
怜は改めて、久しぶりに”Nothing”とローマ字を書く。
流石に、世界が違うから無理だろうとは思うが。
「これでお願いします」
「かしこまりました。……こちら問題ないようです。正式名称は記載いただいたものとなりますが、ランキングに張り出されるパーティー名だったり、ギルドのシステムが古いと、読み仮名を大陸共通言語で記載したものがパーティー名とされますので、よろしくお願いします。書き込みにもう少し時間かかるようですので、先に参加費をお支払いいただいてよろしいでしょうか?」
「(書き込み? 臨時のパーティー名でもイベント参加中はそのパーティー名で活動するから、ギルドカードへも書き込むって事かな? )分かりました。銀貨1枚ですよね。こちらでお願いします」
「はい。……ちょうどいただきました。何か質問等ございますでしょうか?」
「特に無いので、大丈夫です」
「かしこまりました。……ギルドカードの設定も完了しましたので、手続きは以上となります。期間短いかと思いますが、頑張ってください」
「ありがとうございます」
怜はギルドカードを受け取ると、ゼロスフィリアにも渡して冒険者ギルドを後にした。
ーーギルドカードの裏面には”Nothing “と印字されていた。
パーティー名難しいですね。先延ばしにしてましたが、こちらでお披露目です。




