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初めての移動

 怜達はスタスタと歩く。そんな中ゼロスフィリアが聞いてきた。


「レイ、何処へ行くつもりだ?」

「ん。南門ってこっちであってるよね? 魔の森に行こうかと思って」


 ゼロスフィリアはその場に立ち止まる。何か問題か? と思い怜も道の端に寄りつつ立ち止まる。


「初心者がよく行く南西の森じゃなくて、魔の森か?」

「うん。魔の森の方が人少なさそうだし、さっきの薬草、魔の森の浅い方にも生えてるんだって。魔の森も浅い方なら鬱蒼とはしてるけど危険じゃないって前フィー君が買ってくれた本に買いてあったから」


 その通りではあるが……とゼロスフィリアは唸りながら考える。ゼロスフィリアは冒険者の中では魔の森へ良く行く方だと思うが、普通初心者は魔の森へ行かない。浅い部分ならまだ良いが、奥へ行けば行くほど強い魔物が出て、未だに全く開発が出来ない地なのだ。

 ただ、浅い方なら確かにそれほど危険では無いし、昨日の怜の行動からまだまだ、とんでもない行動をするんじゃないかという懸念もあり、人気のない森の方が良いのはあるかもしれない。

 だが、


「南門から魔の森まで徒歩だと約4時間はかかるぞ」

 

 そう、浅い方といえど魔の森は割と遠いのだ。結局ギルドを出たのは10時過ぎで、まだ南門すら出ていない今の時点から徒歩で行くと、着くのは14時過ぎとなり、冒険者は17時頃までに街に戻ってくるのが推奨されいる為、それを守ろうと思うと薬草採取をする前に引き返さなければならないのだ。

 ただ、これはあくまで徒歩の話で、徒歩なら4時間以上かかるが、別の移動手段を用いればもっと早く着くのだ。だが、ゼロスフィリアから見ると怜は徒歩で行く気に見える為、移動手段はどうするんだ? という意味での先程の発言だった。


 そんなゼロスフィリアの言葉に対し怜は


「あ、そっかぁ、お昼購入しておかないとお昼にかかっちゃうね」


 と、全く的外れな回答をした。


 予想外の答えにゼロスフィリアは若干動揺しつつも、めげずに問いかける。


「そ、それもあるが、聞きたいのは足の事だ」

「足? ……あー移動手段のこと?」

「そうだ」

「南門出たら、普通に走ろうと思ってたけど」


 “何かおかしい?”とでも言いたげな怜に対し、ゼロスフィリアは何が”普通”か分からないと絶句し、移動については口を出そうと心に決めた。


♢♢♢


 剣と魔法の世界の為、ついつい里にいる感覚に近くなってたけど、そーいえば身体技能はあまり発達してない世界だったと、怜はゼロスフィリアに連れられ宿の方へ戻りながら心の中で言い訳を始める。


 魔の森へは南門から徒歩4時間と事前情報として聞いていたので、距離的には約20キロ位だと思っていた。そして、20キロであれば一般人ですらフルマラソン(42.195キロ)を2時間代で走れるのだから、訓練を受けた怜にとっては40分かからない位で走れる距離で、たとえそのペースで走ってもほぼ疲れない距離だったのだ。空間魔法のお陰で荷物がほぼない今なら尚更のこと。

 そんな訳で走ろうと思っていたが、確かにゼロスフィリアも出来る前提でいたが出来ないのだろうか。


 今は、ゼロスフィリアに”走る以外に疲れない移動手段がある”と言われたので、素直について行っている。

 何となく時代的に馬かなぁと思いつつ、通りで馬車を見たことはあるが、単騎で乗ってる人は居なかったので、日本の江戸時代みたいに庶民の使用はほぼ認められないみたいな認識だったのだが違うのだろうか。

 それに馬となった所で、怜が最後に乗ったのは里での訓練以来の為、今も乗れるのかは怪しい。

 

 そうこう考えているうちに宿につく。何で宿? と思っていたら、宿の中には入らずそのまま裏手へ行く。


 そこには厩舎があった。

 そして、そのまま奥の方へ行くと、大きな漆黒の馬っぽいのがいた。

 全体的には馬に似ているのだが、大きさがサラブレッドより1回り以上は大きいく、額には角が2本。


 これってもしかして……


「俺のバイコーンだ。移動手段に使ってる」


 怜はやっぱりと思って、その前に思っていた事を問う。


「移動手段って言うから馬かと思ったけど、魔物? なんだ」

「バイコーンはBランクの魔物だな。他の冒険者は馬を使ってる奴も居れば他の乗りやすい魔物を使ってる奴もいる。俺の場合は魔力が多くて、普通の馬は怯えて乗れなかったからな」

「なるほど。そこにもフィー君の魔力の弊害があったんだね。それにしても、街中で馬車は見たけど、単騎で馬に乗ってる人見たこと無かったから、移動手段に馬は用いないのかと思ってた」

「街中では基本、騎乗は禁止だからだな。ランクが上の冒険者程、馬だったり魔物だったり移動手段は確保している」


 それもそうかと説明に怜は納得したが、


「で、移動にフィー君のバイコーン使うという事は……」

「2人乗りだな」


 と、ゼロスフィリアはニヤリと笑った。

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