模擬戦見学1
「フィー君の職業、魔法剣士って何?」
「魔法を使った剣士」
……そのまま。これは質問相手を間違えたか。。。
気を取り直して別の質問を投げる。
「職業って皆んなどーやって決めてるの?」
「適当。……受付に言えば初心者向けに教えてくれるんじゃないか?」
と、言うことで受付に居たルーシーさんの所へ質問しに行く。
ゼロスフィリアも、資料を返却するようで別の受付へ向かった。
「ルーシーさん、冒険者登録講習会ではありがとうございました。冒険者カードの登録の職業どうしようかと思っていまして、皆さんどんな感じなのか教えていただけますか?」
質問した所、やはり同じような質問がそれなりにあるのか、A4位のパネルを持ってきてくれたので、それを眺める。
怜が読み始めたのを確認すると、ルーシーは説明を始めた。
「基本的に職業名は自由ですが、初心者の方ですと、ひとまず”冒険者”と設定して、各々得意なスキル等を表現する職業や、主とする依頼によって更新される方が多いです。例えば、風魔法が得意な人は”風魔法士”と名乗ったり、採取依頼を主としている方は”採取士”と名乗ったりしています。」
怜は暫く眺めた後、パネルを返す。
「そーなんですね。色々とありがとうございます」
「いえいえ、えーと、レイさん? この後の模擬戦参加されますか?」
「レイで合ってます。いえ、今回は見学だけさせてもらいたいのですが、可能ですか?」
「はい大丈夫です。後ろの方も参加されず見学だけでよろしいでしょうか」
用が終わってやってきたようで、怜の後ろにゼロスフィリアがいた。
うかがうようにゼロスフィリアに首を傾げてみせると、首を横に振ったので参加はしないようだ。
「参加しないみたいです。模擬戦は初心者だけじゃなくて誰でも参加出来るのですね」
「はい。それではそろそろ始まりますので、好きな場所で見学して行ってください。失礼します」
ルーシーさんは怜達に一声かけた後、参加者を集めて注意事項を説明し出したので、怜達は先に訓練場に入る事にする。
ギルドの建物から外へ出るのとは反対の方に訓練場へ続くドアがありそこをくぐると、直ぐに訓練場だった。訓練場は日本の体育館よりちょっと狭い位だろうか。四平が壁で囲まれている為少し威圧感があるが、動くのには問題なさそうな広さだ。
訓練場には既に人がいて、こちらは模擬戦とは関係なく、鍛錬している。
先程、講習会に参加していた人達も子供を中心に何人かいた。模擬戦には参加せずに、スキルの登録をしているようだ。
怜達は邪魔にならないように、恐らく模擬戦が行われるであろう場所の端へ向かう。
そうこうしているうちに、模擬戦参加者も訓練場へやってきた。意外に人は集まらなかったようで、ぴったり10人だった。
試合が始まる。
第1試合目は2人とも何も持っていない、先程の登録会にいた12歳位の少年達だ。
手ぶら? と怜は思ったが、2人は特に武器を出す様子もなく、10メートル位だろうか、離れた位置に着く。
審判はルーシーさんのようだ。
2人が位置に着いたのを見ると、双方の真ん中に出していた手を上にあげ、スタートの合図をおくる。
すると、2人とも呪文? を唱えると、片方は人の頭位の大きさの火の玉が1つ浮かび上がり、もう 片方は拳程の大きさの火の玉が浮かび上がる。
拳程の大きさの火の玉を作った少年が先に、火の玉を相手に飛ばす、人の頭位の火の玉を作った少年が飛んできた火の玉にぶつけて相殺……はせず、相手の火の玉は消しつつ、半分の大きさになったまま、相手の少年の顔目掛けて飛んでいく。
あわや当たるか!? という所でルーシーさんの「そこまで」という声と共に、水のシールドのような物が、顔面に当たりそうだった少年の前に展開されて、火の玉は消えた。
少年達は自分のギルドカードを確認し、無事スキルが発現したようで喜んでいる。
怜は顔には出していなかったが、唖然とした。
試合が速攻で終わった事もそうだが、ぶつけ合おうとしていた火の玉の速度が、小学校低学年位の子が遊びでやるようなキャッチボール並みに遅かったからだ。
怜も最初の火の玉が出た時は、流石魔法のある異世界! なんて思ったりもしたのだが、その後がお粗末過ぎて……。いや、今のは今日登録したばかりで、その中でも若い子供達だったからと言い聞かせて怜は次の試合へ期待する事にした。
次は年齢層が少し上がって15歳位の少年と成人位の青年の試合だ。




