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初めての常時依頼1

 早速50メートル程先の木にいるパゲラを見つけた怜はそっとその場で弓を構える。


 ーーパシュッ……ドサッ


 パゲラはカラフルで、体長も40センチ程あるので、狙いやすい。


 そして、今の衝撃で周囲にいたパゲラが木の上から飛び立ち、こっちの方向へ向かってくるパゲラだけを続けて2羽射る。


 ーードサッ……ドサッ


 怜は周囲をうかがいながら、落ちていった2羽を探し拾いつつ、最初の1羽目もとって、ゼロスフィリアの元へ戻ってきた。


「あんまり血出してなかったから、ちょっと地面埋めるだけにしておいたけど大丈夫? あと、血抜きとかこっちでやった方がいいの?」


「遺体が残る時は燃やした方が良いが今回残さないし、それで良い。今すぐ食べる訳でないのであれば血抜きは時間かかるし、手数料は取られるが通称”解体屋”という、解体を専門にやってる店があるからそこで頼めば良いだろう。そのまま鞄に入れとけば時間も進まないし」


 ゼロスフィリアは心底ホッとした。また何かやらかすかと思ったが、”腕の良い弓士”の範疇だったからだ。


 ーー止まっているパゲラだけでなく、飛び立ったパゲラまで狙いを外さず、3羽とも1射で急所を射抜いているのは本当は凄い事なのだが、ゼロスフィリアの怜への”普通”というハードルがとてつもなく下がっていた為、気がついていない。


「良かったぁー。解体とかも恐らく出来ない事はないだろうけど、殆どやらないから下手そうだし、助かる」


 これだけの狩の腕を持ってるのに、解体は殆どやらず苦手とはやはり、良い所の出なんだろうなと、怜にも苦手な部分があってゼロスフィリアの心は少し落ち着いた。


「これ、刺さった矢返してくれるよね? 矢もお金かかるから無駄にしたくないんだよね。いつもは”0”距離まで行って鷲掴みするか、指弾でやるからそこまで気にしないんだけど」


「……矢は言えば返してくれる筈だ。次行くんだろ。あっちにホーンラビットが何羽かいるぞ」


 ゼロスフィリアは怜の言葉の後半を聞かなかった事にした。実際に見ていないのだから、やっていないのと同じだと意味のわからない理論を自分に展開し完結させたのだった。


♢♢♢


 もう依頼外だからか、ゼロスフィリアは静観をやめ、協力してくれるようで、道案内をしてくれる。そんな中、怜はゼロスフィリアに聞いた。


「ホーンラビットがあっちにいるって何でわかったの?」

「探知魔法だ。俺は植物は分からないが、魔物等の生物は大体だが1キロ圏内であれば何処にいるか分かる」

「凄いね!! 気配は俺も分かるけど、そんなに広い範囲じゃないし」


 気配が分かる時点である種の探知魔法ではないのか? とゼロスフィリアは思ったが、何も言わない。


 怜はホーンラビットの元へ行く間に、”ダモン”と言う名の魔物とその由来が分かった。


 何故なら


 ーーダモン、ダモン、ダモン、ダモン


 と、言いながら猿のようなナマケモノのような魔物がのんびり木を渡り歩いていたからだ。


 ゼロスフィリアへ解説を求めたら、歩く時だけ”ダモン”と声を発していて、止まってる時、走ってる時は無言。あまり凶暴でないため、襲ってくる事は少ない。肉は美味しくなく、魔石も極小の為、滅多に狩る人は少ないのだとか。。。



 ゼロスフィリアは不意に止まり怜に声をかける。


「あの先に複数いる」


 30メートル程先に5羽おり、草を食べているのかじっとしているようだ。そして、名前の通り長い角が1本生えていて体長は60センチ位と割と大きい。


 ゼロスフィリアは斜め後ろに待機したので、怜も弓を構え、続け様に矢を放つ。


 ーーパシュッ、ドサッ

 ーーパシュッ、ドサッ


 2羽射た所で、ホーンラビットも攻撃されている事が分かったようで動き出す。


 ーーパシュッ、ドサッ

 ーーパシュッ、カンッ

 ーーパシュッ、カンッ


 3羽を射た所で、残り2羽にはツノで伏せがれ、攻撃してくる方向が分かったのか真っ直ぐこちらへ向かってくる。


 想像以上に早いっ!


 既に残り10メートル無いくらいまでの距離へ一気に詰められた。


 後ろではゼロスフィリアが戦闘態勢に入ろうとしたが、怜は腰元に付けていたダガーを抜き、ツノに当たらないよう胴体を狙って放つ。


 ーーザッ、ドサッ

 ーーザッ、……ドサッ


 何れも1撃だったが、最後の1羽は残り2メートルの所まで来て倒れた。矢を番える時間に間を詰められると咄嗟に判断し、腰元のダガーにしたのは正解だっただろう。


 怜は周りに動く物が居ないことを確認し、倒したホーンラビットを回収し始めた。

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