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冒険者レイ

いよいよ怜のステータス公開!

 帰宅し、ローレンスさんの部屋へ運んでくれた食事を食べ終わり、食後のお茶(本日はデザートのケーキ付)をしていたところ、ゼロスフィリアが声をかけてきた。


「冒険者登録したんだよな? (ギルドカードのステータス)俺も見たい」

「いーよー」


 と軽く返事をし、向かいに座ってた怜は、ゼロスフィリアの隣に移動し首に掛けていたギルドカードを手繰り寄せ”オープン”と唱え、ウィンドウをみせる。


====

名前:レイ 年齢:28(男)

ランク:Fランク 職業:冒険者

魔力量:14

魔力操作レベル:0

基本スキル:火(Ⅰ)、水(0)、風(0)、土(0)、光(0)

無属性スキル:言語理解(Ⅱ)

特記事項:

====


 ーーブフッ。


 見た瞬間ゼロスフィリアは吹き出した。


「お、お、おまえ……」


 怜はゼロスフィリアが何に突っ込みたいのか分からない。


 突っ込みどころが多すぎて。


 ゼロスフィリアの吹き出す姿は初めて見たなぁと思いつつ、今までは感情を押し殺していたようだが、最近のゼロスフィリアは意外と感情を表に出すようになってきて良い事だとしみじみ思う。


「何だこの赤子並みのステータスは! 無属性スキルもこれだけなのか? 非表示にしてるのか?」


 ゼロスフィリアは無事再起動したようだが、苛立っているようである。あまり、ヒートアップしないタイプの筈なのだが。


「登録した時のままだからスキルは今のところそれだけみたいだよ。赤子って……(やっぱり)。でも、この世界に発生したばかりという意味では文字通り生まれたばかりだから、赤子並み? のステータスで間違ってないんじゃないかな」


 と、怜は思った事を淡々と言っただけだが、過保護ゼロスフィリアの苛立ちの火に油を注いでしまったようだ。


「このステータスで本当に冒険者をやるつもりか!? こんなの依頼以前に、人に少しど突かれただけで死ぬぞ!」


 ゼロスフィリアというよりは、この世界の常識では、やはり魔力やスキルがある事が普通の為、身体能力を鍛えるという発想がないのかも知れないなと怜は思った。


「この世界ではそーなのかも知れないけど、多分大丈夫だってー。前の世界ではそれなりに丈夫な方だったし、強い方だったから」

「お前の世界ではそーだったのかも知れないが、こちらの世界ではそのステータスでは無理だ! 魔力であれば俺がいくらでも渡せるが、結局魔力操作レベルが”0”であれば魔力を使うことが出来ないし、恐らくこれ以上成長しないだろう」


 苛立ちながらも、怜を尊重しながら重ねる言葉は、本当に怜を心配して言ってくれているのが分かる。

 良い子だな。と思いながらも、このままでは冒険者の依頼を受ける所ではなくなりそうなので、怜の出来る事を見せようかと思う。

 ……言葉で納得させるのが面倒臭くなって来たとも言う。



 ゼロスフィリアの言葉は続いていたが、怜は言葉を遮るようにゼロスフィリアへもたれ掛かるように()()姿()()()()()、問いかける。


「冒険者の仕事でなくても、他に仕事はいっぱいある!」

「これでもダメかな?」

「何を…」


 ゼロスフィリアは何を言っているんだと言葉を続けようとして、いつの間にか自分の首元にフォークが突き付けられていることに気がついた。


 怜は少し殺気を込め再度問う。


『ダメかな?』


 声を聞いた途端一気に背筋が冷える中、ゼロスフィリアは先程と変わらない微笑みの怜を横目で見る。優しそうな表情は変わらないのに、感じるのは強い魔物と相対した時の危険だというシグナル。状況から見るに、テーブルにあったゼロスフィリアが使っていたフォークを手に取り、それと分からない一瞬の隙に相手に気付かせずに殺す準備を終えている。首元にあるフォークはしっかり頸動脈に当てられているようで、いくらゼロスフィリアが油断していたとはいえ、やろうと思えば今の一瞬で簡単に殺されていただろう。


