初めてのパーティー結成2
本日もローレンスの夕食を食べ終え、デザートを食べながらのお茶の時間に突入した。以前、甘い物が好きな怜が初めてローレンスのデザートを食べた時、美味しくて翌日に感想を言って以来、頻繁に食後のデザートを用意してくれるようになったのだ。
怜は紅茶を飲みながら見ていたパーティ申請書をテーブルに置く。本日の議題はパーティー申請の中身と今後についてだ。
「本日無事Eランクに上がる事が出来たから、以前の話し合い通り、パーティーを組もうと思うんだけど……本当に俺と組んで良いの? なんか、ランクが近い者同士が組むのが普通らしいけど」
「レイとがいい。他のやつと組むつもりはない」
ゼロスフィリアは食い気味に即答する。怜は苦笑しながらも、ゼロスフィリアの意思は変わらなそうなので、再度確認はしなかった。
「分かった。じゃ、次パーティーリーダーはどうする?」
「レイで」
こちらもゼロスフィリアは食い気味に即答する。
「……流石にリーダーはランクが高い方が良いんじゃないかな?」
「そんな事ない。レイの方が言葉も上手いし人当たりも良いからあってる。リーダーに求められるのは強さよりも他者との交渉だったりまとめ役の方が向いている筈だ」
ただ単にゼロスフィリアが面倒臭くてやりたくないと言っているのかと思ったら、意外とちゃんとした理由だった。まぁ、理由は後付けかもしれないが。。。
「分かった。まぁ、嫌じゃないし、俺がリーダーやるね。でも、常識的な事とかフォローよろしく」
「ん」
「で、俺的に次が1番困ってるんだけど、”パーティー名”どーする? 何かフィー君付けたい名前ある?」
「……特にない」
「だよね……。因みに皆んなどんな名前付けてるの?」
「聞いた事あるのは、”竜の牙”とか”真紅の嵐”、”白銀の狼”とかか」
「なるほど。(なんだか厨二っぽいよーな)」
「……」
「……」
「……」
「……パーティー名は後にしようか。パーティー名決まってない場合は名前で呼ばれるんだって。幸い2人だから名前呼びでも支障はそこまで無さそうだし。じゃ、お互い名前書いて明日提出すれば完了かな」
お互い必要事項を埋め申請書を完成させると次の話題へうつる。
「明日からなんだけど、明日はまず報酬を受け取って、パーティー申請をしたら、俺はもうちょっと情報収集したい。軽く考えてたわけではないけど、ちょっと油断しちゃったし、、、幸い冒険者業に必要そうな情報はギルドで閲覧出来るみたいだし。暫くは情報収集を兼ねてギルドに通おうと思う。その間フィー君はどーする?俺はギルドと宿の往復になると思うから、依頼とか受けててもいーよ」
「……いや、依頼は時間がかかる可能性もあるから、ダンジョンに適当に潜る」
そう、森以外にもこの街を囲うようにダンジョンが8つも存在するのだ。ダンジョンも気になるが、ダンジョンは特殊な魔道具システムを導入していて、入場にお金がかかるようなので、どの位になるか分からないが常時依頼の報酬を貰い、一通り情報収集をした後ダンジョンにも挑戦したいと怜は思っていた。
ゼロスフィリアはゼロスフィリアで、余りある魔力を定期的に放出しておく方が体調が良いらしい。1人であれば近場のダンジョンで時間もかからずサクッとフロアボスを倒して帰ってこれるらしく、怜が部屋に篭っている間も実はちょこちょこ、魔力放出を兼ねてダンジョンへは行っていたらしい。そんなに長時間居なかったイメージはなかったので、本当にサクッと行って帰って来れるのだろう。ゼロスフィリアはなるべく怜の側にいるようにしているらしいのだが、怜としては、もうちょっと自由にして貰っても構わないのにと思っている。
「分かった。昨日聞いた限り、無料で閲覧出来るものそんなに無さそうだったから1週間位で確認出来ると思う。そしたら、パーティーで依頼受けよう」
「そうだな。………楽しみにしてる」
ゼロスフィリアは後半ボソッと呟くと恥ずかしくなったのか、紅茶を飲み干して、”シャワー浴びてくる”と言うとそそくさと部屋へ戻って行った。
怜はそんなゼロスフィリアを微笑ましく見送り、食器を下げる。食器は指定の魔法陣の場所に置いておくと自動なのかローレンスがやってるのかいつの間にか片付いている。やはり魔法便利だなと思いつつ先程のゼロスフィリアの発言に思いを馳せる。
怜は今まで一緒に仕事をする上で、仕事柄かもしれないが”楽しみ”と言われた事は無かったので、ゼロスフィリアの感想は新鮮だった。それに、元の世界にいた時の最近の仕事ではチーム内での連携は取るが、基本的には司令塔の役割か其々個々に動くかのどちらかが多かった為、同じ目標に向かって、人と行動を共にするのは子供の頃の班活動以来ではないだろうか。そう思うと、何だか子供の頃を思い出すようで、楽しみにしてくれるのも悪くないなと思った。




