♢ 番外編:とある田舎から出てきた青年の話♢
ーー俺はヒック。18歳の割には老けて見える顔だ。この街に来てから一度も10代に見られた事はない。
そう、俺はこの街に冒険者になる為にやってきた。住んでいた所は遠い田舎という感じで村人は50人程、村人より家畜が多いそんな村に住んでいた。
俺は体格に恵まれて成人前に180センチは越えていて、今は199センチだ。笑うと皆一瞬目を逸らす、何故だと昔両親に聞いたら「野生の熊にあった気分になる。……熊は可愛いからね」と、目を逸らしながら言われた。そして、農業で培った筋肉、農業で焼けた黒い肌のお陰で、そこそこ厳つい。村の中でも1番力は強かった。(※注:50人程の村の中では)
そんな俺は男なら1度は夢見るように、冒険者になりたいと思った。周りも見た目は顔含めて冒険者っぽいと褒めてくれてた。俺なら冒険者でガンガン魔物を狩り、お金持ちになるのも夢ではないんじゃないかと。
そして、一大決心をして、冒険者の街の冒険者ギルドに足を運び入れ、意気揚々と冒険者登録講習会へ参加した。
……現実は甘くなかった。
====
名前:ヒック 年齢:18(男)
ランク:Fランク 職業:冒険者
魔力量:120
魔力操作レベル:0
基本スキル:火(Ⅰ)、水(Ⅰ)、風(0)、土(Ⅱ)、光(0)
無属性スキル:筋肉
====
ヒックの村には小さ過ぎて教会がなく、生まれてこの方自分のステータスを知る機会が無かったのだ。魔力量は一般レベル、基本スキルは属性のスキルがあるのに魔力操作レベルは0で、実質操作出来ない。
そして、意味の分からない無属性スキル”筋肉”。
ギルド職員に聞いたら、何か運動をする時一般人は無意識に魔力を上手く使い体に負担をかけないようにしているが、魔力操作0で自分の魔力を上手く使いこなせない人や、敢えて魔力を使わずに体を鍛えるような事をした人は、一般人より筋肉が付きやすくなり、綺麗な筋肉になるそうだ。
……それがこのスキルの意味らしい。意味が分からないが。
一応村に帰れるように、村の皆から貰った帰りの費用はある。だが、意気揚々と村を出て来たのに、すぐに帰るなんて恥ずかしすぎる。
先程とは真逆の気分で俯きかげんに、とぼとぼと路地裏を歩いている時、ヒックは誰かにぶつかった。
「おぃおぃ。にぃちゃん、誰にぶつかってんだぁ?」
ヒックは怖い人に絡まれたかのかと、愛想笑いをしながらしゃんと立って謝った。
「す、すみません。ちょっと落ち込んでて、すみません」
これはカモれるかとわざとヒックにぶつかった男達は焦った。まっすぐ立ったぶつかった相手の男の背は高く、筋肉隆々とした体格、極め付けに凶悪な顔だ。
これはまずいかと話題を変える事にした。
「き、気をつけてくれりゃ大丈夫だぜ。……落ち込んでたのは何でだ?」
「ちょっとこの先どうしようかと思いまして。田舎から出てきたばかりで実家に帰りたくないけど、仕事もないし……」
「仕事? (この厳つい顔に体格、これは仲間にちょうどいい)雑用だが、俺らの所で働かないかい?」
「本当ですか!? お話聞かせてください……」
ヒックは男達の宿に連れて行かれて雑用をこなす事になった。仕事は明日からだ。
♢♢♢
初仕事はアニキの後ろにいればいいと言われた。街を周りそろそろ帰る事になった時、アニキが困っていそうな黒髪に眼鏡の優しそうな男性に声をかけて、宿に連れ帰ろうとしていた。
……なんだかよく分からないうちに”死神ゼロ”という人に昏倒させられていた。
……都会怖い。
♢♢♢
少し怪我をしていたので、アニキ達の家の雑用を行って何日か過ごした後。
あの黒髪眼鏡の男を連れてくるという事で、順番に運ぶ為ついてくるように言われたので、アニキについていった。
何で縛ってるんだろう? と思いつつ、黒髪眼鏡の男を担いで運んでたら、背中に吐瀉物で生温かい地図が出来てた。。。
……まだ給料入ってないのに、都会の仕事辛い。
♢♢♢
俺の服がダメになった事を知り、カシラは届け物のついでに、新しい服を買ってこいと特別にお駄賃をくれた。
……届け物の先はこの街から出た少し遠い所の為、俺は夕方になる前に出ていった。
……帰ってきたら、カシラはいなくなっていて、黒髪眼鏡と”死神ゼロ”だけがいた。
……都会は怖いので実家に帰る事にした。
2章作成に向けて準備中です。
よければ下記にあります☆を押していただけますとより頑張れますので応援よろしくお願いします。