 怜は動かないゼロスフィリアを観察し、十分に状況を分かって貰えた事を確認すると、殺気を引っ込め、フォークを元のゼロスフィリアが食べていたケーキの皿に戻す。


 暫く無言が続く中、ゼロスフィリアは


「お前はなんだ?」


 と、出会った時と同じ言葉を言われたので、怜も


「なんだと思います?」


 と、微笑みながら以前と同じ返答をしてみた。



 その言葉を聞いてゼロスフィリアは脱力し、知らないうちに緊張して力が入っていた事に気がつく。そして、先程の張り詰めたような空気は流れ、緩くいつものような雰囲気に戻った。


 怜も前回とは違いゼロスフィリアに不機嫌になられずに済んだ事に上機嫌で、テーブルの向かい側に置いてあった自分の紅茶を、引き寄せ口に含んだ。


 落ち着いた所で怜は前の職業についてゼロスフィリアへ解説を始める。


「うーん。何て説明すれば良いんだろ……。簡単にいえば要人警護(護衛)の仕事をしながら、暗殺系一族って言えばいいのかな? の次期頭首候補もやってた感じ」

「……」


 ゼロスフィリアは無言で見つめてくるので、怜はもうちょっと補足を入れる。


「その一族の頭首候補やってたのもあって、情報収集だったり、戦闘だったり、一通りは出来てたかなぁ。まぁ、それぞれにプロの部下が居たから、俺が実際現場に出る事は少なかったけど。

あ、魔法のない世界で、魔物も居なかったから俺の技術? は全部”対人”向けだけどね」


 怜は話を続ける。


「だからか? 今日の模擬戦見てて、皆んな魔法を使う前とか武器に魔法を付与する前に一瞬止まるじゃない? 俺ならその瞬間に飛び道具投げて終わりかなと思った」


 確かに、魔法発動時に一瞬隙が出来る人も多く、対人戦では実際にそこを狙われる事もあるが、結局相手も魔法の発動準備時間がある為上手くいく事は少ないし、パーティーで挑む魔物相手の場合は武器を使う前衛は予め魔法付与しておく。不意打ちであっても最初の1撃は武器で防ぎ、後衛の魔法士が魔物を相手にしている間に武器に属性付与したりする為、並の冒険者であればそこまで問題視する人はいないのだ。


 一応ゼロスフィリアは納得したようだ。


「……それなら、職業は”アサシン”で良かったんじゃないか?」


 怜もギルドの職員に見せてもらった職業の一覧にアサシンの項目があったのは気付いていたのだが


「うーん。なんか目を付けられそうだし、せっかく異世界に来たから前の職業と同じ事やらなくて良いかなと思って。それにメインは情報収集だから実際の暗殺の仕事はそんなに無かったしね。冒険者なんて前の世界ではメジャーでは無かったから、一種の憧れ的なものもあるし」


 と、あっけらかんと言う怜にゼロスフィリアは脱力しながらアドバイスを送る。


「それなら、せめて、魔力量と魔力操作レベルは非公開にしとけ。基本スキルも非公開にしたい所だが、冒険者としては非公開項目が多すぎても”訳あり”と勘繰られて面倒そうだし。あと特記事項に”暗殺術”……が嫌だったら”護身術”とでも入れとけ」


 との言葉通り、怜は素直にウィンドウをいじって設定しておく。


====

名前:レイ 年齢:28(男)

ランク:Fランク 職業:冒険者

魔力量:14【非】

魔力操作レベル:0【非】

基本スキル:火(Ⅰ)、水(0)、風(0)、土(0)、光(0)

無属性スキル:言語理解(Ⅱ)

特記事項:護身術

====


 最終的なステータスをみたゼロスフィリアは


「学者か通訳にしか見えないな」


 と、一言呟いた。


 怜も確かにと思った。

ゼロスフィリア母ちゃんお怒り&怜の秘密ちびっと公開回でしたー。隠密業はオリジナル設定なので、今後も大分違ってくるかと思いますが悪しからず。


〜魔力量参考〜

最小50程。

一般人で100〜150前後

騎士は500以上(近衛は800〜)

騎士団長が1,500位

宮廷魔法士が2,500位


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