初めての依頼完了報告
怜は外に出て新鮮な空気を吸う。洗浄魔法を受けたとはいえ、さっきまで魔物の血の臭いがする中にそれなりにいたので、気分転換を兼ねてだ。
そして、冒険者ギルドへ向かい、ギルドのドアを開けると、外まで聞こえていた賑やかな雰囲気通り、案の定ギルド内は多くの報告者で混んでいた。
怜は一瞬躊躇ったものの、その中でも空いている列に並ぶ。暫く待った後やっと怜の番になった。受付カウンターに居たのは研修中のミーナで、怜はあまり気にしなかったが、研修中の職員の元に並ぶ人は少ないようだ。
「こんばんはミーナさん。依頼の報告にきました」
「こ、こんばんは。それではギルドカードもお願いします」
怜は言われた通りにギルドカードを渡し、ミーナが受け取ったギルドカードを手元の魔道具? に置き、ウィンドウを開き操作する。
「初級ポーションの薬草10束ですね。いかがでしたでしょうか?」
「それがですね、思ったりよりとれて最大40束あるんですが、追加で買い取って貰えたりするんですか?」
「……確認します」
ミーナさんは奥の方へ行き確認してくれているようだ。暫くした後、ミーナさんが戻って来て
「最大20束まで買い取るそうです。見せていただけますか?」
「ありがとうございます。20束はこちらです」
と、怜はポーチから麻袋を取り出し、その中でも20束をカウンターに置く。今更ながら、ここに置いて良かったのだろうかと思った怜だったが、問題ないらしい。
ミーナさんは手元にあったまた別の魔道具? でスキャンでもするように翳し、暫くしてピピッと鳴ると、画面に表示されていた内容をウィンドウに入力している。
鮮度でも測っていたのだろうか? でも、それなら査定にムラが出なさそうで良いなと怜は思った。
「20束全て問題ありません。状態も良く減額もありませんので報酬は依頼票通り10束銅貨6枚の2回分で、銅貨12枚が今回の報酬となります。朝の初心者セットの代金にあててもよろしいでしょうか?」
「はい。大丈夫です」
「かしこまりました。では銅貨7枚が今回の報酬となります。
あ、あと、ギルドカードに常時依頼対象の魔物討伐記録があったのですが、納品されますか?」
怜はそうだったと、鞄の中から解体屋で渡された記録カードを取り出して、カウンターに置く。
「納品します。解体屋から記録カードを貰ってるのでご確認お願いします」
「はい。確認させていただきます」
ミーナは手元の魔道具に差し込み内容の確認をはじめた。
ミーナは中身を確認しながら、”Fランクって1日でこんなに採取しながら狩も出来るっけ?”と、少し疑問に思った。
が、今まで偶々そーいう相手に出会わなかっただけかなと納得してしまった。
ーーミーナは流してしまったが、普通の初心者冒険者であれば採取のみで1日は終わる。ましてや、怜はお昼にさしかかろうかという遅い時間からのスタートである。まだ森に慣れない初心者は早朝から森へ向かい、休憩を挟みつつ今後の為にも森の特徴などを把握しながら採取するのがセオリーなのだ。
「こちら、買取金額はまだ算出出来ていないようですので、常時依頼の達成記録のみ更新しておきますね。こちらの依頼であってますか?」
ミーナはそう言うと、今迄こちら側にはウィンドウが開いていることしか分からなかった水色の半透明の面に、常時依頼の内容を表示してくれた。
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【パゲラの肉】
適性ランク:E
報酬:1羽につき鉄貨5〜15枚
〈他部位買い取り参考価格〉
※羽:1羽分鉄貨5〜10枚
【ホーンラビットの肉】
適性ランク:D
報酬:1体につき銅貨5〜15枚
〈他部位買い取り参考価格〉
※角:1つにつき銅貨8〜15枚
※毛皮:1体につき銅貨1〜10枚
【ブーブの肉】
適性ランク:D
報酬:1体につき金貨1〜3枚
〈他部位買い取り参考価格〉
※毛皮:銅貨5〜50枚
※角:銅貨5〜金貨3枚
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「はい。大丈夫です。そーいえば、質問なんですが、依頼達成の1件ってどーいう基準なんですか? 常時依頼の肉納品だと肉1つに対して1件というカウントになるんですか?」
FランクからEランクへ上がる為には3件の依頼実施が必要という条件を怜は覚えていて、件数の基準がどうなのか聞いておこうと思ったのだ。
「えーと、通常依頼の納品であれば数が決まっていたりするので、その数を揃えられて1回とカウントされます。先程の初級ポーションの薬草依頼で言うと、お客様の同意も得られたので、2回依頼をこなしたとカウントされます。
常時依頼の納品の場合、同じ種類の納品物を何個納品しても納品日が同じ日であれば1件となります。
今回のレイさんで言うと、常時依頼パゲラの肉、ホーンラビットの肉、ブーブの肉それぞれ1件ずつの3件分達成という扱いになります」
「なるほど。因みに、例えば今日狩ったパゲラを3日に分けて納品すれば3件になりますか?」
「え? えーと。今回はギルド提携の解体屋に持ち込んでいただいてるので、解体屋に出すのを3日に分けていれば3件になります。ですが、今回のように肉の納品であれば、1日置いてしまうと鮮度が落ちてしまい査定額も低くなりますので、殆どの方は複数狩った場合でも新鮮なうちに納品されるようです」
「そーですよね。ありがとうございます」
確かに依頼達成件数より、貰えるお金が高い方が良いわなと怜は思った。空間魔法付きの鞄を持っていればまた別かもしれないが、わざわざ日を分けて納品しても手間がかかるし。




