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読書週間1

 パーティー登録をした次の日から、今日で5日目。今日もこの4日間と同じ予定だ。


 この4日は朝ゼロスフィリアと共に、冒険者ギルドまで行き冒険者ギルドの前で怜とゼロスフィリアは分かれる。

 ゼロスフィリアはそのままダンジョンや森へ行っているようだ。

 一方怜は、そのままギルドに入り読書をする。初日は速読をしていたが、この世界、少なくてもこの辺りに速読の文化はなく目立っていたようなので、今は普通のペースで読んでいる。

 怜にとっては速読でも普通に読んでも、記憶の残り方が違うなどは特になく、速度だけなのだ。ただ、敢えて言うなら速読の方が一気に情報を詰め込む分、集中する為それなりに疲れはする事くらいか。

 

 ひたすら読書し、お昼頃に一度休憩がてらギルドから出て、昼食を取りまたギルドに戻り読書し、夕方ゼロスフィリアが魔物の換金がてらギルドに寄り、2人で一緒に宿へ帰る。というのがここの所の日課となっている。


 そして、今日も今日で普通の速度で午前中の読書を終えて、お昼がてらにギルドを出ようと、一度本を返却する。無料で閲覧出来るものは全て読み終えたので、午後は有料の情報に手を出すか考えながらギルドのドアの方へ進む。と、


「良いご身分だな。パーティメンバーだけ働かせて、自分は読書三昧とは」


 赤毛の大きい男が小馬鹿にするように怜に話しかける。


「死神ゼロの何の弱みを握ってるのか知らないが、たいした実力もない奴が、パーティーメンバーの力を利用してランクを上げること”寄生”って言うんだぜ。知ってたか?」

「成る程、それを”寄生”って言うんですね。勉強になりました。あ、でもフィー君とパーティーを組みたいなら、本人に言ってくださいね。聞いてもらえるかは分かりませんが」


 怜は特に足を止めること無く、赤毛の男に言うとギルドから出る。後ろでまだ赤毛の男は騒いでいたようだが気にしない。


 ゼロスフィリアは特に依頼を受けずに、主に魔力放出の為ダンジョンへ行ったり、森へ行ったりして魔物を狩ってるだけなのだが、傍から見ると男が言ったように怜がゼロスフィリアだけを働かせているように見えるようだ。


 今まで、ゼロスフィリアは人と関わることを避けていた為、毎日ギルドに行くこともなく、行ったとしても人が少ない時間帯にギルドに行っていた。それが怜とパーティーを組んだ翌日からは毎日ギルドに顔を出し、怜と一緒に帰るようになった為、完全に誤解されていた。

 

 それに、このように絡まれるのはこれが初めてでは無いのだ。2日目位から嫌味が始まり、怜が特に気にした素振りを見せなかった為、すぐに面と向かって忠告をしてくる者や突っかかってくる者等が増えた。

 その理由も様々で親切心で忠告してくれる者や、ただちょっかいをかけたい者、先程の赤毛のようにゼロスフィリアの信奉者だったりと色々といた。

 因みに先程の赤毛はゼロスフィリアを尊敬? していて怜に対する嫉妬からくるものだ。ゼロスフィリアがここに来た当初、パーティーを組んで欲しいと頼んで即断られた経歴を持つらしい。怜はギルド内で他の冒険者が噂しているのを聞いていた。当時のまだ周りから畏怖されていたゼロスフィリアを誘う位だから、赤毛もある程度の魔力に耐えられる高ランクだったのだろう。まぁ、怜には関係ないが。

 一々誤解を解くのも面倒だし、ゼロスフィリアと共同戦線を張ればランクアップも早くなる見込みはあるため、”寄生”と言われてもあながち間違ってはいない。それに読書週間が終われば絡んでくる者も減るだろう。その為、のらりくらりとかわしてきた。


 ギルドから少し離れたお店にある、最近ハマっているお店に行きランチを食べ終えギルドへ戻ろうと店を出ると、いつもより多い視線を感じる。

 怜はそろそろ頃合いかと思い、ギルド方面へ向かいながら素早くギルドカードを取り出しゼロスフィリアへメッセージを書く。


====

ちょっとお散歩に行ってくる。帰りが遅くなるかもしれないけど、日付変わる前までには宿に戻る予定だから心配しないで。

====


 このメッセージはゼロスフィリアへ届く事は無かった。

 何故なら、文章を記載した後実際に送信するにはウィンドウを開く時と同様、初期設定では音声認識となっており送信する為のキーワードを言わなければいけなかったが、ミーナはその事を怜に伝え忘れ、怜は実際に試した事がなく音声認識が必要だと思っておらず、ゼロスフィリアはメッセージ機能の初期設定の事を忘れており、結果メッセージはただ文章が記載され保存しただけとなり、ゼロスフィリアの元へは送信されずに終わった。

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