初めてのパーティー結成3
本編へ戻ります。
ーー翌朝。
今日もいつも通り、朝ローレンスの用意してくれた朝食を食べ、ゼロスフィリアと共にギルドへ向かい9時ちょっと前にギルドへ着いた。
因みに、冒険者用の服は着ているが、今日は戦闘の予定はない為、刀は鞄にしまっている。空間魔法付き鞄も小さなポーチ型の為、一見何も装備していないように見えるが、ダガーはちゃんと腰元に何本か装備している。
決して丸腰では無いのだが、ゼロスフィリアからすると、心許なく見えるらしく不評だったが。
まずは、ゼロスフィリアと共に買取カウンターへ向かい昨日の報酬を受け取りに行く。魔物の査定の基準が分からない為、値段の予想が全く付かないので楽しみだ。
「こんにちは。こちらお願いします」
と、昨日貰った記録カードを買い取りカウンターの男性職員に渡す。
「ギルドカードも出してくれ」
怜はギルドカードも渡し、待っていると職員は手元の記録カードとギルドカードを確認し、奥に一度行ってから荷物を持って帰ってきた。
「魔石と、矢とダガーだ。報酬は説明するか?」
「お願いします」
「まずは査定額だが、パゲラは肉と羽分の3羽で銅貨6枚。ホーンラビットは肉と毛皮と角で、角に傷が付いたものは少し査定が低くなっているが5羽で銅貨159枚。ブーブは肉と毛皮と角で銅貨645枚。合計銅貨810枚だが、解体手数料が2割分かかるから、報酬としては銅貨648枚となる。渡すのは金貨6枚、銀貨4枚、銅貨8枚でいいか?」
「はい。大丈夫です」
怜の言葉を聞くと、買い取りカウンターの職員は報酬の準備をし始める。
この職員は寡黙な人のようだ。少しぶっきらぼうな喋り方ではあるが、荷物を扱う手付きなどは雑では無いので、あまり喋るタイプではないのだろう。
それよりも、平静を装っているが、報酬に驚いた。今回の報酬は日本円で言えば64万8千円で、薬草採取の依頼達成料も含めれば1日にして約66万円稼いだ事になる。今回は小手調べ的な感じであり、狩含めて命の危険も感じない内容だったのに、日給としてのこの報酬は驚きだ。
元の世界の警備会社は普通の企業なので言わずもがな、こんな額の日給はないし、実家の稼業で、これよりも多い額の依頼もあったが、命の危険は比べるものではないし、裏工作や怪我の治療やらで結局支出が嵩んだりと大変だった記憶しかない。
こちらも、依頼料が上がれば上がる程危険になっていくのは間違いないだろうが、この調子であれば十分に老後の資金まで集められそうで何よりだった。
「報酬だ。間違ってないか?」
「はい。大丈夫です」
買い取りカウンターの職員は怜が報酬を確認したのを見て、ギルドカードのウィンドウに何か書き込むと、ギルドカードを返却する。
怜はお礼を言って買い取りカウンターを離れると、本日のもう1つの目的であるパーティー申請の為、受付カウンターへ行く。
そこそこ人はいるが、混雑時間帯ではない為昨日の夕方程混雑していることは無かった。その中でも空いているカウンターに進んだ所、居たのはミーナだった。
怜はパーティー申請書を提出しながら、ミーナに話しかける。
「こんにちは。パーティー申請にきました。確認お願いします」
「はい。パーティーメンバーの方は一緒にいらっしゃってますか?」
「はい。来てます」
「それではレイさんとパーティーメンバーの方のギルドカードもご提出ください」
怜は斜め後ろにいたゼロスフィリアを振り返ると、既にギルドカードを首から外しており、それをすっと怜に渡す。怜はゼロスフィリアのギルドカードと自分のギルドカードを2つカウンターに置いた。
「それでは、何点か確認させていただきながら、登録作業を行います。
まずは、こちらのパーティー名はまだ決定されていないという事でよろしいでしょうか?」
「はい」
「それでは、決まりましたら再度申請お願いします。パーティー名は決定しますと、今は何も記載されていないギルドカードの裏面にパーティー名を表示するように設定しますので、その際にもメンバーの方のギルドカードのご提出をお願いします。
次に、パーティーメンバーはレイさんとゼロスフィリアさんの2人でよろしいでしょうか?」
「はい。後から増やす事も可能ですよね?」
「大丈夫です。それではレイさんはEランク、ゼロスフィリアさんはSランクなので、パーティーランクは……」
手元の申請書を見ながら、事務的に話していたミーナだが不意に言葉を止めた後
「っ!? え!? ゼロスフィリアさんって、あの正式パーティーは組まない、”孤高のSランク冒険者ゼロスフィリア”さんですか!? え!? それがEランクの怜さんと2人パーティー!? え?」
と、大きい声で叫んだ。
ギルド職員のうさ耳のミーナさんは可愛いけど、物凄くドジっ子です。血の気の多い冒険者が引くくらい。その為、避ける人が多く、特に何も気にしない怜がよく当たるという寸法です。




